お腹の違和感の正体 – 原因はガス?!病気の可能性は?
お腹に違和感があると感じたことはありませんか?例えば、お腹が張ったり、お腹に痛みがあったりすることです。
今回は、これらの症状が起こる原因や病気の可能性についてもご紹介していきます。
ただし、自己判断はとても危険です。不安な症状がある場合や、違和感が長く続くようなら、できるだけ早く医師の診察を受けておきましょう。
目次
お腹に違和感が起こる原因は「ガス」?
お腹がぽっこりとふくらみ、洋服のウエストがいつもよりきついと感じたことはありませんか?少し太ってしまったのかな?と思うかもしれませんが、特に食べ過ぎていない場合、お腹の中にガスがたまっているのかもしれません。
最近便秘気味だという人は、その可能性が高いといえるでしょう。便秘になると、お腹の中にガスがたまりやすくなります。健康な人でも、食事をする時に空気を飲み込んでしまうことがあり、それがお腹にたまります。正常なら、これらはおならとして排出されます。
しかし、便がお腹の中にたまると、ガスがおならとして出にくくなり、お腹の中にたまっていきます。そのままの状態が続くと、最大2~3リットルもガスがたまることがあります。大きなペットボトル2本分なので、これだけたまると苦しくなることがよくわかるでしょう。
便秘やガスがたまる原因
便秘やお腹にガスがたまる原因には、いくつか理由が考えられます。
女性に特に多いお腹の冷え
女性が便秘になりやすい原因のひとつに、お腹の冷えが関係しています。体が冷えると、血液の循環が悪くなり、手足の先まで血液が行き届かなくなります。特に、女性は体の筋肉が少なく、スカートなど季節に関係なく手足を露出する服を着る機会が多くなります。
他にも、食事を制限するダイエットや、体をしめつける下着をつけると新陳代謝が悪くなります。このような状態が続くと、胃腸の動きも悪くなり便秘になりやすくなります。
ストレス
ストレスは、腸の働きを司っている「自律神経」に影響を与えます。自律神経は、交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っています。
ストレスを受けると、自律神経の中でも「交感神経」という神経が優位に働きます。そうすると、腸の働きが悪くなるのです。
体がリラックスして、便を排出させやすいのは、「副交感神経」です。緊張やストレスを感じると、副交感神経が優位に働かなくなります。
ストレスが原因で便秘やガスがたまる病気のひとつに、過敏性腸症候群があげられます。この病気になると、便秘だけではなく下痢を繰り返す人もいます。
お尻のトラブル
便秘や下痢が毎日続くと、お尻のトラブルが増えやすくなります。例えば、いぼ痔や肛門狭窄(こうもんきょうさく)です。
いぼ痔は、便を出す時に痛みを感じたり、出血したりするので便意を感じても我慢してしまうこともあります。このような状態が続くと、排便リズムが悪くなり、さらにお腹の中に便がたまってしまいます。
肛門狭窄とは、肛門が狭く細い状態です。便秘で便が硬くなるとさらに排出されにくくなります。遺伝で肛門が狭く細い人もいますが、切れ痔を何度も起こすと肛門狭窄になる人もいます。肛門に違和感を感じたら、便秘と同時に病院で治療を受けておいた方がよいでしょう。
お腹の違和感が左右に起こる病気
お腹の違和感が起こる場所によっては、病気の可能性もあります。
お腹の違和感が右に起こる場合
お腹の右下に痛みや違和感を感じた時は、大腸憩室症や細菌性腸炎の可能性が考えられます。
大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)
大腸の粘膜に、袋状の小さなくぼみがたくさんできた状態を大腸憩室症といいます。この病気にかかるのは、60歳以上の高齢の方が多いのですが、若い方でも便秘になるとこの病気にかかります。
主な理由は、食生活の乱れです。肉類を多くとり、食物繊維の少ない食事を続けていると起こりやすくなります。この状態が続くと便秘になり、無理に便を排出させようとすると腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が活発になり、腸管の壁が外に押し出されてしまいます。
※蠕動運動…食べたものが腸に入ると刺激され、便を体の外へ排出させたりする動き
以下の記事では、お腹の右下が痛む時に考えられる病気と症状について紹介しています。心当たりのある方は、参考にしてみて下さい。
細菌性腸炎
生肉や生卵などを食べた時に起こる食中毒が原因です。腹痛や下痢だけでなく、熱や嘔吐を伴う時はこの病気の可能性が考えられます。菌の種類によっては、すぐに症状が起こらないこともあります。症状によっては、一週間後に発症することもあるので注意が必要です。
特に食中毒を起こすような食べ物を食べていない時でも、一週間さかのぼって生の食べ物を食べていないか確認しておきましょう。
参考文献:よくわかる大腸の病気
お腹の違和感が左に起こる場合
お腹の左下に痛みや違和感を感じた時は、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、大腸がんの可能性があります。
過敏性腸症候群
便秘や下痢を繰り返すのに、病院で検査をしても異常がみつからない時は、この病気の可能性があります。具体的な原因は見つかっていませんが、ストレスが大きく関係していると考えられています。日本人の5~10人に1人がかかるといわれており、男性よりも女性に多い病気です。過敏性腸症候群はいろいろな症状があり、下痢型、便秘型、混合型の3タイプに分けられます。
以下の記事では、過敏性腸症候群の「便秘型」について詳しく紹介していますので、参考にしてください。
潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に炎症が起こる病気で、表面に傷がついたり、ただれたり、潰瘍ができたりします。主な症状は、下痢、下血、血便です。トイレに行く回数が増え、発熱や腹痛を起こすこともあります。20代の方が一番多く、最近では40代や50代でも発症する人が増えています。原因はまだはっきりわかっていませんが、免疫の異常と考えられています。
大腸がん
大腸がんは発生率が年々増えており、その原因は食生活の乱れが関係します。大腸がんは、大腸のいろいろな場所に発症し、その場所により症状が異なります。大腸がんの初期はあまり症状が感じられません。がんが少しずつ大きくなるとお腹に違和感を感じたり、便が細くなる、残便感などいろいろな症状が起こります。場所によっては便通異常を感じないこともあります。
参考文献:よくわかる大腸の病気
以下の記事では、「痛みがお腹の左下なら疑われる6つの病気と症状」について詳しく紹介しているので参考にして下さい。
お腹に違和感がある時に吐き気や下痢が起こる原因
お腹に違和感を感じると同時に、吐き気や下痢を頻繁に起こすにはいくつかの病気が考えられます。
呑気症(どんきしょう)
お腹の中にガスがたまり、違和感がある人は呑気症の可能性があります。原因は、食事だけでなく、精神的なことで無意識に大量の空気を飲み込むことです。そのままの状態が続くと、お腹が張ったような状態が続き、げっぷが出ることもあります。原因があきらかになっていないため、薬などの治療法はありませんが、できるだけストレスの少ない生活を送ることが大切です。
腸閉塞(ちょうへいそく)
便秘の方が、長い間その状態を放置していると腸閉塞になることがあります。特に高齢の方で便が硬くなってしまったことが原因になることもあります。若い方でも、便秘だからと長い間放置し、お腹の張りや吐き気や胃もたれが出たことで初めて病院を受診する方もいます。腸閉塞は手術が必要なこともありますが、症状によっては内服治療でしばらく様子をみることもあります。
この他にも、様々な病気の可能性があります。ここまでで紹介した内容だけで、自己判断することはとても危険です。不安な症状がある場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。
お腹のガスを解消する方法
お腹にたまったガスは、運動や体操、食生活を改善することで解消することができる場合もあります。
以下の記事では、お腹のガス抜きについて詳しく紹介しているので参考にして下さい。
ただし、お腹のガスを根本的に解消するには、便秘を治すことがもっとも大切です。
便秘の解消方法について、詳しくは以下の記事で紹介していますので、参考にして下さい。
また、以下に便秘に効くツボを紹介するので、お腹の張りが気になる方はツボ押しも試してみましょう。
便秘に効くツボ
足三里
ひざにあるお皿から下へ指4本分の場所にあるツボです。血液の循環をよくし、疲れをとります。
三陰交
くるぶしから下へ指4本分の場所にあるツボです。消化器に効果があり、女性に起こりやすい冷えなどの症状にも効果があります。
お腹の違和感はガスだけではなく病気の可能性も
便秘は、そのままにしておくと重大な病気を引き起こす可能性もあります。症状が軽いからと放置せずに、心配な症状は病院で検査をしておくことをおすすめします。少しでも早くお腹の張りを解消して、快適な毎日を過ごしましょう。