便秘にオリゴ糖が効果的?過剰摂取は大丈夫?目安量は..


便秘になるような生活や食事はしていないのに、便秘が解消されないとお悩みの人におすすめなのがオリゴ糖です。

オリゴ糖とは?どんな効果があるの?便秘改善のための目安量はどのくらい?など、実際の研究結果を元に紹介していきます。

オリゴ糖

オリゴ糖の摂取で便秘が改善する?!

まず、オリゴ糖とはどんなものか説明していきます。

当初、虫歯にならない甘味料として開発されたフラクトオリゴ糖(原料:ショ糖)は、その後、腸内細菌研究の第一人者として知られる光岡知足氏によりビフィズス菌の増殖活性に優れていることが確認され、腸内細菌叢(さいきんそう)※の改善に役立つ機能性素材として注目を集めました。

また、大豆オリゴ糖や乳果オリゴ糖など、その他のオリゴ糖についても、胃や小腸で消化されず大腸まで届き、ビフィズス菌の餌となって、腸内環境の整備に役立つことが確認され、そうしたオリゴ糖の役割はO-157が日本中で猛威を振るった際、抵抗力を高める機能性素材として再認識されるところとなりました。

参照:日本食品機能研究会 オリゴ糖

代表的なオリゴ糖

  • フラクトオリゴ糖・・(原料はショ糖)
  • 大豆オリゴ糖・・・・(原料は大豆)
  • 乳果オリゴ糖・・・・(原料はショ糖と砂糖)
  • ラフィノース・・・・(原料はビート糖蜜)
  • ガラクトオリゴ糖・・(原料は乳糖)
  • キシロオリゴ糖・・・(原料はトウモロコシ)

オリゴ糖が腸内環境にもたらす影響

腸内には、人体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、どちらか優勢な方の味方をする「日和見菌」の3つの腸内細菌がいます。

腸内細菌は、同じ種類ごとに集団になり、腸内に壁面を作って生息しています。これを、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と言います。叢(そう)とは「草むら」という意味。また、種類ごとに集団を作るお花畑に例えて腸内フローラとも言います。

善玉菌:悪玉菌:日和見菌のバランスは、2:1:7が理想です。

腸内環境の理想的なバランスは2:1:7

腸内細菌のバランスが乱れ、悪玉菌が増えると、腸内に腐敗物を溜め込み、有毒物質・有毒ガスなどを発生させます。これにより、便秘・下痢・おならの頻発・においがひどくなるなどの原因となります。

老廃物が大腸に溜まる>腐敗して有毒ガスが発生する

オリゴ糖は、腸内の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)のエサとなり、善玉菌が増加します。これにより、腸内細菌のバランスが理想的に近づき、腸内環境のバランスが整うことに繋がります。

オリゴ糖の便秘改善効果を見てみよう!

株式会社H+Bライフサイエンスで行われた研究をご紹介しましょう。

病院に入院中で、浣腸や下剤を常用している高齢の患者さん5名(男性2名、女性3名)に、2ヵ月間オリゴ糖シロップを摂取してもらいました。試験期間は4か月間で、初めと終わりの1ヵ月はオリゴ糖シロップを摂取せず、真ん中の2か月間だけ摂取してもらいました。

その結果、オリゴ糖シロップを摂取していた第2期と第3期だけでなく、摂取していない第4期も、排便回数(青色)が増えました。また、下剤服用回数(オレンジ色)は第3期以降減り、浣腸回数(緑色)も第4期で減りました。

H+Bサイエンス グラフ1

参照:株式会社H+Bライフサイエンス オリゴ糖の便秘改善効果

この研究は対象となった患者さんの人数が少ないのですが、この研究からオリゴ糖シロップが便秘の改善に効果があると言えるでしょう。

もう一つ、別の研究結果もご紹介しますね。

便秘の人12名(男性4名、女性8名)に、お茶100ccにオリゴ糖シロップ小さじ1杯/日を溶かしたものを3週間飲んでもらいました。試験期間は4週間で、1週目はオリゴ糖シロップを摂取せず、2週目~4週目まで摂取してもらいました。

その結果、オリゴ糖シロップを摂取し始めた2週目から排便回数が増え(上)、便の状態も普通便・軟便の割合(下:ピンク色)が増えました。

H+Bサイエンス グラフ2

参照:株式会社H+Bライフサイエンス オリゴ糖の便秘改善効果

つまり、オリゴ糖シロップが、便秘の改善に効果があったということになります。

実は、この研究には、慢性下痢(1か月以上)の人も参加していて、オリゴ糖シロップの摂取で下痢の改善が見られました。

オリゴ糖は、腸内細菌バランスを整えるので、便秘だけでなく下痢も改善する可能性があるようです。

他にもあるオリゴ糖の効果!

オリゴ糖による効果は他にもあります。

  • 整腸作用
  • 便秘解消
  • 肥満防止
  • 動脈硬化予防
  • 老化防止
  • 美肌効果
  • ミネラルの吸収促進作用

オリゴ糖はどうやって摂取する?

色々な効果が見込めるオリゴ糖ですが、どうすれば摂取できるのでしょう?

オリゴ糖が多く含まれる食材

オリゴ糖が多く含まれる食材には、このようなものがあります。

  • にんにく
  • ごぼう
  • たまねぎ
  • ねぎ
  • アスパラガス
  • バナナ
  • はちみつ
  • 味噌
  • 醤油
  • 大豆

また、特定保健用食品(トクホ)として、市販されているものもあります。砂糖の代わりにオリゴ糖を使ってみるのもおすすめです。

オリゴ糖を過剰摂取するとどうなる?

何でも摂り過ぎは身体に悪いものです。それはオリゴ糖も同じ。では、どのくらい摂れば良いのでしょう?

厚生労働省e-ヘルスネットには、このように記載されています。

市販されているオリゴ糖製品の有効摂取量は、一日あたり2~10グラムです。

しかしオリゴ糖を急に摂取すると、下痢を起こしたり、おながか張ったりすることがあります。このような場合には1回の量を2~3回に分けて摂取する、または1日あたりの摂取量を減らして、数日間かけてもとの摂取量に戻すという方法があります。

オリゴ糖に対する腸内細菌の「慣れ」を考えながら摂取することが重要です。

参照:厚生労働省e-ヘルスネット 腸内細菌と健康

さいごに

オリゴ糖は、目安量さえ守れば、安心して摂取でき、しかも便秘、下痢の改善につながります。他にも色々な効果があるので、積極的に取り入れることをおすすめします。