腸が鳴るのは病気のサイン?お腹が鳴る原因や対処法
会議中や静かな場所で、急にお腹の音が鳴ったことはありませんか?一度音が鳴ると、誰かに聞かれるのではないかと不安になってしまい、仕事にも集中できませんよね。
腸が鳴るのは、何かの病気のサインなのでしょうか?原因や治療法についても紹介します。
目次
お腹(腸)が鳴るのは食事に問題がある?
お腹の音が鳴る一番の原因は、どんなことが考えられるのでしょうか?
実は、普段食べている食事や、生活習慣の乱れが根本的な原因となる場合も多いのです。腸内環境が健全に保たれていないと、お腹の不調だけでなく、健康にも様々な問題を起こすことがわかっています。
特に、毎日の食生活は腸内環境と密接に関係しています。日頃から、インスタント食品や添加物の多い食べ物ばかり食べている。食事の内容が偏っている、という方は、特に注意が必要です。
以下の記事では、腸内環境が乱れる原因や、対策方法などを紹介しています。お腹の調子が悪い状態が長く続いているという方は、参考にしてみると良いでしょう。
ただし、お腹の不調が長く続く場合や、発熱や痛みも同時に起こる場合など、少しでも気になることがあれば、迷わず専門医の診察を受けるようにしましょう。
また、こうした原因以外にも、お腹の音が鳴ったり下痢になる原因として、以下のようないくつかの病気が考えられます。こちらも、自己判断は危険です。あくまで参考としてご覧ください。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)は、下痢や便秘が半年以上続いている場合の時に考えられる病気です。
ただし、同じような症状があらわれても、他の病気の可能性もありますので、病院へ行って検査を受けることが必要です。
この病気と診断されるには、検便検査や内視鏡検査で異常がないと認められた時に初めて診断されます。
過敏性腸症候群は、下痢型・便秘型・混合型・分類不能型の4つのタイプがあります。
- 下痢型
軟便や水のような便が出ます。 - 便秘型
固い便やコロコロした便が出ます。 - 混合型
固い便やコロコロ便、軟便や水のような便も出ます。 - 分類不能型
どのタイプもあてはまりません。
過敏性腸症候群が起こる原因は、大きくわけて3つのタイプに分かれます。ストレス型・腸管形態型・胆汁性下痢型です
- ストレス型
この中で一番多い原因です。その名の通りストレスに腸が反応して起こります。 - 腸管形態型
大腸がねじれたり、落ち込んでしまっていることにより起こります。 - 胆汁性下痢型
食後の胆汁が原因で起こります。
以下の記事では、過敏性腸症候群について詳しく説明しています。気になる方は、参考にされてみてください。
ウイルスや細菌による感染性腸炎
下痢をしている人でも、急激に症状が悪くなる場合があります。その場合は、急性胃腸炎を疑います。この病気の代表的なものは、ノロウイルス感染症やO-157といったものです。
急性膵炎
急性膵炎(きゅうせいすいえん)の場合、下痢以外にもお腹や背中が痛くなる。吐き気や嘔吐、熱が出ることもあります。
膵臓の異常によって起こる病気で、消化不良により下痢を起こします。放置しておくと命にかかわることがありますので、急激な症状が起きた場合は医師の診察を受けておきましょう。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)は、大腸に炎症が起きる病気です。大腸の内部にただれや潰瘍ができます。下痢の症状だけでなく、血便が見られることもあり、体重が減ったり発熱することもあります。まだ原因はわかっていないことが多く、免疫の異常や細菌が原因だといわれています。
クローン病
潰瘍性大腸炎と同じように、大腸の内部に炎症が起きる病気です。しかし、大腸だけでなく、口、胃、小腸、大腸というように、消化管のいろんな場所に起こります。潰瘍性大腸炎と同じく、自然に治ることは難しいので、少しでも下痢以外に症状を感じた時は、できるだけはやく病院に行って医師に診断してもらうことが大切です。
大腸がん
大腸にがんやポリープができる病気です。大腸の中が狭くなるので、便が通りにくくなります。便秘になったり、便が細くなるといった症状が起こります。進行すると下痢を起こすこともあります。大腸がんは、初期は自覚症状があまりありません。
他の病気と同じような症状があらわれるので、そのまま放置してしまう人も多いようです。50歳以上で、血縁者に大腸の病気をしたことがある人は、一度検査を受けておいた方がいいでしょう。
参照:IBS(過敏症腸症候群)を治す本 著者:水上健
ここまで、お腹が鳴るときに疑われる病気を、いくつか紹介しました。あくまでも参考にとどめ、自己判断は避けて、気になる症状がある場合には必ず医師に診断をしてもらうようにしましょう。
お腹(腸)が鳴るのを止める方法
お腹の音を止めるには、腸内環境を整えることが大切です。ただし、一時的にお腹のガスを減らすための市販薬も販売されています。
お腹の音や違和感に効果的な薬について、詳しくは以下の記事でも紹介しています。
病院で処方される薬
また、過敏性腸症候群でお腹に違和感がある場合、症状別に薬が処方されることもあります。以下はあくまでも処方される薬の一例です。
ストレス型による過敏性腸症候群の場合
ラモセトロンというお薬を使うことがあります。このお薬は、お腹の痛みを抑えることができる薬です。
ストレスによるお腹の痛みの場合、不安を和らげる効果のある抗不安薬を処方されることもあるようです。不安を抑えることでストレスを軽くさせるので、お腹の痛みをやわらげ、腸の働きを抑えることができます。
「腸管形態型」による過敏性腸症候群の場合
マグネシウム製剤を使い、便をやわらかくさせます。腸管形態型の場合、特効薬はないので、便を柔らかくさせる薬を使うほかに、お腹のマッサージも効果があるとされています。
胆汁性下痢型による過敏性腸症候群の場合
コレスチミドをいうお薬を使います。下痢の原因となる、胆汁の成分である「胆汁酸」と結合して、無毒化させます。
参照:IBS(過敏性腸症候群)を治す本 著者:水上健
以下の記事では、過敏性腸症候群の時の薬について、詳しい情報をまとめています。参考にされてみてください。
お腹が鳴るのを防ぐ方法
腸内環境が悪い場合、薬以外に普段の生活でお腹の不調を改善させることができる場合もあります。以下のことに気を付けてみると良いでしょう。
ただし、お腹の違和感が長く続く場合や、症状が気になる場合など、勝手に自己判断をせずに、早めに医師の判断を仰ぐようにしましょう。
お腹を温める
腸内環境が悪くなると、腸の血行が悪くなりお腹の中にガスがたまりやすくなります。腸が冷えてしまうと、お腹の中にいる善玉菌が活動しにくい状態になってしまいます。夏であっても、できるだけお風呂に入るようにし体を温めて、血行をよくするように普段から意識しておきましょう。
腹式呼吸をする
腸は、普段から体を動かしておかないと活発に動かなくなります。腹式呼吸は、お腹を動かすことができるので、腸の刺激にもなります。腸が正常に働くと、ぜんどう運動が促進され便秘を解消することができます。またお腹の筋肉を鍛えることもできるので、便を出すためにも筋肉が少ない女性は、特に普段から意識しておくといいでしょう。
体を温める食べ物をとる
体を温めるには、食事からもとることができます。にんじん、しょうが、ねぎは野菜の中でも体を温めることができ、食物繊維も含まれているので、便秘を解消することもできます。
参照:菌活で病気の9割は防げる 著者:辨野 義己
お腹の音が鳴るのは病気の可能性もあるので要注意
お腹の音が鳴る原因として、便秘や下痢など単純な理由を考えていた方も、もう一度自分の症状について確認をしてみましょう。
少しでも心配な症状が続く場合は、なるべく早めに病院へ行って、検査を受けることをおすすめします。