乳酸菌サプリってどれがいいの?選び方と効果的な飲み方
執筆・監修:薬剤師 笹尾
お腹の張り、ガスや便秘などの症状で悩んでいるのなら、乳酸菌の摂取は効果的と言えます。たしかに、食事から乳酸菌を取り入れることも大切です。
しかし、お腹の不調や腸内環境の改善に結果を求めるのなら、継続して乳酸菌を取り続けることが重要です。そして、継続して乳酸菌を摂取するために、サプリメントの活用はとても便利です。
サプリメントの種類が多過ぎて、どの乳酸菌サプリメントが良いか分からない。迷ってしまうという方もいると思います。選び方のポイントを知っておくと、自分に合ったものを見つけやすくなり、お悩みの解消に役立ちます。
この記事では、乳酸菌サプリメントの選び方や、効果的な飲み方を紹介しています。
目次
お腹の調子を整える「乳酸菌サプリ」
- ガスがお腹に溜まって苦しい!
- 便秘がちで軟便気味..
こんな風に、お腹のトラブルを抱えている方はいませんか?
繰り返すお腹のトラブルは、根本的に腸内環境を整えることで改善できる可能性があります。そこで取り入れると良いのが、乳酸菌です。
そもそも、乳酸菌とは?
「お腹に良い」として、よく耳にする「乳酸菌」。一体何なのか正しく知っていますか?
少し簡単に説明すると、乳酸菌は人にとって良い作用をしてくれる「善玉菌」の1種です。人間の体中に住み着いています。乳酸菌は、糖分を餌にして乳酸を作ることができる菌で、腸内の環境をやや 酸性より に傾けることができます。
こうした乳酸菌の働きのおかげで、悪さをする悪玉菌が住みにくい環境を作りだしてくれます。
乳酸菌のおかげで、悪玉菌が住みにくい腸内に!
乳酸菌を取り入れると、、
- 腸内環境が良くなることで便秘解消
- 免疫力がアップ
- アレルギー症状の改善
などなど、人体にとってありがたい作用をもたらしてくれるのです。
乳酸菌を取り入れる方法は?
乳酸菌による効果を実感するには、体内の乳酸菌を増やす必要があります。そして、乳酸菌を体内で増やすにはいくつかの方法があります。
最も分かりやすく簡単な方法は、乳酸菌そのものを外から継続して取り入れる方法です。
具体的には、次の3つの方法で乳酸菌を取り入れることができます。
- 食事
- 整腸剤
- サプリメント
ただし、食事から摂取するのは安全な方法ではありますが、毎日継続することがなかなか難しく、、
- 献立を作る時間がない
- 毎日意識して摂取するのが面倒
などの理由で挫折し、そのせいで効果が得られない可能性がでてきます。乳酸菌は、継続して摂取しなければ腸に定着しないからです。
毎日、継続して乳酸菌を取り入れるは意外と大変..
乳酸菌は、医薬品の整腸剤からも摂取することができます。しかし、お薬はあくまでも治療のために使うものです。ずっと飲み続けることに抵抗を感じる人も多いと思います。
そこで、おすすめしたいのが「乳酸菌のサプリメント」です。乳酸菌のサプリメントには、食事や整腸剤とは違うメリットがあります。中でも、手軽なので続けやすいことが、食べ物とは異なる大きな特徴です。
乳酸菌のサプリメントがなぜいいの?
乳酸菌のサプリメントとは、一体どんなものなのでしょうか?安全性や、薬との違い。メリットなど、詳しく説明します。
何が含まれているの?
乳酸菌をカプセル、錠剤に閉じ込めたり、パウダー状にすることで飲みやすい形になっています。一言で言えば、乳酸菌を主成分としているサプリメントです。
ただし、どれを選んでも同じという訳ではないので、注意が必要です。
例えば、1種類だけの菌が入っている場合もあれば、複数の菌が組み合わさって入っている場合もあります。種類もさまざまで、中身の違いによって乳酸菌の働きに差が出てきます。
サプリメントの最大のメリット
乳酸菌をサプリメントで摂取する、最大のメリットは何でしょうか?それは、食事だけで摂取するのが難しい乳酸菌も、豊富な種類の中から選んで、手軽に摂取することができるという点です。
サプリメントは、メーカーが独自の研究によって選んだ、優秀な乳酸菌が製品化されています。
豊富な乳酸菌を手軽に摂取できる
大切なのは、乳酸菌はどれを摂っても同じではないことです。自分の腸に合った菌を選び、一定の期間以上は継続することが重要です。
食事からいろいろな乳酸菌を取り入れるのは大変ですが、乳酸菌サプリメントなら、たくさんの種類の中から自分に合ったタイプの菌を見つけ、毎日水で飲むだけで、気軽に続けることができます。
結果として、乳酸菌を摂取したことによる実感が得られやすいです。また、乳酸菌の1種としてビフィズス菌を選ぶという方法もおすすめです。実は、腸の善玉菌の99%はビフィズス菌です。ビフィズス菌の方が、お腹の不調や悩みの解消を実感できやすいのです。
ビフィズス菌のサプリメントも気になるという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
整腸剤とサプリメントは何が違う?
サプリメントと整腸剤は全く違う!
サプリメントと医薬品の整腸剤は、見た目には同じような錠剤やパウダー状です。そのため、同じようなものだと思っている方もいるかもしれませんが、実は全く違うものです。
整腸剤と乳酸菌サプリメントには次のような違いがあります。
含まれている菌が違う
医薬品の整腸剤の場合、国から認められた種類の菌だけが使われています。サプリメントの場合は、メーカーが独自の判断で菌を選んでいます。
そのため、意外に思われるかもしれませんがサプリメントの方が含まれる菌の種類は多く、医薬品では使われていないタイプの菌も配合することができるのです。
サプリメントは効能・効果が書けない
医薬品の場合、国から認められた効能・効果をうたうことができます。しかし、サプリメントの場合は、基本的には効能や効果を言うことは認められていません。
※ただし、一部「機能性表示食品」のように効果のが表示が認められている場合もあります。
医薬品と食品の違い
整腸剤は、「医薬品」または「医薬部外品」であり、薬局やドラッグストアで購入できるものです。自分で選んで買うことができますが、買える場所は限られます。そもそも医薬品なので、体調が悪いのを改善するために飲むべきものです。
サプリメントの場合、あくまでも薬ではなく食品であり、栄養の補助として摂取するものです。病気の直接的な治療を目的として服用することは認められていません。
健康な体づくりを目指したいという方は、サプリメントを活用するのがおすすめです。
乳酸菌サプリメントの選び方
乳酸菌サプリメントを選ぼうと思った時に、悩んでしまうのがどの商品が良いのか?という事ではないでしょうか。
たくさんの種類の商品から、出来る限り自分の体質や悩みに合った商品を選びたいですよね。そこで、乳酸菌サプリメントをどんな視点で選べば良いのか解説していきます。
どんな基準で選べばいいの?
どんな基準で選ぶ? | 種類 |
1.飲みやすさ | 錠剤、カプセル、パウダーなど |
2.乳酸菌の種類 | クレモリスFC株、ラブレ菌、シロタ株、ッB536株、L-55菌、1075R-1乳酸菌 など |
3.乳酸菌の菌数 | 1日量、1粒あたりの量 |
4.お悩み別 | 便秘解消、花粉症対策、免疫力アップ、肌荒れ、ダイエット など |
5.機能性表示食品 | 効能効果 |
6.プラスαの成分 | オリゴ糖、食物繊維 など |
7.安全性 | 製造メーカー、添加物、製造国 など |
解説
1.飲みやすさ
味を感じにくいのは錠剤、カプセルです。カプセルの場合、乳酸菌を胃酸などから守るためにコーティングされているものも多く、効果を期待しやすいというメリットもあります。
サプリメントにあまり慣れていない方や、初めて購入する方にもカプセルタイプがおすすめできます。粒を飲むのが苦手な人にはパウダータイプがおすすめ。
2.乳酸菌の種類
乳酸菌と一言にいっても、種類がたくさんあります。含まれる乳酸菌の種類の違いによって、その人の腸に合うかどうかも変わってきます。
他人に効果があったとしても、自分に同じような効果が期待できるとは限りません。菌の種類によって、どんな効果があるかにも違いがあります。便秘解消、ダイエット、アレルギー対策などのお悩み別に選ぶようにしましょう。
また、乳酸菌の1種としてビフィズス菌を選ぶという方法もあります。両者の違いについては以下の記事で紹介しています。興味がある方はぜひ参考にしてください。
また、ビフィズス菌のサプリについて知りたいという方は、以下の記事で詳しく紹介しています。乳酸菌サプリとビフィズス菌サプリで迷っている方はぜひ参考にしてください。
3.乳酸菌の菌数
乳酸菌はできるだけ多く摂った方が良いとされています。目安となる摂取量は、死んだ菌( 死菌)の場合には1日あたり1兆個以上です。
乳酸菌を含むヨーグルトの場合、国の定めた基準では1mlあたりに1000万個以上の乳酸菌、乳酸菌飲料の場合には100万個以上の乳酸菌を含むことと定められています。
1兆個の乳酸菌を摂取するには、大量のヨーグルトを毎日食べ続けなければいけないことになります。同時にカロリーオーバーや脂質の過剰摂取にもなってしまいます。
サプリメントの場合には1粒に何十億、または1兆個含んでいるタイプもあります。乳酸菌のサプリメントを購入する場合には、そのサプリメントにどれくらいの量の乳酸菌が含まれているのかチェックしましょう。
4.お悩み別
乳酸菌サプリメントを選ぶ時には、含まれている乳酸菌にどんな働きが期待あるのかによって選ぶことも大切です。基本的にはどの乳酸菌の種類であっても整腸作用はありますが、菌によって特徴があります。
便通の改善に特に高い機能を持つ菌もあり、花粉症や免疫力アップなどの働きが確認されている乳酸菌もあります。商品の紹介をよく読み、自分のお悩みに合っているか、事前によく調べておきましょう。
5.機能性表示食品
効果を確認するにはまずは飲んでみるのが一番ですが、失敗はなるべくしたくないですよね。そこで、効能効果が商品に表示されている「機能性表示食品」を選ぶのも、一つの手です。
乳酸菌サプリメントの中には、効能効果の根拠データを示して、国に「機能性表示食品」として認められている商品があります。届出をしているかどうかの違いで、他の製品に効果がないという訳ではありませんが、信頼できるかどうかの目安になります。
6.プラスαの成分
乳酸菌サプリメントには乳酸菌だけでなく、他にもお腹に良い成分が配合されているものがあります。例えば、食物繊維は腸内をきれいに掃除してくれたり、腸内細菌を活発にしてくれる働きがあります。
また、オリゴ糖は善玉菌の餌となって、腸内で善玉菌が増えるのを助けてくれます。これらの成分を乳酸菌と同時に摂取することで、単独で取るよりも高い整腸効果が期待できるでしょう。
7.安全性
サプリメントというのはあくまでも食品であり薬ではありません。ただし、薬じゃないから安全と決めつけてはいけません。サプリメントを選ぶ時には、製品の品質にもこだわった方が安心です。
例えば、国産にこだわる、有名メーカーを選ぶ、添加物が少ないなどの選択肢があります。口に入れるものなので、なるべく安心できる製品を選びましょう。
おすすめの乳酸菌サプリメントの飲み方
乳酸菌サプリメントを使って、効率よく乳酸菌を増やすには、いくつかのポイントを守って摂取することが大切です。
最大限に乳酸菌の力を発揮するためにも、次の注意点に気をつけて乳酸菌サプリメントを活用することをおすすめします。
継続すること
「乳酸菌サプリメントを飲んでいるけど、特に変化が無いのですぐに諦める、、」こんな方もいると思います。
しかし、すぐに諦めずに、乳酸菌が腸内に定着するまで継続することが大切です。腸内細菌が外から入ってきた新しいタイプを受け入れて、入れ替わるようになるまでには、最低でも2週間は必要だと言われています。
まずは、1つのサプリメントを2週間以上は継続してから、今後も飲み続けるかどうか判断すると良いでしょう。
自分に合った菌株を見つける
あなたに合った乳酸菌を見つける
ヨーグルトや味噌など、発酵食品をたくさん食べているのに効果が無いという方はいませんか?それはもしかしたら、菌の種類があなたの腸に合っていないのかもしれません。
乳酸菌には数多くの種類がありますが、どの菌が自分の腸に合っているのかが大事です。
人間の腸内には様々な種類の乳酸菌やビフィズス菌などが生息していますが、不足している菌をぴったりと探しだすことはとても難しいことです。
サプリメントであれば、同時にたくさんの種類の菌を摂取することも可能です。乳酸菌サプリメントの中には1種類の乳酸菌だけを重点的に摂取できるタイプや、いくつかの種類の菌を同時に摂取することができるタイプがあります。
色々と試してみて、自分に合っているサプリメントを見つけましょう。
食後に飲む方が効果的な場合も
サプリメントは薬ではないので、基本的にはいつ飲んでも大丈夫です。ただし、乳酸菌の特性として胃酸に弱いため、空腹時や食前に飲むと菌が死んでしまう可能性があります。
死んだ菌であっても腸内でしっかり働いてくれますが、生きた菌をそのまま摂取するならば食後がおすすめです。
腸まで届いてくれる製品を選ぶ
乳酸菌サプリメントの中には、胃酸によって菌が死なないようなコーティングを施されたカプセルや、錠剤の製品もあります。
乳酸菌自体が強く、腸まで生きて届く、植物性乳酸菌を選ぶというのも手です。
なお、実際に飲んでみないと自分に合うかわからないとはいえ、実際の口コミも気になるところでしょう。
おすすめのサプリメントについて、以下の記事で実際に飲んでみた体験談を紹介しています。乳酸菌サプリに興味がある方、試してみたいと思う方はぜひ参考にしてください。
まとめ
乳酸菌サプリメントは、食事からは十分に補えない乳酸菌を効率よく摂取できる上、飲み続けることが容易です。このような性質から、お腹の不調や、腸内環境の改善に取り組みたい方にはとてもおすすめです。
あなたの腸に合った乳酸菌サプリメントを見つけ、乳酸菌の力を実感してください。
ただし、サプリメントだけに頼ることなく、食生活や生活習慣の改善も心がけるようにしましょう。
また、もっと詳しくお腹に良い菌のことを知りたい方は、以下の記事で乳酸菌とビフィズス菌の違いについて徹底比較をしています。興味がある方はぜひ参考にしてみてください。