腸内環境を改善する

腸内環境を改善する方法、教えます「腸内環境が悪い」とは?


腸内環境について、みなさんはどのくらい知っていますか?「腸内環境が良い、悪い」とは、いったいどのような状態を指すのでしょうか?

私たちの身体は食べた物でできていますが、それらを分解し吸収する役割を持つ「腸」が悪くなると、便秘やお腹の不調はもちろん、全身に様々な不調をきたします。
花粉症、アレルギー、免疫力の低下、めまい、肩こり、偏頭痛、肌荒れなど.. 一見すると腸とは関係なさそうな症状も、腸内環境を良くすることで改善していく場合があります。腸内環境を見直すことは、毎日の健康維持のためには欠かせません。

では、いったいどのように腸内環境を改善していけば良いのでしょうか?
今回は、なぜ腸内環境が悪化するのか?どのようなことを意識すれば腸内環境が改善するのか、ご紹介していきたいと思います。

健康な腸

腸内環境を改善するためのステップ

様々な要因で悪くなるのが腸内環境。それだけに、改善策やアプローチ方法も色々とあります。ここでは主に、腸が喜ぶ食生活の改善策や、腸に良い刺激を与える簡単なストレッチ、自宅でできる運動方法などをご紹介していきます。

また、後で詳しく書きますが、腸は脳と密接な関係にあり、その関係性は『脳腸相関』と呼ばれています。「ストレスでお腹が痛くなった…」という経験はないでしょうか?そこには、ストレスを撃退する神経伝達物質の1つ、セロトニンが深く関係しています。

『食』『運動』『ストレス対策』という、多方面からのアプローチを積極的に行うことで、腸内環境の改善を目指していきましょう。逆を言うなら、こうした生活習慣の全体を見直さなければ、腸内環境の改善は見込めない可能性が高いのです。

 

腸内環境を改善するために必要なこと。食事。運動。ストレス解消

「腸内環境が悪い」とは、具体的にどのような状態?

腸内環境の改善方法を知る前に、あなたは腸内環境が悪いということが、具体的にどのような状態なのか知っていますか?腸内環境の「良い」「悪い」の基準には、腸内細菌のバランスが大きく関係しています。

最近よく耳にする言葉に、『腸内フローラ』があります。腸内には、約100兆個もの細菌が生息し、互いに影響し合って共存しています。それらは主に、善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)と呼ばれ、良好な比率は、2:1:7だと言われています。
この、腸内細菌の様相(叢:そう)のことを、腸内フローラと呼んでいるのです。

腸内環境の理想的なバランスは2:1:7

中でも、日和見菌という言葉は特に聞き慣れない人が多いかもしれません。日和見菌は、善玉菌が優勢な状態のときは善玉菌を手助けし、悪玉菌が優勢になると、今度は悪玉菌を増やすために働く、いわば『様子見』の細菌達のことです。日和見菌を善玉菌側に付けることで、腸内環境は善玉菌が優勢になり、良い環境が整うのです。

日和見菌を味方に付けるためには、腸内の善玉菌を増やし、日和見菌を味方に付ける必要がある、ということを覚えておいてくださいね。

日和見菌は、優勢な菌に加勢する

腸内フローラに存在する、良い働きをする菌(善玉菌)の代表格は乳酸菌です。中でも有名なのはビフィズス菌で、その他にもフェーカリス菌やアシドフィルス菌などがいます。
これらの細菌が一丸となって腸の状態を整える役割を果たしているのです。一方、悪玉菌の代表格はウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などで、主に下痢や便秘の原因となる細菌群です。

一般的に「腸内環境が悪い状態」というのは、この悪玉菌が優勢な状態のことを指します。この状態が続くと腸内はやがて有害物質や毒素、有毒ガスでいっぱいになります。

悪玉菌が優勢な状態

腸はそんな有毒物質も含め、腸壁から体内に取り込んでしまう働きがあるため、やがて毒素は全身に広がっていきます。そうなるとめまい、肩こり、偏頭痛、肌荒れなど、一見、腸とは関係なさそうな部位にまで不調を及ぼすことさえあります。
そうならないための予防策として、腸内環境を見直すことは、生涯の健康のためにも大変重要なのです。

参照:ビオフェルミン製薬

参照:『よくわかる便秘と腸の基本としくみ』坂井正宙 著

腸内で発生する有毒ガスと、身体に及ぼす影響

通常、食べ物によって摂取される有害物質の多くは、腸まで行き着いた後、便となって体外に排出されます。これらは「老廃物」と呼ばれています。
老廃物の中には、食品添加物、汚染物質、残留農薬など、わたしたちの体内では分解や消化が困難なものと、食べ物カスが腐敗したものがあります。

小腸で吸収されなかった、これらの未消化物質は、腸管のぜん動運動(消化のための腸の前後運動)により、少しずつ大腸へと移動していきます。このとき、大腸内で起こる、ぜん動運動がしっかりしていれば問題ないのですが、ぜん動運動があまり活発でなかったり、食物繊維などが不足していると、腸内で未消化物質が留まってしまいます。
やがて、35度以上の体温で温められた未消化物質は、当然、腐敗し始めます。これが、有毒ガス発生の原因です。

老廃物が大腸に溜まる>腐敗して有毒ガスが発生する

腐敗物からどんどん発生する、これら有毒ガスは、やがて腸壁から吸収され血液の流れに乗って全身へと巡っていきます。

想像してみてください。車のガソリンに様々な異物や不要な物質が混入していたとしたら..。いくら見た目が新しく、綺麗な車だったとしても、果たしてまともに走り続けることができるでしょうか?
わたしたちの身体を車に例えると、ガソリンは血液です。何度もご説明しているように、その血液に毒素が混じって全身に廻るのですから、身体のあちこちで不調が起こっても不思議ではありませんよね。老化の原因とも言われる、これらの毒素は速やかに体外へ排出させる必要があるのです。

サンエスペロ大森クリニックの大森隆史院長によると、有害な毒素(有害金属や老廃物、有害化学物質など)のうち、約75%が便として体外に排出されることが分かっているそうです。
その他、尿に含まれる毒素は約20%、髪の毛に含まれる毒素量は2%という研究結果が出ているそうです。いかに、排便で不要な老廃物を体外に排出することが大切か、お分かりいただけるのではないでしょうか。

参考:『快腸!絶好腸!快便力』松生恒夫 著

腸内環境を改善する方法

まずは食生活を見直しましょう

弁当

食事は生活の基本です。わたしたちの身体は食べたもので出来ていますから、その内容を改めるだけで大きな改善が期待できます。

まずは、有毒ガスを発生させる原因となる、食品添加物の摂取を控えてみましょう。具体的にはコンビニ弁当やインスタント食品など、添加物の多い食品を食べているのなら、替わりに自分でお弁当やおかずを作ってみる。ペットボトルのお茶ではなく、マイボトルを用意するなどです。

缶コーヒーの替わりに自分でコーヒーを淹れるというのもいいですね。お店で売られている商品の多くには、保存料や過剰な調味料などが含まれています。実際にどれくらいの調味料が含まれいるのかを実際に目にすれば、きっと驚くことでしょう。こういった添加物の積み重ねは、やがて腸内の腐敗物の蓄積に繋がるのです。

どうしても外食をする必要があるのなら、メニューを選ぶ際には自分が食べたいものを選ぶのではなく、腸が喜ぶメニュー(腸にとって負担のならない食べ物)を選ぶというのはどうでしょうか?

消化吸収が遅い食材や、添加物の多い食べ物は、それだけで腸内に負担をかけ、腐敗の原因になります。実践として、脂質やタンパク質を多く含むメニューはしばらく避けると良いでしょう。
具体的には、肉料理、魚料理、たまご料理など、脂っこいものが挙げられます。ただし、後ほど説明しますが、大豆に含まれる大豆タンパクは食物繊維を多く含みますので、摂取したい食材の1つです。

肉料理

その食べ物、腸にとって大きな負担になっていませんか?

外食で避けたいメニューや食材

・肉料理

ステーキ、焼き肉、ハンバーグなど

・こってりした魚料理
・たまご料理などのタンパク質の多いメニュー
・にんにく料理

アリシンという成分は殺菌効果が高いのですが、腸内の善玉菌も殺してしまうことがあります。そのため人によってはお腹が張る、便秘や下痢の原因になってしまうことも…

・牛乳

乳糖を分解する酵素である『ラクターゼ』が少ない人は牛乳を飲むことでお腹の調子が悪くなる場合があります。日本人に多い『乳糖不耐症』と呼ばれる体質の人は注意が必要です。
雪印メグミルクから出ている『アカディ』という牛乳がありますが、これは商品名にも書かれているように『牛乳でおなかゴロゴロする人』のための製品です。すでに乳糖が分解されていますから、お腹が張るのを防いでくれます。

参照:雪印メグミルク株式会社

・香辛料や冷たいもの

これらを過剰に摂取することでぜん動運動が活発化し、腸壁などから水分を十分に吸収されないまま、体外へと排出してしまうケースがあります。これが水分の多い便=下痢の原因になると考えられています。

・揚げ物、ラーメンなどの脂肪分の多いメニュー
・甘味料や合成甘味料

アスパルテーム、スクラロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトールなど、主にダイエット食品などに使われる食品添加物。
これらが含まれる商品のパッケージには『下痢になる場合もありますので、注意が必要です』などの一文が入っていることも多いのですが、小腸で消化吸収されにくいのが原因です。そのため未消化のまま大腸へと移行し、下痢の原因となってしまいます。

・硬水ミネラルウォーター

カルシウムやマグネシウム含有量が多く、ミネラル補給の目的で飲む人も多いようです。ですがマグネシウムの過剰摂取は下痢に繋がるケースもあり、注意が必要です。

・不溶性食物繊維

野菜全般に含まれる食物繊維のことで、水に溶けない性質を持ちます。そのため便秘の人が過剰に摂取すると腸の中で余計に便が目詰まりを起こしかねません。
長く腸内に留まれば留まるほど便の水分は奪われてしまいますから、さらに硬い便になってしまうことに…。硬い便は排出しにくいですから余計に便秘が悪化しかねません。こういった不溶性食物繊維を摂取するときは水分もしっかり補給しましょう。

参照:『キレイな人は「その一口」を大切にする 正しい食欲のつくり方』 西邨マユミ 著

腸が喜ぶ食材

ヨーグルトと納豆

外食で避けたいメニューが分かったところで、次に腸内環境を整える食材について考えてみましょう。代表的なものに乳酸菌などの発酵食品、オリゴ糖、食物繊維などが挙げられます。これらを豊富に含む代表的な食材として、

・発酵食品

ヨーグルト、チーズ、発酵バター、漬け物、醤油、味噌、キムチ、ザーサイ、ピクルス、納豆.. など

・オリゴ糖

ヤーコン、きな粉、甜菜、いんげん、ごぼう、あずき.. など

食物繊維

乾燥かんてん、乾燥ひじき、乾燥あおのり、ひよこ豆、えんどう豆、きくらげ、干し椎茸、焼き海苔、わかめ、昆布、玄米、ごぼう、とうがらし、かんぴょう、かぼちゃ、芋などの根菜類、大麦、ライ麦パン.. など

冷蔵庫には常備食を

善玉菌が喜ぶ食材が分かったところで、次にそれらを使い、家庭で作り置きしておきたい『お手軽な常備食』について考えてみましょう。

料理が苦手という人は簡単なところから、まずはご飯と味噌汁を少し変えてみませんか?

玄米ごはん

普段、白米を食べている人がいきなり玄米に替えると食べにくいかもしれません。市販のもので玄米や五穀米などを小分けにした商品がありますから、まずは白米に混ぜてみるというスタートはいかがでしょうか。
また玄米は必須アミノ酸やミネラル分などの要素がバランスよく配合されていますが、ここに少量のごま塩をかけることで、さらに消化吸収が良くなると言われています。

豆入りごはん

先程の玄米ごはんに豆をプラスすれば、さらに食物繊維豊富な一品に早変わり。作り方は簡単。全体の米の量の約25%ほどを目安に豆を用意します。
豆は2倍の水に浸けておくか、10分ほど煮ておくことで柔らかさが出ます。あとは米と一緒に炊くだけで、できあがり。

味噌汁

日本が世界に誇る発酵食品の代表と言えば味噌です。ここでは普段作っている味噌汁に、前の項目で挙げた『腸が喜ぶ食材』をプラスしてみましょう。嬉しいことに根菜類全般や海草類にも多く食物繊維は含まれています。
ですから味噌汁に合いそうな具材を4~5種類ほど(例えば芋やごぼう、わかめや豆腐など)入れるだけで立派な『腸が喜ぶ具だくさん味噌汁』になります。さらに昆布で出汁を取れば、食物繊維がかなり豊富な一品が出来上がりますよ。

豆の煮物

昆布などの出し汁で煮た豆に甜菜糖と醤油で味付けしたシンプルな一品は、常備しておくと便利です。甜菜糖にはオリゴ糖が多く含まれているため、砂糖の代わりに甜菜糖を使うのがコツです。
また醤油も発酵食品ですから、まさに腸が喜ぶ一品と言えます。

ひじきの煮物

ひじきも食物繊維豊富な食材です。乾燥したひじき25gほどを水で戻し、水気を切ってごま油で炒めます。さらに1カップの水で煮込み、醤油などで味を整えれば完成です。

きな粉入りヨーグルト

オリゴ糖が豊富なきな粉はヨーグルトとの相性も抜群です。甘みが欲しいときには白砂糖の代わりにハチミツや甜菜糖を使ってください。腸内細菌の善玉菌のエサとなるオリゴ糖がバッチリ摂取できます。今日から自宅での食後のデザートは、きな粉入りヨーグルトに切り替えてみてはいかがでしょう。

参照:『キレイな人は「その一口」を大切にする 正しい食欲のつくり方』西邨マユミ 著

参照:『ひどい便秘の治し方』松生恒夫監修 講談社

チョコレートやクッキー代わりのおやつ

バッグの中に甘いものをしのばせている女子は意外に多いもの。そこでチョコレートやクッキーの代わりにドライフルーツやナッツ類を持ち歩いてみてはどうでしょうか。

例えば、ナッツといえば海外セレブの間で人気のタイガーナッツなどもおすすめです。歯ごたえと甘みがあり食物繊維の含有量も多いので便秘解消にはもってこいのおやつです。食物繊維を摂取するときは水分もたくさん摂ってくださいね。
ちなみにドライフルーツではイチジクや杏、ブルーベリーやクランベリーなどに食物繊維が多く含まれています。

また、どうしてもチョコレートが食べたいときにはキャロブがおすすめ。マクロビオティックなどに興味のある人ならご存じかもしれませんが、カカオによく似た色と風味を持つ『いなご豆』です。海外でも健康食品として人気が高く、日本でもオーガニック系の店で売られています。
カルシウムや鉄分、食物繊維を多く含み、天然の甘みがあり、さらには嬉しい低カロリーですから、チョコレートの代用品として利用してみるのも手かもしれませんね。

いなご豆、タイガーナッツ

生活習慣を見直しましょう

食生活と同じくらい大切なのが生活習慣の見直しです。規則正しい生活をすることで腸のリズムが整い、排便機能も高まります

ポイントは朝です。起き抜けにコップ1杯の水を一気に胃に流し込むことで、胃腸を目覚めさせることからスタート。水を飲むことで自律神経がリセットされ、副交感神経にスイッチが入ります。その結果、セロトニンが分泌され、腸のぜん動運動が活発になります。

さらに朝食をしっかり摂ることで胃腸の動きを高めるのも手です。コーヒー党の人はゆっくりとコーヒーを楽しむひとときを。人はリラックスしているときに便意をもよおす傾向があり、コーヒーの香りにはリラックス効果をうながす作用があります。
便秘の人の場合、食後のコーヒーを飲んだら、自動的にトイレに入る習慣を身につけると良いでしょう。このとき直腸から肛門へスムーズに排便させるためには、ロダンの『考える人』のポーズが最適です。

直腸から肛門までの直腸肛門角は、約90度の直角です。普段は肛門が閉じた状態になっているため、簡単には便が漏れない構造になっています。
ですが、ロダンのポーズのように少し前屈みになることで直腸肛門角が開き、便が出やすくなります。またこのとき、かかとを軽く上げた方が腹筋に力が入りやすくなりますよ。

さらに、いきむのは最後の一押しだけにし、それまではゆったりと呼吸を整えてリラックスしてください。その方が排便機能が高まります。

参照:『スーパー便秘に克つ!』山名哲郎 著

参照:『よくわかる便秘と腸の基本としくみ』坂井正宙 著

すきま運動の習慣を付けましょう

腹筋が弱くなると排便時にいきむ力が弱くなり、便秘の人はますます出にくくなります。ですから、オフィスなどで座っているときにも、人知れず腹筋を鍛えるクセを付けましょう。
イスの背にもたれないよう、背筋はピンと伸ばし、両足は揃えます。そのまま足を10センチほど上げ、10秒静止。これを10回繰り返し、一日3セットを目安にがんばってみましょう。

10cm足上げ運動

また身体を動かすことで腸が刺激され、腸のぜん動運動を促進させる効果が期待できます。エレベーターの代わりに階段を使う、一駅分歩く、電車やバスの中では立つなど、すきま時間を利用して身体を動かす努力を惜しまないようにしましょう。

さらに仕事中、トイレに立ったついでにストレッチ!両手を頭上に伸ばして組んだら、右へ左へ大きくストレッチしてみてください。脇腹を伸ばすことで腸に刺激を与え、ぜん動運動を促進させます。

ストレッチ

またひらがなの『の』の字を描いたり、腸の四隅を指でグイグイ押すことで、身体の外から腸へ刺激を与えるという方法もあります。

のの字

自宅でできる運動はうつ伏せに寝た状態でゴロゴロ転がる『ゴロゴロ寝体操』です。硬い床の上にうつ伏せになり、腸を刺激することを目的にゴロゴロと5分程度転がってください。
身体の重みに押されて腸内のガスが外に出ていくようなイメージでがんばりましょう。

慢性的な便秘の人の場合、社内で飲み物を片手に仕事をするなら、コーヒーよりも水がおすすめです。コーヒーには利尿作用がありますから、飲み過ぎるとスムーズな排便のために必要な水分が体外に出てしまうことに。
便が硬い人は水分が足りていない傾向があります。ですから便が出にくいと感じたら、いつもより多めの水分補給を心掛けてください。

ストレス性の腸の不調に対処するには

『脳腸相関』という言葉があるように、脳と腸には密接な関係があります。腸は、脳の働きは、自律神経のネットワークで繋がっています。このことから、『腸は第二の脳』と呼ばれる所以でもあります。

脳内の神経伝達物質の一種、「セロトニン」は、別名『幸福ホルモン』とも呼ばれています。わたしたちが安心して生きていくために、セロトニンはなくてはならない脳内の神経伝達物質です。
このセロトニンが不足すると、不安にかられ、イライラしたり、鬱状態に陥ったりするとも考えられています。そんな神経伝達物質「セロトニン」ですが、なんと生成される場所のほとんどは腸内なのです。ですから、腸内環境が悪いと、そこで生成されるセロトニンにも影響が及び、その結果ますます不安にかられたりイライラしたりする可能性もあるのです。

ストレスを感じることで、例えばセロトニンの分泌量がいつもより増えた場合、腸のぜん動運動が活発になり過ぎ、その結果下痢などの腹痛が起こることも考えられます。そうすると、またイライラが始まり、まさに悪循環のスパイラル。このような症状を『過敏性腸症候群』と呼び、ひどい場合は医師の診断が必要になります。

こうしたことから、胃腸は消化吸収の役割の他に、自律神経の動きを感じとる『考える臓器』であると言えます。この『考える臓器』がストレスに負けないようにするためには、上手なストレス解消法を見つけることが大切です。

音楽を聞く、ショッピングを楽しむ、アロマの香りに癒される、ゆったりと湯船に浸かる…などなど、自分に合ったストレスの解消法がきっとあるはずです。ストレスに対処する方法を見つけ、腸への負担を軽減してあげましょう。

昔から、『断腸の思い』『はらわたが煮えくり返る』『腸がよじれる思い』などの言い回しがあるように、ストレスと胃腸は密接な関係にあるのは確かです。ストレスを解消し、リラックスできる時間を持つことは、腸にも脳にも大切なことなのです。

参照:『スーパー便秘に克つ!』山名哲郎 著

まとめ

腸内環境が悪いとは、すなわち腸の中だけの悪循環に留まらず、身体全体の不調に影響が出る可能性があるということが、おわかりいただけたでしょうか?

また腸内環境を改善するには、生活リズムを改善し、食生活を見直すことが一番の近道です。わたしたちの腸は、およそ7〜9mもあると言われています。これだけ長い腸ですから、身体の中で果たす役割も大きく、毎日のちょっとしたケアや心掛けを習慣化することが大変重要となってきます。

全身に巡るリンパや血液は、この「腸」から吸収される成分の影響を大きく受けます。ですから、腸内環境の善し悪しとは、つまり『健康のバロメーター』とも言えますよね。

少しずつのアプローチでも、毎日継続することで、結果は大きく違ってきます。いくら良い方法でも、毎日継続できなければ意味がありません。そのことを念頭に置いて、今日からできることを試してみてくださいね。