便秘を解消する方法 ー おすすめの食事方法と生活習慣


トイレの女性

便秘は、何も症状がない人から、辛い症状がずっと続いているといった人まで様々です。
便秘になっても、特に困っていないからといってそのまま放置するのは危険です。腸は、免疫においても重要な働きをしています。便秘が悪化すると、肌荒れやニキビがでたり、疲れやすくなることもあります。
今回は、便秘を解消する食事方法や、普段から気をつけたい生活習慣についても紹介していきます。

便秘になる原因ってなに?

便秘が起こるきっかけは、日々の何気ない行動です。例えば、便意があるのにトイレに行けなかったという理由で、そのまま便が残ってしまうこともあります。
また、睡眠不足や運動不足も便秘になってしまう原因です。軽い便秘がいつのまにか習慣になってしまい、辛い症状を長い間抱えてしまうといったこともあります。

便秘がひどくなると、なんとか出そうとして薬を長い間使い続ける人もいます。薬を習慣にしてしまうと、本来の腸の動きが鈍くなってしまい、さらに便秘がひどくなってしまうということもあります。

参考文献:腸すっきり病気知らずの体づくり

便秘になるとどんな症状が起こる?

便秘になると、便が出ないだけではなくいろいろな症状が起こります。
腸に老廃物がたまると、腸から血管に吸収され、体がだるい、胸やけ、みぞおち、お腹の痛みを感じたり、ニキビや肌荒れを起こす人もいます。
便秘が肥満になる原因だということもわかりました。腸内環境が悪くなると、栄養がうまく吸収できなくなるため、体に脂肪がつきやすくなります。

参考文献:腸内環境を整える食事法

便秘を解消するための食べ物と飲み物

バナナ

便秘になりやすい人は普段の食生活の改善が必要です。こちらにあげる食べ物や飲み物をとりいれていきましょう。

ヨーグルトなどの発酵食品

ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、腸内環境を整え便秘を改善するのに効果的です。乳酸菌といえば、ヨーグルトをイメージしますが、ヨーグルトの乳製品が苦手な人もいます。
乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)といって、乳製品を食べると、下痢を起こすことがあります。こういった人は、納豆やみそ汁を普段の食事に取り入れるといいでしょう。

硬水

便秘を解消するには、食物繊維だけでなく、水分をきちんととることが大切です。便が硬くなると、スムーズな排便が難しくなります。できれば、毎日約2リットルは水を飲んでおくようにしましょう。
水の中でも、おすすめなのは硬水です。硬水は、マグネシウムなどミネラル分が豊富で便をやわらかくします。
胃腸を動かすには、朝一杯の水がおすすめです。起きた後、すぐに飲むと胃腸の働きを活発にさせ、溜まっていた便に水分がいきわたるので、排便しやすくなります。

便を出すには、油も効果的です。特にオリーブオイルに含まれているオレイン酸は胃腸の働きをよくし、排便を促すことができます。
他にも、ナッツ類や青魚にも腸内環境を良くし、排便を促す油が含まれています。おやつをナッツ類に変えてみたり、毎日の食事に魚を取り入れると効果があります。魚をオリーブオイルで焼くとさらに効果があがります。

バナナ

バナナには、食物繊維、オリゴ糖、ビタミンB2、B6、マグネシウムが豊富で、便秘にいいと言われている成分が豊富に含まれています。
バナナは、カロリーが高いと思われがちですが、1本86キロカロリーとあまり高くありません。毎日バナナを食べると便秘に効果が期待できます。

発芽大麦入りごはん

発芽大麦は、大麦を発芽させたもので、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
大麦にはβ-グルカンが含まれ、この成分が全身の免疫機能をアップしてくれる可能性があるといわれています。

オリゴ糖

オリゴ糖は、大腸まで到達すると便秘によいといわれている乳酸菌のエサとなります。乳酸菌が増えることにより、腸内の善玉菌が増え、腸内環境がよくなります。
オリゴ糖単体でも販売されていますが、ねぎ、キャベツ、納豆にも含まれ、果実ではバナナやリンゴにも含まれていますので普段の食事にうまく取り入れていきましょう。

参考文献:腸内環境を整える食事法「おなかの張り」をとれば腸は年をとらない!

便秘の人が気をつけたい食物繊維の摂り方とは

食事

便秘の人は積極的に摂りたい「食物繊維」ですが、食物繊維には2つの種類があり、水に溶けるものと溶けないものがあります。

  • 水溶性食物繊維:腸の中でドロドロになり、善玉菌を増やす効果もあります。
  • 不溶性食物繊維:腸の中で水分を吸収しながらふくらみ便になります。有害な物質を排除してくれます。

便秘の人は、どちらの食物繊維も必要ですが、不溶性食物繊維ばかり食べていると便が硬くなり排便しにくくなることがあります。便を作り出す不溶性食物繊維と、水分を吸収する水溶性食物繊維のバランスをとることが必要になります。
水溶性食物繊維が含まれている食品は、海藻やフルーツ、野菜です。不溶性食物繊維は穀類、豆類、イモ類に含まれています。

参考文献:腸すっきり病気知らずの体づくり

普段の生活で気をつけたいこととは

便秘は食事の改善だけではなく、普段の生活習慣が大切です。すべて行うのは難しいことがありますので、頭の中に入れておき一つずつ改善していくようにしていきましょう。

知りたい女性

生活リズムの改善

自律神経が乱れていると、便秘になりやすくなります。規則正しい生活や、睡眠で自律神経のリズムを整えることができます。
例えば、夜遅くまで起きている人は朝型の生活に変え、夜は早く寝るようにします。交感神経は、昼に働き副交感神経は夕方から夜に働きます。
副交感神経が働く時間は、腸の活動が最も盛んな時間です。朝目を覚ましたら、カーテンを開け太陽の光を浴び、体内時計をリセットさせます。

食事を1日3回摂る

食事を規則正しい時間に摂ることも大切です。例えば、朝は時間がなくて食べる時間がないという人はバナナ一本でもいいので食べるようにしましょう。夕食は、寝る3時間前までに終わっておくことが大切です。
腸は、副交感神経が働く時間に、消化吸収をおこないます。便秘の人は、このリズムがきちんと行われていない場合がほとんどです。

便秘気味の人は炭水化物から食べる

便秘中は、胃腸への負担を軽くすることが大切です。胃腸への負担が、一番少ない炭水化物からまず食べ始め、次にタンパク質、最後に食物繊維を食べるようにします。胃腸の働きをよくし、便秘を改善することができます。

乳酸菌のエサになるものを摂る

毎日ヨーグルトを食べる方は多いですが、合わせてオリゴ糖やハチミツを摂ると効果が高くなります。
ハチミツに含まれている二糖類、マンゴーに含まれている果糖、牛乳に含まれている乳糖はおだやかな下剤作用も期待できます。

腸を休ませる時間をつくる

口から入った食べ物は、8時間後に小腸で活発にはたらきます。1日1回は、8時間程度何も食べない時間を作り、腸の中に余計なものをためないことが大切です。

体を冷やさない

冬になって体が冷えてくると、おなかが張ってくることがあります。便秘になりやすい体質の人は、特に気を付けておかないと便秘が悪化することもあります。
気温が下がってくると、体の温度を上げようと交感神経が優位になることで、腸の働きが弱くなってしまうからです。

なるべく歩くようにする

普段あまり歩かないような生活が続くと、今まであまり便秘になったことがない人でも便秘になります。できれば毎日30分は歩くようにしましょう。
毎日歩くことで、腸が刺激され排便力が強くなります。

参考文献:腸の大掃除でやせる!健康になる!
おとなの快腸生活「おなかの張り」をとれば腸は年をとらない!

市販薬の種類と使い方とは

便秘には、器質性便秘(きしつせいべんぴ)と機能性便秘(きのうせいべんぴ)のふたつに分けられます。
器質性便秘とは、大腸がんなど病気によるものの便秘で医師の診察が必要なものです。
市販で販売されている薬は、機能性便秘の薬で一時的に起こる便秘や日常生活の改善で治る便秘に対して出される薬です。

サプリメント

市販の下剤を飲んで、便秘を解消している人がいますが、単発的には問題ありませんが、習慣的に飲むのは危険です。市販されている下剤は、腸を刺激して排便する薬です。
この薬を習慣化すると、腸の粘膜に炎症を繰り返します。その状態が続くと、腸の粘膜が真っ黒になり、さらに自力で働かなくなることがあります。長期的に使う場合は、病院で医師に相談しましょう。

便秘に効く薬は以下の種類があります。

刺激性下剤 腸に刺激を与えて、排便を促す薬
機能性下剤 マグネシウム製剤を含んでおり、便の水分を増やすことで排便を促す薬
座薬 炭酸ガスを利用して、直腸を刺激して排便させる薬
漢方薬 体質に合わせて、体の不調を治す薬
サプリメント ビオフェルミンやラクトミンなどの乳酸菌を配合

参考文献:おとなの快腸生活88

便秘に効果のある運動

お腹の張りや便秘が続く場合に、効果的な運動を紹介します。寝ころびながらできる運動なので、手軽にできます。

1日10分ゴロゴロ運動

ゴロゴロ運動

腸を刺激し、適度にお腹を刺激することで、便秘を解消することができます。便秘のときだけでなく、毎日朝起きたときに行います。

  1. うつ伏せ寝をし、10分そのままの姿勢を保ちます。お腹の下に枕やタオルを入れて圧迫させると効果的です。
  2. 10分たったら、うつぶせ寝から左右ごろごろと転がります。これを5回行います。
    お腹を刺激することを意識しながら、体全体を使ってころがります。お腹や腰だけでなく、肩まで全身を使うように転がると効果的です。

毎日のお茶の時間も工夫を

便秘には水分補給が大切です。毎日飲む飲み物を少しだけ変えてみましょう。
漢方薬で使われるシナモンや生姜を飲み物に入れると体が温まり、便秘を解消することができます。単に温かい食べ物や飲み物を、飲むだけでは効果は期待できません。シナモンの血管を拡張させる効果や、生姜の体温が下がるのを抑える効果で体温が維持できます。

紅茶

材料

  • 紅茶
  • シナモン…粉末タイプで販売されています。
  • 生姜…チューブ状のもので大丈夫です。
  • オリゴ糖

作り方

普段の紅茶に、シナモンと生姜を入れます。甘みにオリゴ糖を入れると効果が高くなります。

気になる方は便秘専門クリニックもおすすめ

病院

普段の食事や生活習慣を改善しても治らないときは、便秘専門クリニックもおすすめです。
特に便秘薬や下剤を飲まないと、排便できないという方が多く来院しているそうです。クリニックに通っている人の中には、腸がほとんど動かなくなっている人もいます。

便秘外来ではどんなことをするのか紹介します。

診察

  • 問診のあと、食生活や生活習慣や排便習慣もチェックする
  • 医師が腸の状態やガスの溜まり具合を診るため触診する
  • 血液検査で体全体をチェックする
  • お腹の超音波やレントゲンで便やガスをチェックする

治療

  • 生活習慣や排便習慣を改善するためにアドバイスをする
  • 整腸剤や乳酸菌のサプリメントや漢方薬を処方する
  • 筋肉をつけるために運動療法やストレスコントロールも行う
  • 専門家による食事指導を行う

もちろん内科でも、下剤や便秘薬は出してもらえますが、便秘に詳しい医師の診察を受けることをおすすめします。
便秘だと思って、病院に行ってみたら他の病気がみつかったということもあります。便秘外来は、まだまだ数が少ないのでみつからなかったときは、内科や消化器内科、胃腸科でも診察してもらえます。

参考文献:腸すっきり病気知らずの体づくり
今日からはじめる健美腸ルール

長い間便秘に悩んでいる人は、まず生活習慣から改善しよう

便秘は、便が排出できないだけでなく、体のいろいろな場所に影響します。手っ取り早く薬を使ってしまいがちですが、できるだけ薬を使わず、食生活や生活習慣から改善していきましょう。
どうしても改善できないときは、気軽に病院で診察してもらうことをおすすめします。