コーヒーを飲むと便秘解消!?それとも便秘になるの?
最近では緑茶以上に身近な飲み物となったコーヒーは、一日に何杯も飲む人もいますよね。様々な健康効果もわかっているコーヒーですが、飲むとすぐに便意を感じるという方もいるでしょう。
コーヒーは便秘改善とどんな関係があるのでしょう。反対に飲むと便秘になってしまう、という説を聞いたこともあるかもしれません。
コーヒーが便秘解消にとって有効なものなのか徹底解説します!
目次
コーヒーって便秘に良い?悪い?
コーヒーで便秘が解消するという人もいれば、便秘になるという人もいます。
一体どちらが正しいのでしょう。実は、どちらの説も否定はできない根拠があるようです。
便秘にいいと言われる理由
コーヒーが便秘に効くと言われる理由はいくつかあります。
- カフェインが胃腸を活発化
- オリゴ糖の影響
- クロロゲン酸が善玉菌を増やす
以上の理由から便秘に効果があると言われています。ひとつずつ見ていきましょう。
カフェインが胃腸を活発化させる?
一杯のコーヒー(100ml)には、40mgのカフェインの量が入っています。コーヒーの4割はカフェインからできているのですね。
このカフェインが胃液を分泌させ、腸を収縮される作用があると言われています。
「空きっ腹にコーヒーを飲んで胃が痛くなった」という経験に心当たりがある人もいるでしょう。
コーヒーのカフェインにより胃腸が活発に動くために便通を促されるということです。
普段から比較的お腹がゆるい人が1杯のコーヒーですぐに便意を感じるのは、カフェインの影響がありそうです。
オリゴ糖の影響?
コーヒーに含まれるオリゴ糖が便秘を解消する、という説もあります。オリゴ糖は整腸作用のある成分です。
腸内で善玉菌の栄養素となって、善玉菌を増やしてくれる役割があります。腸内環境が改善されるために便秘が解消するのです。
ただし、残念なことに抽出したコーヒーにはほとんどオリゴ糖は残っていないとも言われます。インスタントコーヒーであれば4%程のオリゴ糖が含まれますが、コーヒー1杯で換算するとわずかな量ともいえます。
最近は『コーヒーオリゴ糖』が含まれる商品も売られています。そういったものを試してみるのも良いかもしれません。
また、オリゴ糖は大豆やたまねぎ、アスパラやバナナ、にんにくといった食品にも多く含まれていますよ。
クロロゲン酸が善玉菌を増やす
コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」が腸内細菌を増やすということがわかっています。
クロロゲン酸というのはポリフェノールの一種。コーヒーの濃い色や苦味、香りはこのクロロゲン酸が含まれているためです。
この、クロロゲン酸を含んだコーヒーを飲んだ10時間後に、腸内で「ビフィズス菌」が増えるという研究結果が出ています。ビフィズス菌というのはどういったものなのでしょう。
乳酸菌の一種で、主に人間や動物の腸内に存在する代表的な善玉菌。
整腸作用だけではなく、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑える効果があると考えられている。
主に人間や動物の腸内に存在する乳酸菌の仲間で、善玉菌の代表格です。特に乳児の腸内に多く存在しています。他の乳酸菌と違い酸素を嫌う性質があり、発酵すると乳酸だけではなく酢酸も発生させることから、乳酸菌とは別の種類とされることもあります。
ビフィズス菌は腸内で有害な菌の繁殖を抑え、腸の働きを良くする働きがあります。ビフィズス菌は酸に弱く、経口摂取によって生きたまま腸まで届けることが難しいため、さまざまな研究がなされています。
参照:e-ヘルスネット
つまり、コーヒーを飲むとビフィズス菌増加による整腸作用が働くことで、便秘の解消につながるのです。
以上のように理由を見てみると、便秘が解消されるという現象に説明がつきますね。
コーヒーが便秘を悪化させる理由
では、今度は逆にコーヒーが便秘を引き起こすと言われる理由を見ていきましょう。
- 利尿作用により水分不足を引き起こす
- タンニンが胃腸の働きを抑える
- クロロゲン酸が便秘を起こす
以上のような原因が考えられます。
水分不足が便秘の原因に
カフェインには強い利尿作用があります。長距離移動の前にはコーヒーを控えるという方もたくさんいるでしょう。
水分不足は便秘を引き起こす要因の1つです。便に水分が行き渡らず、硬くなってしまうために便が出にくくなってしまうのです。
コーヒーの飲み過ぎでおしっことして水分が出て行ってしまうのを防ぐためにも、一日1〜2杯にとどめておきましょう。
タンニンが腸の動きを鈍くする
コーヒーに含まれる『タンニン』は、赤ワインや緑茶にも含まれるポリフェノールの一種です。
抗酸化作用もあり美容にも良いと言われていますが、便秘の原因にもなるのです。
タンニンの過剰摂取により、便秘を引きこすこともあります。
参照:上尾市医師会
クロロゲン酸は便秘も引き起こす?
先に、善玉菌を増やす作用のあるクロロゲン酸は便秘を解消すると説明しました。一方でクロロゲン酸は便秘を引き起こすという説もあります。
クロロゲン酸が胃腸の働きを抑えて便秘を引き起こす原因となるという話もあるのです。しかし、コーヒーに含まれるクロロゲン酸は非常にわずかであり、多量に飲まない限りは胃腸に対する影響は少ないと考えられます。
コーヒーと腸の関係
便秘に良いと言われる一方で、悪化させてしまうとも言われるコーヒー。
コーヒーと腸の関係をさらに深く検証してみましょう。
腸内で乳酸菌が増えると美容効果も!
便秘が解消するかどうか効果は人によって異なりますが、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が腸内で善玉菌を増やすという点は注目すべきメリットです。
腸内で善玉菌が増えると次のようなメリットがあります。
- 整腸作用
- 免疫力がアップする
- アレルギーが改善する
- 美容効果
- ダイエット効果
- うつ病予防
腸内環境の改善の仕方はこちらで詳しく説明しています。
女性の浸潤結腸がんを予防する?!
コーヒーと結腸がんとの関係を調べる研究が行われるが行われました。コーヒーを一日3杯以上飲む女性は『浸潤結腸がん』のリスクが56%下がるという結果が出ました。
『浸潤』とは腸の壁を破壊して、最終的には周りの臓器まで広がる様なタイプのガンのことです。ただし、ガン治療においての有効性がまだ確証に至っているわけではありません。
コーヒーはがんを予防するとはよく言われることですが、まだまだ研究段階というのが実情です。
参照:国立研究開発法人 国立がん研究センター社会と健康研究センター 予防研究グループ「コーヒー摂取と大腸がんとの関連について」
コーヒーによる健康メリット
コーヒーは腸内環境を整えたり、アンチエイジングといった以外にもいろいろなメリットがあると言われています。腸の健康は全身の健康にもつながります。コーヒーの健康メリットをみていきましょう。
クロロゲン酸による病気予防
コーヒーポリフェノールとして大注目のクロロゲン酸ですが、病気の予防にも一役買っているというのです。
クロロゲン酸などのポリフェノールが持つ、抗酸化作用が動脈硬化やがん予防に有効だという研究結果が出ています。
特に注目するべき点は「2型糖尿病」を抑制する効果が認られたという点です。
日本人は欧米人に比べ元々2型糖尿病になりやすい体質ともいわれています。
クロロゲン酸がインスリンを分泌する膵臓の働きを強めるため、糖尿病の予防につながると期待されています。
アンチエイジング効果
ポリフェノールの抗酸化作用にはアンチエイジング効果もあると言われています。
ヒトでいうと60代に相当するマウスにコーヒーを飲ませると老化のスピードが緩まるという効果も見られました。
老化とコーヒーの関係もまだ研究段階と言えますが、こちらもコーヒー好きには嬉しい結果ですね。
リラックス効果
コーヒーブレイクでリラックス。いうまでもなく我々の生活に浸透しているコーヒー文化の1つです。
淹れたてのコーヒーの豊かな香りをかぎながら一息つくだけで、ホッと安心しますよね。
このリラックスをする瞬間というのは健康にとっても大切なことなのです。
ストレスは万病の元。便秘も引き起こしてしまいます。
反対に、リラックスをすることで自律神経が整うと便秘解消につながります。そういう意味でもコーヒーは便秘解消につながるといえますね。
腸にいいコーヒーの飲み方
コーヒーは健康に良いとはいっても、むやみやたらに飲みすぎることはよくありません。腸にいい、正しいコーヒーの飲み方を知っておきましょう。
アイスよりもホットコーヒーを飲む
冷たい飲み物を食べると胃腸に負担がかかってしまい、便秘や下痢と行った腸の不調を引き起こしてしまいます。
また、コーヒーは薬膳の世界では「冷やす食材」と考えられています。飲みすぎると体を冷やしてしまうので要注意。ホットにすれば身体を冷やしにくくなりますよ。
砂糖の代わりにオリゴ糖を入れる
甘いコーヒーが好きな方はお砂糖の代わりにオリゴ糖を入れましょう。
腸内の善玉菌を増やす効果があるので、腸内環境が整い、便秘解消が期待できます。
腸内環境を整えることは便秘解消への近道です。
コーヒー以外の便秘解消法を知りたい方はこちらをご御覧ください。
コーヒーを飲む際の注意点
健康にいいとは言っても、コーヒーを飲みすぎるとカフェインの過剰摂取につながります。また、胃腸を荒らしてしまうことも。個人差はありますが多くとも一日3杯程度に留めておきましょう。
妊娠中の方や授乳中の方もコーヒーの摂りすぎには注意が必要。デカフェを選ぶというのも方法の1つです。
まとめ
コーヒーには様々な健康効果が期待されていますが、便秘解消もその1つといえます。ただし、体質や飲み方によって違う影響が出ることもあるため、自分に合った飲み方を選ぶことが大切です。うまくコーヒーを取り入れて、健康的な毎日を過ごしたいものですね。