お腹の違和感の対処方法

お悩み別!整腸剤の選び方 – 市販薬の整腸剤総まとめ


執筆・監修:笹尾(薬剤師)

お腹が張って苦しい、便秘がち、軟便気味、ガスが気になるなど、お腹の不調に悩んでいる方はいませんか?
便秘薬や下痢止めなどの薬は、効果はあっても、飲み続けるのは抵抗がありますよね。そんな時に頼りになるのが整腸剤です。

でも、種類がありすぎて、どれを選べば良いのか迷ってしまうこともあるでしょう。おすすめの整腸剤をお悩み別に一挙に紹介していきますので、参考にされてみてください。

市販の整腸剤

整腸剤ってどんな薬?

「整腸剤」と呼ばれる薬を病院で処方されたことはありませんか?もしくは薬局で見かけたことがあるかもしれません。

よく耳にすることのある整腸剤ですが、一体どんな薬なのか知っていますか?
まずは、整腸剤の種類と他のお腹の薬との違いについてご紹介します。

整腸剤は大きく分けて5種類

整腸剤とひとことに言っても、種類がいくつかあります。
薬局に行くと種類が豊富すぎて何がどう違うのか分からず、どれが良いか選ぶのが難しいと思います。整腸剤は大きく分けると、次の3種類があります。

  • 生菌配合の整腸剤
    ※生菌とは、、簡単に言うと生きた乳酸菌のこと。生菌は腸内を酸性に傾けることで悪玉菌の繁殖を防ぎます。
  • 消泡剤入り整腸剤
    ※消泡剤とは、、腸内のガスを破裂させて消す作用のある薬。
  • 胃薬、消化酵素を配合した整腸剤
  • 酵母やビタミン剤配合の整腸剤
  • 乳酸菌配合の健康食品やサプリメント
「整腸剤」と呼ばれていても、中身の成分は商品それぞれで異なっています。一つの成分だけでなく、胃腸に良い成分が複数組み合わせて入っている場合もあります。
その成分の組み合わせによって、効果にも違いが見られます。

便秘薬(下剤)や下痢止めとはどう違うの?

整腸剤というと、胃腸を整えるようなイメージがありますよね?同じように胃腸に作用する薬として、便秘薬(下剤)や下痢止めがありますが、これらと整腸剤は別の薬です。

便秘薬(下剤)は、便秘の症状を改善するための薬です。大腸を刺激して排便を促す作用があり、有名な薬としては、コーラックスルーラックなどがあります。

また、下痢止めの薬は水下痢のような強い下痢症状を改善するための薬です。例えば正露丸ストッパなどがあります。どちらも即効性が高いタイプが多いのが特徴です。

それに対して、整腸剤は便秘や下痢の症状に使うことはできますが、いわゆる即効性は期待できません。あくまでも腸の状態を整えながら、ゆっくりと正常に戻していくのが整腸剤の役目です。
整腸剤は、腸の状態を整えながら治療していく薬なのです。

便秘や軟便の時におすすめの整腸剤

便秘の症状や軟便など、便通に問題がある時に整腸剤でも効果が期待できる場合があります。便秘や軟便などの腸の不調におすすめの整腸剤はどれなのか、理由と共にご紹介します。

便秘や軟便の原因は?

便秘や軟便の症状にはいくつかの理由が考えられますが、原因の一つとして悪玉菌の増加が関係していることがあります。悪玉菌が増えると便秘になる場合もあれば、下痢をすることもあります。
もし、悪玉菌による便通の異常を改善するならば、次の整腸剤がおすすめです。

おすすめのタイプ:
生菌配合の整腸剤

おすすめの理由:
腸内細菌のバランスを整える作用があるので、悪玉菌を減らして善玉菌を増やすことができます。善玉菌を増やして適切なバランスになることで、便の状態が正常な状態へ戻ります。

おすすめの生菌配合の整腸剤

  • 新ビオフェルミンS

新ビオフェルミンS

画像:ビオフェルミン製薬 ビオフェルミンS

  • パンラクミンプラス

画像:第一三共ヘルスケア パンラクミンプラス

  • ビオスリーH

ビオスリーH

画像:東亜新薬株式会社 ビオスリーH

コメント:
これらの整腸剤には生きたままの善玉菌、つまり生菌が含まれていてお腹の中で更に善玉菌を増やしてくれる作用があります。整腸目的、便秘(便通を整える)、軟便、腹部膨満感の解消などに効果が期待できます。

お腹のハリやガスが気になる時におすすめの整腸剤

お腹が張って苦しい時、ガスが溜まっておならが気になる時などにも整腸剤は効果を発揮します。特に、お腹のハリやガスが気になる時に効果的な整腸剤について紹介します。

お腹のハリやガスの原因は?

お腹が張るのは、腸内に溜まった異常なガスが原因です。おならが気になる場合も、腸内に溜まったガスが原因となります。

ガスは食べ物を消化する時に発生したり、食べ物と一緒に吸い込んだ空気、また異常に増えた悪玉菌によっても発生します。
もし、ガスによるお腹の張りが気になる場合には、次の整腸剤がおすすめです。

おすすめのタイプ:
消泡剤入り整腸剤

おすすめの理由:
消泡剤というのはお腹に溜まったガスを取り除いてくれる効果のある成分です。特によく使われるのが「ジメチルポリシロキサン」で、ガスの気泡を潰してくれる作用があります。
ガスが減ることでお腹の張りの症状が改善してきます。

おすすめの消泡剤入り整腸剤:

  •  ザ・ガードコーワ整腸錠PC

ザ・ガードコーワ整腸剤PC

画像:興和株式会社 ザ・ガードコーワ整腸錠PC

  • ラッパ整腸薬BF

参照:大幸薬品株式会社 ラッパ整腸剤BF

  • ガスピタンa

ガスピタン

画像:小林製薬 ガスピタン

  • コバガード(小林製薬株式会社)

コバガード

画像:小林製薬 コバガード

  • パンシロンビオリズム健胃消化整腸薬(ロート製薬株式会社)

パンシロンビオリズム

画像:ロート製薬 パンシロンビオリズム

コメント:
消泡剤入りの整腸剤は種類が多く、それぞれに違いがあります。ザ・ガードコーワ整腸錠PCは生きたままの乳酸菌に納豆菌、消泡剤に加えて、胃の調子を整える生薬が入っています。また、パンシロンビオリズム健胃消化整腸薬も、お腹の調子と合わせて、胃の調子も悪い場合におすすめです。

消化不良ぎみな時におすすめの整腸剤

食べた後になんとなく胃がもたれる、最近食欲が落ちていると感じる消化不良ぎみな時にも、整腸剤を使って対処することができます。消化不良ぎみの場合に役に立つ整腸剤についてご紹介します。

消化不良の原因は?

消化不良は、飲みすぎ食べ過ぎ、刺激物の取り過ぎ、過労やストレス、または胃腸の病気が隠れているということもあります。消化不良では胃薬を使うこともありますが、腸の調子も悪い場合には次の整腸剤もおすすめです。

おすすめのタイプ:
消化酵素または健胃生薬配合の整腸剤

おすすめの理由:
消化酵素が含まれている胃薬であれば、消化を助けて胃と小腸での消化吸収を改善してくれます。
消化不良の時には消化に時間がかかって、食べ物が未消化のまま腸まで届いてしまいます。そのせいで、腸も便秘ぎみや軟便になったりと、調子が悪くなることもあります。
また、胃腸を動かす健胃生薬が配合されている整腸剤では、衰えた胃腸の動きを良くしてくれる効果もあります。ストレスによる胃腸の不調には、胃の調子を整える健胃生薬配合のタイプがおすすめです。
なお、下痢を伴う場合には乳酸菌を配合した下痢止めを使用するのも良いでしょう。

  • ラクサレット(京都薬品ヘルスケア株式会社)

ラクサレット

画像:楽天市場

  • パンシロンビオリズム健胃消化整腸薬

パンシロンビオリズム

画像:ロート製薬 パンシロンビオリズム

コメント:
いずれも整腸剤に消化酵素がプラスされた処方になっているので、胃もたれや軟便、便秘などの症状に効果があります。胃腸を動かす健胃生薬が配合されているので、胃腸機能が低下した時の便秘や腹部膨満感にも効果的です。

参照:武田薬品 タケダ健康サイト

胃腸が弱くて栄養補給をしたい場合の整腸剤

加齢や体質によって胃腸が弱く食事を十分に摂ることができないので、栄養補給をしつつ胃腸を元気に整えたいという場合にも整腸剤が役に立ちます。

おすすめのタイプ:
乳酸菌やビール酵母およびビタミン配合の整腸剤

おすすめの理由:
食事からの栄養補給が十分でなく、胃腸の機能が低下しがちな高齢者や病後などの栄養補給として、乳酸菌と同時に腸を整えるビール酵母などの乾燥酵母、乳酸菌の増殖に必要なビタミン群も摂取することができます。
弱った胃腸を元気に整えてくれる効果が期待できます。

  • エビオス錠

エビオス錠

画像:アサヒフードアンドヘルスケア エビオス嬢

  • 強力わかもと(わかもと製薬)

協力わかもと

画像:わかもと製薬 強力わかもと

  • 新ラクトーンA(アサヒフードアンドヘルスケア)

新ラクーンA

画像:アサヒフードアンドヘルスケア 新ラクトーンA

コメント:
いずれも胃腸薬など薬の成分は含まれず、乳酸菌や酵母、ビタミンなどの栄養成分から構成されています。日頃の体調管理の一つとして毎日摂取することができる整腸剤です。

健康維持のために乳酸菌を摂取したい場合

胃もたれ、軟便、便秘、お腹の張りのような胃腸の症状は特に無いけれど、腸の健康のために乳酸菌などを含む整腸剤を取り入れたいという方には、健康食品やサプリメントを摂取するという方法もあります。

お薬の成分を含む整腸剤は継続的に使うのはおすすめできませんが、乳酸菌やビフィズス菌などを含む健康食品やサプリメントであれば、特に症状が無くても安心して取り入れることができます。

サプリメントをどのように選べば良いか分からないという方のために、「乳酸菌のキモチ」編集部が、お悩み別に乳酸菌のサプリメントを徹底取材しています。
以下の特集記事も参考にされてみてください。

整腸剤とサプリメントの違いに注意

なお、注意して欲しいのは、整腸剤とサプリメントは同じように錠剤やカプセルの形をしているので、少し見分けにくいということです。
例えば、商品のパッケージに「医薬品」「医薬部外品」と書いてあれば、お薬の成分を含んだ整腸剤です。一方で「栄養補助食品」とあればサプリメントと判断できます。

一般的に、整腸剤は病気の治療を目的として用いるもので、サプリメントは病気を治すために飲むのではなく、特定の栄養成分を補うために摂取するものです。似たような乳酸菌を含んでいても目的が異なるので気をつけましょう。

こんな時は整腸剤では効果が出ない?!

医師の説明

あらゆる胃腸の症状に効果のある整腸剤ですが、場合によっては効果が出ない場合もあります。次の場合には、整腸剤を自己判断で使用するのではなく、早めに医師に相談するなど適切に対処するようにしましょう。

整腸剤を1ヶ月以上服用しても変わらない

便秘、軟便、下痢やお腹の張りの症状を改善するために整腸剤を服用しても、効果がすぐには現れにくい場合もあります。整腸剤はそもそも即効性が高い薬ではないので、効果が現れるには少し時間がかかる場合があるからです。

ただし、効果が見られないのに、漫然と整腸剤を服用しつづけることは病気の発見を遅らせることになるためおすすめできません。もし、1ヶ月以上服用しても症状が変わらないのであれば、服用を中止して医師に相談するようにしてください。

参照:ビオフェルミン製薬 お薬Q&A

症状が次第に悪化している

お腹の張りだけだったのが、次第にお腹に痛みを感じ始めたり、下痢、血便などの症状の悪化が見られるという場合には、何らかの病気が隠れていることも考えられます。
対処法を自己判断で決めるのではなく、まずは医療機関を受診して相談するようにしてください。

原因が精神的ストレスや過敏性腸症候群などの腸の病気

精神的ストレスによる胃腸のトラブルに対しても、市販の整腸剤である程度までは対処することは可能です。
しかし、症状が強い場合や原因が特定できない場合には整腸剤では効果が不十分であることも考えられるため、医師に相談するようにしてください。

また、ストレスが原因の一つといわれる過敏性腸症候群の場合には、整腸剤ではなく他の治療を受けた方が良い場合もありますので、専門医に相談してみると良いでしょう。

精神的なストレスが関わっている場合には、根本的なストレスに対する対処も必要です。整腸剤や乳酸菌のサプリメントなどを取り入れるだけでなく、ストレスの原因を避けたり、自分なりの解消法を見つけることも考えましょう。

参考文献:「腸内細菌の驚愕のパワーとしくみ」辨野義己 著

執筆・監修:笹尾(薬剤師)