お腹がパンパンに張る原因は?対処方法と病気の可能性


太ったわけでもないのに、お腹がパンパンに張っているのが気になる方はいませんか?

ウエストがきつくなったので、太ったのかと思い体重計で測ってみても増えていなかったら、少し心配になりますよね。
今回は、お腹がパンパンに張る原因や病気の可能性についても紹介します。

お腹が張っている女性

お腹がパンパンに張る原因

お腹がパンパンに張って苦しいという症状の多くは、お腹の中にガスがたまり、排出しにくくなるのが原因です。健康な方でも、毎日少しずつお腹の中にガスがたまっていきます。
しかし、腸内環境が乱れ、腸管の運動が低下するとさらにガスがたまり、お腹が張ることがあります。

特に、便秘になるとお腹の中にガスがたまりやすくなります。健康な人でしたら、お腹の中のガスはおならとして排出されるのですが、便秘になるとガスが排出されにくくなります。
お腹の中にガスがたまる原因は、いくつか考えられます。

食生活の乱れ

昔は、和食中心の食事が多かったのですが、最近では食の欧米化が一般的になっています。
肉類・乳製品やパンを食べる人が増え、米を食べる機会が減りました。

ヨーグルトなど動物性の乳酸菌を摂取する機会は増えているのですが、植物性の乳酸菌は減っています。植物性の乳酸菌といえば、みそ、つけもの、しょうゆなどの発酵食品です。
動物性と植物性乳酸菌を均等に食べることが必要です。

体内リズムの乱れ

健康な毎日を過ごすためには、体内時計にあった生活を送ることが大切です。

例えば、夜は夜更かしをしない、朝は早く起きるなど、体にあった生活を送ると腸の健康状態もよくなります。
忙しいからといって、朝食を食べない、夕食の時間が遅いとお腹の環境を悪くしてしまう原因になります。

冷え

腸が冷えると、便秘を引き起こす原因になります。冬は、お腹回りを温かくしているしている人も多いのですが、夏になると薄着になり、お腹回りもあまり気を使わなくなります。
夏であってもエアコンが効いていると、体が急に冷えてお腹の調子が悪くなることがあります。普段から、便秘やお腹にガスが溜まりやすい人は、お腹回りを気を付けることが大切です。

運動不足

仕事で、毎日時間に追われる生活を過ごしていると、移動手段は便利なバスや電車を使う機会が多くなります。そうすると、歩くことが減り、運動する時間がなくなってしまいます。

腸は、運動をしないと動かなくなるので、便秘になりやすくガスがたまりやすくなります。

ストレス

ストレスには、心理的ストレスと身体的ストレスの2種類があります。

心理的ストレスとは、仕事上の人間関係や、プレッシャー、人生設計の不安などから発生します。身体的ストレスとは、季節による寒暖の変化や、騒音によるストレスといった外部から影響をうけるものです。

腸はストレスをすぐに感じとるため、影響を受けやすくなります。

参照:おなかの張り」をとれば腸は年をとらない!(松生恒夫 著)

お腹がパンパンに張る病気

お腹が張る原因の多くは、ガスがたまっていることが多いのですが、病気の可能性もあります。

生活を改善してもよくならない場合、重大な病気になっている可能性もありますので、医師の診察を受けておきましょう。

医者に相談する女性

呑気症(どんきしょう)

食事をする時、一緒に空気を飲み込んでしまう病気です。精神的に不安定な時に起こりやすい症状です。

原因がよくわかっていないため、治療法はありませんが、生活習慣を改善し、ストレスのたまらない生活をすると軽減することがあります。

参照:メディカルiタウン

過敏性腸症候群

ストレスが原因で起こる病気で、便秘のみ、下痢のみ、便秘と下痢を繰り返すという症状が起こります。
この病気の人は、お腹の中にガスがたまりやすく、お腹が張ったり、お腹の中の音がなるという症状が起こります。

参照:IBS(過敏性腸症候群)を治す本(水上健 著)

大腸がんが原因による腹水の可能性も

大腸がんは、腫瘍(しゅよう)ができる場所によって、自覚症状がわかりにくいことがあります。
おなかのしこりや貧血、下血、血便、便が細いという原因でわかることが多い病気です。

がんが進行すると、お腹の中にがんが広がっていきます。広がったがんは、水を出すのでお腹の中に水がたまって、パンパンに張れてしまうこともあります。

参照:大腸がんと診断された方へ(大腸ガンを生きるガイド)

お腹が張る時の薬の選び方

お腹の張りは、生活習慣を改善することで治ることもありますが、なかなか治らない時は、市販薬でもお腹の調子を整えることができます。

どの薬を選んでいいかわからない時は、ドラッグストアの薬剤師や登録販売者に相談するとよいでしょう。
市販薬でなかなか解決しない場合は、病院に行って医師に相談しましょう。

注意を促す女性

市販薬の種類

市販薬には大きくこの2種類があります。

整腸剤・・・整腸薬は、腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん)、軟便、便秘に効果があります。整腸とは、腸内環境をよくすることであり、市販薬は配合できる成分や上限の量が決められています。
便秘薬・・・排便がうまく行われていない方に使うお薬です。基本的に便秘やお腹の張りは生活習慣を改善することから始めますが、それでも改善されない場合は便秘薬を使用します。

参照:よくわかるOTC薬の服薬指導(水溝和男 著)

お腹が張る時に使う薬の選び方について、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。

日常生活で解消できる方法

お腹の張りは、普段の生活習慣で改善することができます。お腹の張りや便秘は、薬にすぐ頼ってしまう方もいるかもしれませんが、まずは生活習慣の改善から考えていきましょう。

発酵食品を食べる

代表的な発酵食品といえば、ヨーグルトを思い浮かべる人も多いと思いますが、それ以外には和食にもたくさん種類はあります。
例えば、みそ、たくわん、しょうゆなど普段の食事にも取り入れやすいものが多いので積極的に摂取していくとよいでしょう。

発酵食品

暴飲暴食に気をつける

ストレスがたまったり、忙しい日々が続くと、食生活が乱れ、暴飲暴食を繰り返すという方も多いかもしれません。
お腹の張りが気になる方は、できるだけ肉類のような脂肪分の多い食事は避けていくとよいでしょう。

適度な運動をする

運動といっても、激しいスポーツをすると逆効果になることもあります。適度な運動は、腸だけでなく、生活習慣病にも効果があります。
毎日10分歩くだけでも、効果は期待できます。

ストレスを発散させるようにする

ストレスを避けるのはとても難しいので、ストレスを発散させる方法をみつけましょう。例えば、ちょっと精神的にしんどいと感じたら、外を歩くだけでも気分転換できます。
天気のいい日は太陽の光を浴びるだけでも、精神的に安定させる効果があります。

ストレッチ

参照:よくわかる便秘と腸の基本としくみ(坂井正宙 著)

便秘によるお腹の張りを解消する方法

お腹の中にたまっている便や、ガスを移動する運動を紹介します。

便とガスの移動をスムーズにするねじり腹筋

  1. あおむけに寝る。両手両足を広げ、大の字を作るように伸ばす。
  2. 右ひじと左ひざを同時に曲げて、体をひねりながら斜めに体を起こす。左腕と右足は伸ばしたままにする。
  3. 次は、左ひじと右ひざを同じようにおこなう。それぞれ5秒ずつ行い、2.3を交互に5~10回おこなう。

お腹の張りを解消する方法は、こちらの記事でも紹介しています。

お腹の張りが改善しない場合は、医師に相談することも大切

お腹が張っていると、いつも着ている洋服が入らなくなったり、体調が悪くなったりすると快適な生活を送ることができなくなります。

食事や、生活習慣を改善しても治らない時は、病院で医師に相談することも大切です。ただのお腹の張りだと放置せずに、できるだけ自分の症状を把握し、改善していきましょう。