便秘解消に効果的な方法は?食事から生活習慣まで一挙に紹介
便秘はなるべく早く解消してスッキリさせたいものですよね。便秘を解消するにはどんな方法が効果的なのでしょうか?
何をやっても良くならない・・と諦めてしまっている人は、自分に合った方法が見つかっていないだけなのかもしれません。
この記事では、便秘の解消方法を一覧で見やすくまとめています。あなたに合った便秘解消法を取り入れ、便秘をスッキリと解消しましょう。
便秘を解消するにはどうしたらいいの?
「自分は本当に便秘なの?」と気になっている方はいませんか?
「何日間便が出ないと便秘」という明確な基準はありません。お腹が張って苦しくなったり、便が残っている感じがあれば、便秘ということになります。
便秘には、「自分で対処できる便秘」と、「放置してはいけない危険な便秘」があります。危険な便秘の場合は、医師に相談することが必要です。
便秘になるとお腹がスッキリしないだけでなく、「便秘は万病の元」とも言われているため、放置することは長い目で見ても良くありません。
この記事では、セルフケアとして自分で対処する方法を紹介しています。まずは、色々と試してみて自分に合った効果的な方法を見つけてくださいね。
これでスッキリ?便秘を解消する食事と飲み物
便秘の原因として、まず考えられるのが「偏った食事」です。腸は大事な消化器官であり、食事の内容を見直すだけで便秘が改善されることもあります。次に紹介する食事法を取り入れてみましょう。
食物繊維は水溶性がおすすめ
便秘解消のために食物繊維を摂取すると良い、という話しは有名な話だと思います。しかし、便秘で苦しい時に、間違った食物繊維の摂り方をすると逆効果になることがあるのをご存知でしょうか?
食物繊維には、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」と、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」があります。食物繊維は、大腸を刺激して排便を促す作用や、善玉菌のエサになって腸内環境を整える作用があります。
しかし、「玄米」や「おから」などの不溶性食物繊維が多く含まれる食品は、便秘の解消には逆効果になる場合もあります。不溶性食物繊維は、食べ過ぎると逆に便を詰まらせ、お腹が張る場合もあるからです。
それに対して、どんな便秘であっても比較的安全に取り入れられるのが「水溶性食物繊維」です。例えば、キウイやバナナなどのフルーツは水溶性食物繊維が豊富な食材としておすすめです。
毎日1つのフルーツを食べるだけで、水溶性食物繊維を補うことができ、便秘が解消するという人もいるようです。
食物繊維の摂り方について、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
お茶、ハーブティーなどの飲み物で解消
便秘の原因は「水分不足」という場合もあります。日中に摂取する水分が少ない人、また、特に夏場など汗をかきやすい時期には水分不足で便秘がちになりやすいと言えます。
十分な水分量を摂ることはもちろん大事ですが、次のような方法で摂るのもおすすめです。
朝1番にコップ1杯の水またはレモン水
水分摂取には量とタイミングが大切です。おすすめは朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲む方法です。空腹な胃に水を流し込むことで、「胃ー大腸反射」という反射作用により便秘が起こりやすくなります。
もし、胃が丈夫な方でしたら、レモン水を飲むのも効果的です。
効果的な水分摂取については、こちらの記事も参考にしてください。
便秘解消に効果的なお茶やハーブティーを飲む
便秘で悩んでいる場合には、お茶やハーブティーもおすすめです。ただし、ダイエット茶のように売られている「センナ茶」「アロエ茶」などは、腸への刺激が強いため、長期的に頼ることは避けた方が無難です。
便秘で悩んでいる方には、ごぼう茶やマテ茶などは食物繊維を補うことができるお茶としておすすめです。お腹が張って苦しい時には、レモングラスティーやミントティーなどが良いでしょう。ガスの排出を促してくれます。
ただし、お茶は下剤ほどの効果は期待できません。便秘対策の補助として役立てましょう。
オリーブオイルでスッキリ
便が硬くなると、痛くて出しにくいものです。そのせいで、怖くなって便秘になってしまう方もいます。ダイエットのために油の摂取を減らしている人は要注意です。
便秘解消に役立つ食品にオリーブオイルがあります。おすすめなのはエクストラバージンオリーブオイルで、オレイン酸という脂肪酸により、腸を刺激する作用があります。また、適度に油分を与えることで便をするっと出しやすくする作用もあるのです。
朝食でパンを食べるなら、大さじ1杯程度のエクストラバージンオリーブオイルを付けて食べると、便意を催しやすくなります。
また、サラダやスープに入れて取り入れるのも良いでしょう。寝る前に大さじ1杯程度を飲んで寝るという方法もあります。
この他にも、便秘解消に役立つ食べ物がいくつかあります。こちらの記事では、便秘解消に役立つ食べ物について詳しく解説しています。日頃の食事を見直すことは、便秘解消にとって有効な方法です。
ヨーグルトは食べ方と種類にこだわろう
便秘解消といえば、ヨーグルトと想像される方も多いと思います。しかし、ヨーグルトを食べているのに便秘が治らない・・という方もいるのではないでしょうか。
ヨーグルトは食べ方と種類にこだわることが大事です。
ヨーグルトの効果的な食べ方
ヨーグルトを食べても便秘が良くならないという人は、食べるタイミングを変えてみましょう。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は胃酸に弱いため、空腹で食べると菌が死んでしまいます。
食後に食べるようにすることで、生きた菌が腸まで届きやすくなりますよ。
また、乳製品であるヨーグルトを冷えたまま食べると、胃腸を冷やすため腸の働きが悪くなっているかもしれません。ホットヨーグルトにすることで消化も良くなり、胃腸の働きもアップします。
ヨーグルトは菌で選ぼう
ヨーグルトといっても、発酵に使われている菌の種類は様々です。基本的には乳酸菌が多いですが、中にはビフィズス菌を含むものもあります。また、乳酸菌とビフィズス菌の種類もたくさんあります。
効果がある菌は人によって異なり、どの菌が合っているか知るには、最低でも2週間程度続けてみることが必要です。色々と食べ比べてみて、自分の腸にあったヨーグルトを探しましょう。
善玉菌を増やす、ヨーグルトの選び方は、こちらの記事でも詳しく紹介しています。ヨーグルトを活用したいという方は、参考にしてみてください。
さらに、乳酸菌とビフィズス菌の違いについては、次の記事で詳しく解説しています。こちらも、ヨーグルト選びのヒントになるはずです。
便秘に効くツボ押しとマッサージで腸を刺激しよう
便秘を即効で解消したい、なるべく薬などに頼らずにスッキリしたい。そんな方には、ツボ押しやマッサージもおすすめです。特に材料も道具も必要なく、すぐに試せる方法を紹介します。
便秘解消に効くツボ押し
ツボ押しは東洋医学の1つであり、ツボを押すことで血や気の巡りを良くして悪い所の回復を促す方法です。便秘の時には、主に大腸の動きを良くするツボを押すのが効果的です。いくつかある中で、トイレの中でも出来ておすすめなのが「合谷(ごうこく)」です。
合谷(ごうこく)は手の親指と人差し指の間にある、ちょうど水かきに当たる場所にあります。痛気持ちいいと感じる場所を反対側の手の人差し指と親指で挟んで刺激します。即効性も高いので、息んでみても出ない時に試してみると良いでしょう。
腸を刺激するお腹のマッサージ
腸に溜まった便は、直接腸の上からマッサージで刺激して出しやすくしてあげるのも効果的です。
お腹を「の」の字を描くようにマッサージする方法は、簡単に自分でできるのでおすすめです。お腹を温めて腸の動きを良くする作用もあります。
ただし、痛みや変な感覚がある場合には中止してください。
詳しくは、こちらの記事でマッサージ方法を確認してください。
運動を取り入れて腸を刺激する
運動不足のため、腸の動きが悪くなって便秘になっている方も少なくないようです。お腹が苦しくて辛いのに運動なんてしたくない、と思うかもしれませんが、可能な範囲で出来る運動を取り入れると便秘を解消しやすくなるでしょう。
ウォーキングで腸の動きを良くする
足を動かすことで、お腹の周りにある腸腰筋(ちょうようきん)を柔軟に動かせるようになると、腸の動きが良くなります。また、歩くことで自律神経が整い、排便リズムを整えることにもつながります。
目標としては、出来れば1日に30分以上歩くようにしましょう。時間のある方は、朝ごはんを食べてからのウォーキングがおすすめです。
ヨガのポーズでお腹を楽に
ヨガは呼吸とポーズを連動させることにより、心身のバランスを整えるメソッドです。様々なポーズがありますが、便秘で苦しい時におすすめのポーズは、「上を向く犬のポーズ(アップドッグ)」と「赤ちゃんのポーズ(チャイルドポーズ)」です。
お腹の筋肉を伸ばすことで腸を刺激してくれます。朝起きてから行うのがおすすめです。
- うつ伏せの状態で両足は肩幅程度に開きます。
- 胸の両側に手をついて、腕の力で上半身を上に持ち上げます。
- 顔を上にあげ背中が気持ちよくなるように反り、前面のお腹も伸ばします。
- 鼻から呼吸して、腰が痛くならない程度にキープします。
このポーズはリラックス度が高いので寝る前に行うと効果的。お腹のガスにも効きますよ。
- 仰向けになって寝て両膝を抱えます。
- 上半身は首が痛くならない程度に少し起こし、おへそを覗き込みます。
- 気持ちいい呼吸で30秒ほどキープし、呼吸と共に数回繰り返します。
- 背中のマッサージをするように上下、左右にゴロゴロすると腸の動きが良くなります。
便秘解消のために取り入れたい生活習慣
いろいろな便秘解消法がありますが、便秘の原因には何らかの生活習慣が関係してる方が多いようです。生活習慣を見直すのはもちろんのこと、次の方法が便秘解消のためにはおすすめです。
朝ごはんを抜かない
ダイエットのため、食欲がわかないため、朝ごはんを抜く方もいると思います。しかし、朝ごはんを食べることは便秘解消するために非常に大切です。
特に、朝は大きなぜん動運動が起きるタイミングでもあり、便秘解消の絶好のタイミングなのです。
空っぽの状態の胃に、朝ごはんを十分量食べることにより、胃の重みが伝わって大腸が反射的に動きます。その反射が自然な便意となって排便を促してくれます。
朝食抜きはやめて、食欲が無かったとしても、ヨーグルトとバナナ、お粥くらいの軽いものを食べることを心がけると良いでしょう。
ストレスを溜めない
ストレスが溜まっていると、腸の動きを司っている副交感神経の働きが鈍り、腸の動きが低下して便秘になりやすくなります。便秘の原因が何らかの「ストレス」という方も少なくありません。
ストレスがあると、どんな解消法を試しても効果が出にくいのも問題です。
根本的に便秘を解消するにはストレスを減らすことが大切です。しかし、人間関係、仕事の内容など、誰でもストレスをゼロにすることは難しいですよね。
そこで、ストレスを溜めないように発散することを考えましょう。好きな音楽を聞いたり、ゆっくりお風呂に浸かる時間を持つ、睡眠をしっかりとるだけでもストレスを和らげることができますよ。
トイレに行く時間を確保
朝忙しくてバタバタして時間が無く、せっかく便意があっても無視していると便秘になってしまいます。
ゆっくりトイレに入っている時間が無いという方は、あと10分、出来れば30分早く起きるようにするだけで、トイレタイムを確保しやすくなるでしょう。朝早く起きるためには早く寝ることも大切ですよ。
もし、朝は時間が無いという方は昼でも夜でも構いません。落ち着いてトイレに入れる時間を設けるようにしましょう。
身体を冷やさないこと
冷えは便秘を悪化させる原因の1つです。冬場の寒さだけでなく、夏場のエアコンの効かせ過ぎも要注意。身体冷えていると腸まで冷えて腸の動きを悪くしてしまいます。女性は特に冷えやすいので注意が必要です。
腹巻きを活用してお腹を温めるのも良いですが、表面的に温めるよりも入浴で体の芯から温めた方が効果的といえます。入浴することでリラックスすると、自律神経のバランスを整えられることも効果の一つ。
38度から40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりと浸かるようにしましょう。好きな入浴剤を入れるとリラックス効果も高まります。お腹だけ温めるには半身浴もおすすめですよ。
便秘薬は使った方がいい?整腸剤で効果はあるの?
便秘薬はスッキリできそうだけど、お腹が痛くなる不安や副作用が心配という方も多いでしょう。便秘薬は使った方が良いのでしょうか?
症状によって便秘薬を正しく使おう
薬に頼りたくないからと我慢しすぎると、便秘が悪化して腸閉塞など深刻な状況につながりかねません。適切なタイミングで正しく便秘薬を活用するようにしましょう。
便秘薬は種類によって作用が異なります。お腹が痛くなるのが心配な方は、比較的安全なマグネシウム製剤を使うと良いでしょう。
便秘薬の種類と副作用については詳しくはこちらで紹介しています。
整腸剤は便秘解消に効果はあり?
乳酸菌やビフィズス菌などを主体とする整腸剤は腸内細菌のバランスを整えて便秘を改善してくれる作用があります。
便秘薬と比べると効果は穏やかになり、即効性に欠けますが、根本的に便秘を改善したい方にはおすすめです。色々なタイプの整腸剤があるので、使い分けるのがおすすめです。
整腸剤の選び方についてはこちらで詳しく解説しています。
便秘を繰り返さないために腸内環境を整えよう
便秘になると悪玉菌が腸内で繁殖して、さらなる便秘の悪化を引き起こしてしまう悪循環につながります。悪循環を断ち切るためにも、腸内環境を改善することが大切です。腸内環境はどのように改善すれば良いのでしょう?
乳酸菌やビフィズス菌を摂取しよう
腸内環境が悪化して増えた悪玉菌をやっつけてくれるのが、善玉菌です。例えば乳酸菌やビフィズス菌を摂取することで腸内の善玉菌を増やすことができます。ヨーグルト、ぬか漬けや味噌などの発酵食品を食べることで乳酸菌は摂取できます。
ただし、ビフィズス菌については加工されたヨーグルト以外で取り入れることは難しいため、整腸剤やサプリメントを活用するのがおすすめです。
乳酸菌とビフィズス菌の違いはこちらの記事で詳しく解説しています。「便秘に効果的なのは結局どちらの菌?」という疑問にもお答えしているので参考にしてください。
また、ビフィズス菌のおすすめサプリメントについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。サプリメント選びの参考にしてください。
オリゴ糖や食物繊維で善玉菌を増やす
外から摂取した乳酸菌やビフィズス菌は腸に定着するのには時間がかかります。そこで合わせて摂取すると効果的なのがオリゴ糖や食物繊維です。これらは善玉菌のエサとなるため、乳酸菌やビフィズス菌が増えるのを助けてくれます。
症状に応じては医師に相談
この記事で紹介した方法は、自分で出来る便秘解消法です。ただし、便秘がひどい時、出血や吐き気など他にも気になる症状がある場合には医師に相談することをおすすめします。
大腸ガンやポリープなどのように、便秘の原因には何らかの病気が隠れているケースもあるため、自己判断で治療を遅らせることのないように気をつけましょう。
さいごに
便秘は腸の問題だけではなく、全身の健康に関係します。便秘を解消することは健康維持のためにもとても大切です。
日頃の食生活や生活習慣を見直して、便秘の原因を取り除くようにしましょう。また、場合によっては便秘薬などの力を借りた方が良いこともあります。たかが便秘と思わずに、適切に対処していくように心がけましょう。
参考資料:快腸!絶好腸!快便力 (松生恒夫 著)
参考資料:「お腹の張り」をとれば腸は年をとらない!(松生恒夫 著)
参考資料:よくわかる便秘と腸の基本としくみ (坂井正宙 著)