新ビオフェルミンSの効果と副作用は?便秘に効果はある?


市販されている新ビオフェルミンSは長く親しまれている整腸剤の1つです。

今回は、「便秘や下痢に本当に効くの?」「飲み続けても平気?」「副作用は大丈夫?」などの疑問にお答えしたいと思います。
新ビオフェルミンSについての疑問はここで解消しましょう。

疑問を感じる女性

新ビオフェルミンSってどんな薬?

ビオフェルミンという名前はよく聞くけど、どんな薬かよく知らないという方も多いかもしれません。
今回は、新ビオフェルミンSの特徴、成分とはたらき、種類について紹介します。

新ビオフェルミンSの特徴

ビオフェルミンには市販薬の「新ビオフェルミンS」と医療用のビオフェルミンの大きく2種類があります。ここでは、身近な市販薬である「新ビオフェルミンS」について特徴を説明したいと思います。

新ビオフェルミンSに含まれる成分と働き

新ビオフェルミンSには次の成分が含まれています。とてもシンプルで、乳酸菌のみを成分とする処方になっています。

(※1日量)

成分 含量 はたらき
コンク・ビフィズス菌末  18mg 主に大腸にすみついて、乳酸と酢酸を発生。整腸作用が高い
コンク・フェーカリス菌末 18mg 主に小腸にすみついて、乱れた腸内環境をすばやく整える
コンク・アシドフィルス菌末 18mg 主に小腸にすみついて、乳酸を多く発生。悪玉菌の発生を抑える

「乳酸菌」と「ビフィズス菌」は全く別の菌として区別されることもありますが、ビフィズス菌も乳酸菌の1種だって知っていましたか?
「新ビオフェルミンS」には、3種の乳酸菌が含まれていて、小腸から大腸まで幅広く届けてくれる特徴があります。

また、そもそも乳酸菌はヒトの腸にもすみついていますが、他の動物や植物などにも生息しています。それぞれに菌のタイプが違うのです。

新ビオフェルミンSはヒト由来の乳酸菌を使っています。「ヒトにはヒトの乳酸菌」というフレーズを聞いたことありますよね。だから、私たちの腸に届いて定着しやすく、効果が出やすいのが特徴です。

「新ビオフェルミンS」の3つの特徴をまとめます。

  • ヒト由来の乳酸菌だから腸に定着しやすい
  • 3種類の乳酸菌が小腸から大腸まで届く
  • 赤ちゃんからお年寄りまで飲める

細粒と錠剤の違いとは?

新ビオフェルミンSには、粉になっている「細粒」と「錠剤」があります。どちらも1日量として摂取できる乳酸菌の量は同じで、効能効果も全く同じです。飲みやすい方を選ぶと良いでしょう。

細粒の方は、わずかに甘みが付いているので、お子様(生後3ヶ月)からお年寄りまで飲みやすくなっています。大人でも錠剤が苦手な方は細粒をおすすめします。家族みんなで飲めるので1つ常備しておくと便利です。

また、粉薬が苦手という方や、持ち運びしやすさ、どんな場所でもパッと飲めるという点では錠剤がおすすめです。

新ビオフェルミンSの効果は?

ビオフェルミンには、どのような効果があるのでしょうか?「本当に便秘に効くの?」という疑問にもお答えします。

新ビオフェルミンSの「効能・効果」は?

「新ビオフェルミンS」の効能は次の通りとなっています。

  • 整腸(便通を整える) 
  • 軟便
  • 便秘
  • 腹部膨満感
「整腸」というのは、腸内細菌のバランスを整えて、腸を正常な状態に近づける作用のことをいいます。整腸作用により、便秘や下痢など乱れた便通を整えてくれる効果があります。

お腹が少しゆるいとき、下痢で便が柔らかいとき(軟便)にも効果を発揮します。さらに、お腹が張って苦しい時、ガスが溜まっていると感じる時にも効果があります。

本当に新ビオフェルミンSって効くの?

新ビオフェルミンSに限らず整腸剤について、なんとなく「効果がないのでは?」と思っている方もいるようです。

確かに、新ビオフェルミンSの作用は穏やかなので、便秘薬や下痢止めのような即効性はありません。効果を感じるにはある程度続けることが必要です。最低でも3日程度は続けてみましょう。

便秘には効果がある?

便秘

新ビオフェルミンSには、効能として「便秘」と書かれているように、便秘を改善する効果があります。便秘になると腸内環境が乱れますが、整腸剤を使うことで便通が良くなるのです。これには悪玉菌が関係しています。

便秘のとき、腸内には有害な働きをする悪玉菌がはびこっています。悪玉菌は有害なガスを発生して、腸の動きを悪くしてしまいます。すると、ますます便秘を繰り返してしまうのです。

乳酸菌は腸内で酸を発生することで、有害な働きをする悪玉菌をやっつけてくれます。さらに殺菌力の強いビフィズス菌を摂取できるため、ビオフェルミンは便通を改善する効果が期待できます。

整腸剤と便秘薬は使い分ける

ただし、便秘の状態によっては新ビオフェルミンSのような整腸剤では効果が得られない場合もあります。この場合には、便秘薬を使うことも必要かもしれません。

便秘薬とは腸を刺激して排便を促す作用がある薬のことをいいます。整腸剤は腸内環境を整えて自然なお通じをもたらしてくれるので、働き方が全く違います。便秘薬は即効性は高いですが、長く使うことで副作用の危険性があることが問題です。

その点、整腸剤は長期間使用しても安全な薬であるため、長期的に便秘解消に取り組みたい方にはおすすめできます。

下痢にも効果があるのはなぜ?

新ビオフェルミンSの効能に「下痢」があることに疑問を感じる方もいるかもしれません。便秘にも下痢にも効果があるってちょっと不思議ですよね?

病院でも下痢になったときには、ビオフェルミンのような整腸剤が処方されることがあります。整腸剤で腸内細菌のバランスを整えることで、自然な状態を取り戻すことができるのです。ただし、症状によっては下痢止めを使用する場合もあります。

下痢止めを使うべきか、整腸剤が良いのか自己判断することは少し難しいので、医師または薬剤師などに相談することをおすすめします。

新ビオフェルミンSの飲み方

新ビオフェルミンSはどう飲むと効果的なのでしょう?また、どれくらいの期間飲めば良いのか解説します。

新ビオフェルミンSの飲み方は?

新ビオフェルミンSは、指定医薬部外品であり、使用上の注意の中で飲み方が決められています。錠剤、細粒ともに年齢によって飲み方が変わるので、よく説明書を読んでから飲みましょう。

飲むタイミングは「食後」に決められています。乳酸菌は胃酸に弱いので、なるべく食後に服用して、効率よく腸まで届かせることが効果的です。

どれくらい続けたら効果が出る?

新ビオフェルミンSは便秘薬や下痢止めのように飲んだらすぐに効果があらわれるタイプの薬ではありません。そのため、「どれくらい飲んだら効くの?」と疑問に感じる方も多いと思います。

腸内環境がどの程度乱れているのかによって、効果が得られる期間は変わります。目安としては、早い方で3日から1週間程度で効果が出ることが多いようです。

もし、1ヶ月以上使用しても何も変化がない、または症状が悪化しているという場合には、他に原因となる病気があるかもしれないため、早めに病院を受診しましょう。

新ビオフェルミンSの副作用は?

新ビオフェルミンSを飲む上で、気になるのは副作用ではないでしょうか?どんな副作用があるのか、飲み続けて大丈夫なのかについて説明します。

副作用はあるの?

新ビオフェルミンSは薬の説明書にも特に副作用についての記載がありません。基本的に整腸剤は安全性が高いため、ほとんど副作用が出ることはありません。

もともとお腹の中にいる菌を使っているので安全性が高く、便秘薬のように飲んでからお腹が痛くなるようなことは考えにくいでしょう。

ただし、副作用が絶対に出ないというわけではありません。飲み始めてから体に合わないと感じる場合や、なんらかの症状が出た場合には服用を中止して医師に相談してくださいね。

参照:ビオフェルミン 添付文書

飲み続けて大丈夫?クセにならない?

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新ビオフェルミンSを長く飲み続けたいという方も中にはいるかと思います。気になるのが飲み続けた場合の危険性と、クセにならないか?という疑問ではないでしょうか。

新ビオフェルミンSを長く飲み続けることは特に問題ありません。むしろ、続けることで正常な腸内環境を維持しやすくなるでしょう。

また、便秘薬のように飲み続けると効果が出なくなったり、止められずクセになるということも考えにくいです。

ただし、1ヶ月以上飲み続けても効果が特に感じられない場合や、体調が悪化している場合には医師に相談することをおすすめします。

新ビオフェルミンSは妊娠中、授乳中でも飲める?

妊娠中や授乳中で便秘がちだけど、薬が飲めなくて困っている方はいませんか?赤ちゃんへの影響を考えると、薬は飲みたくないですよね。

便秘薬の中には、妊娠中には飲めないタイプもあるため注意が必要です。

新ビオフェルミンSはもともとヒトの腸内に住んでいる乳酸菌を薬の形にしたものなので、妊娠中や授乳中でも飲むことができます。ただし、症状に応じて主治医の先生に相談するようにしてください。

参照:新ビオフェルミンS 使用上の注意

市販の新ビオフェルミンSと処方薬のビオフェルミンの違い

ビオフェルミンには市販薬と病院で処方される医療用の薬があります。市販薬と病院の処方薬のビオフェルミンにはどんな違いがあるのでしょうか?

含まれる菌と量が違う!

市販薬の新ビオフェルミンSには上でも解説したように、3種類の乳酸菌が含まれています。それに対して、処方薬のビオフェルミンにはビフィズス菌のみが含まれ、含有量が多いのが大きな違いです。

【ビフィズス菌が含まれる量】

  • 市販の新ビオフェルミンS錠剤
    1日あたり:18mg
  • 処方薬のビオフェルミン錠剤
    1日あたり:36mg〜最大72mg まで
処方薬は医師の判断のもとで使われることもあり、1日量が市販薬よりも多くなっています。処方薬のビオフェルミンはお医者さんの処方せんが必要なので、まずは病院で相談してみましょう。

参照:医療用ビオフェルミン錠剤添付文書

他の整腸剤との違いは?

新ビオフェルミンSは、生きた菌だけを有効成分とする整腸剤です。他の整腸剤には、ガスを減らす成分、胃薬の成分などが配合されている商品もあります。よく見比べてみて、自分にあった整腸剤を見つけることが大切です。

他の整腸剤についてもっと知りたい方は、次の記事で症状のタイプ別におすすめの整腸剤を紹介しています。ぜひ参考にして整腸剤を選んでください。