腸が痛い!痛みがお腹の右下なら考えられる5つの病気と症状


お腹の右下の痛みが気になる・・・。

もし、痛みがずっと続いている。重い痛みや、激痛ともなると、それは病気かもしれません。また、多少の痛みであっても、病気の初期症状ということもあります。

お腹の右下のみ痛くなる原因には、いったいどんな病気や症状が考えられるのでしょうか?

お腹の右下が痛い!考えられる原因は5つ

これからご紹介する内容は、あくまでも考えられる病気や症状の一部です。自己判断で決めつけるのは危険ですから控えてください。

痛みが気になるのであれば、病院で医師に相談し、検査や治療などを受け、結果として異常が特に見つからなければ安心できます。

どんな病気が考えられるのかチェックしてみて、もし気になる病気があれば医師に判断してもらいましょう。

虫垂炎

お腹の右下が痛むという時に、よく言われるのが「盲腸」です。

俗には盲腸といいますが、正しくは急性虫垂炎(ちゅうすいえん)と言います。虫垂はお腹の右下にある盲腸の下から出ている細長い器官のことです。

上の図を見ると分かるように虫垂と盲腸はお腹の右下にありますね。

急性虫垂炎の場合、必ず現れる症状が腹痛で、人によっては立っていられない程の痛みを伴うこともあります。
痛みの出方には個人差がありますが、時間が経過してくると右下のお腹が痛む人もいるようです。

ただしお腹全体が痛むこともあり、「右下の痛み=虫垂炎」とは限りません。他にも吐き気や嘔吐、便秘などを伴うこともありますが、自己判断で急性虫垂炎を区別するのは難しいでしょう。

急性虫垂炎の治療は、薬剤で治療することもあれば、すぐに緊急手術が必要な場合もあります。まずは、不安な痛みがあればすぐに医療機関を受診することをおすすめします。

参照:メルクマニュアル家庭版 虫垂炎

クローン病

聞きなれない名前かもしれませんが、クローン病は小腸や大腸を中心に炎症を起こす病気です。
腸に潰瘍やびらんが生じる病気ですが、口から肛門までの消化管全体で炎症が起きる場合もあります。

炎症が起きやすいのが、小腸と大腸の繋がる箇所。つまり、お腹の右下です。
下痢や腹痛の他に、慢性的な微熱、全身の倦怠感、体重減少、下血の症状が出ることもあります。

原因はまだ不明なこともありますが、免疫反応の異常により自分の腸壁に障害を与えてしまうためと考えられています。また、遺伝的な要素も絡んでいると考えられています。

乱れた食生活や腸内細菌なども複雑に絡み合っている可能性があります。

参考:東京医科歯科大学消化器内科

大腸憩室症

大腸粘膜の一部が、内圧の上昇によって袋のような形で外側に突出したもの(憩室:けいしつ)が多発する病気です。日本人の特徴として、お腹の右下で起こることが多いとされてきましたが、近年では食生活の変化により左側にもできる人が増えてきています。

症状として、無自覚で症状が無い人も多いとされていますが、腹痛、発熱、下血などの症状が出ることもあります。

原因として、肉食中心で食物繊維が足りていないことが考えられます。便秘が誘因となっていることもあります。また、加齢と共に腸の外側の壁が弱くなってくることも一因となります。

これらに、体質や生活環境が作用し合って発生する病気と考えられています。

参考:公立長生病院

大腸ガン

日本人では、特に左下にあるS字結腸から、直腸にできやすいとされていますが、大腸のどこでも発生する可能性があります。
早期の大腸ガンの場合には、症状が進行しないと症状が出てこない場合があり、発見が遅れてしまうことが問題です。

腹痛以外にも、血便、下痢と便秘を繰り返す、残便感、お腹の張り、便が細いなどの症状があれば注意が必要です。

発生原因はまだ全て解明されていません。食生活も大きな原因と考えられており、高タンパク、高脂肪で食物繊維が足りていない食事は大腸ガンのリスク因子の一つです。また、なんらかの形で便秘が影響している可能性も考えられています。

大腸ガンの場合には早期発見・早期治療が大切です。気になる症状があれば早めに医師に相談することをおすすめします。

参考:国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス

参考:快腸!絶好腸!快便力 (松生 恒夫 著)

便秘

便秘が起こりやすいのは、どちらかというと右よりもS字結腸のある左寄りの方が構造的には多いとされています。しかし、右下の痛みの原因として便秘ということも考えられます。

便秘だからと侮っていると、腸閉塞などの病気を引き起こすこともあるので注意が必要です。早めに対処しましょう。

便秘の原因は多岐に渡りますが、代表的なものを挙げます。

  • 肉中心で食物繊維不足の食生活
  • ストレス
  • 運動不足
  • 水分不足
  • 腹筋力不足
  • 薬の影響 など

便秘は放置すると、さまざまな病気に繋がる可能性があるので早めに解消しておきましょう。
便秘薬を使って一時的に便秘を解消することも時には必要ですが、便秘を予防するには、腸内環境を改善することも大切です。

なお、こちらの記事では、便秘による腹痛の原因、対処法などを紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

 

ただし、お腹に痛みがある場合に自己判断で下剤を使うことは危険です。便秘だからといって侮らないで、医師に相談した方が安心でしょう。

さいごに

お腹の右下が痛むという症状は様々な病気の可能性が考えられます。
紹介した病気は主に腸に関するものばかりですが、腹痛の原因としては他にも泌尿器系、女性の場合には婦人科系の疾患の疑いもあります。自己判断するのではなく、気になる症状があれば早めに病院に行って相談するようにしましょう。