菌活ってなに?菌のチカラで腸から健康と美を目指そう


近年では妊活や終活など◯◯活という言葉が流行っていますが、「菌活」も密かに話題となっています。菌活というのは、体によい菌を増やして健康と美容を目指す活動のことです。この「菌活」は一体どのようにすれば良いのでしょうか?

疑問を感じる女性

菌活とは何か?

「菌活」という言葉を耳にしたことはあるが、どんな意味なのかよく知らないという方も多いと思います。菌活とは一体何なのでしょうか。

体に良い菌を積極的に取り入れること

菌活とは、食事を通じて身体に良いと言われる菌を積極的に取り込もうという活動を指します。

乳酸菌や納豆菌など、私達の周りには健康や美容に役立つ菌がたくさんあります。食事やサプリなどから良い菌を取り入れることで、あなたも菌活が簡単に始められますよ。

自分の腸内にいる良い菌を育てて、腸内環境を整えること

私達の腸管、主に大腸には100種類以上、なんと100兆個以上もの細菌が生息しています。腸内細菌には善玉菌と悪玉菌、そしてそのどちらにも属さない中間の菌がいます。

腸内フローラ

身体にいい菌を取り入れることがで腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整えることができます。また、食物繊維やオリゴ糖を取り入れることで、自分の善玉菌をふやすことも菌活になります。

菌活するとどんなメリットがあるの?

それではなぜ、こんなにも若い女性の間で菌活が話題になっているのでしょうか?

菌活をすることによって、全ての女性に取って永遠のテーマである「もっとキレイになりたい」そして「いつまでも健康でいたい」という願いに近づくことができるからです。

整腸作用、便秘解消

菌活を行うことでまず期待できるのは整腸作用です。お腹の調子を整えることで、便秘や下痢などの便通異常を改善することができます。

便秘

便秘は下腹部の不快感や腹痛、嘔吐などの障害を引き起こします。

毎朝規律正しくお通じがあるということはそれでだけで気持ちのよい一日のスタートを切ることができますね。

なお、便秘解消のために菌活したいと考えている方には、こちらの記事もおすすめです。

美容、ダイエット

やる気に溢れる女性

便秘が解消するということは美容にもメリットがあります。

便秘が続くと肌がカサカサしたり吹き出物が出来てきたりしますが、お通じが良くなることで代謝が上がり、お肌のターンオーバーの促進が期待できます。

また、代謝が上がるということはダイエットにも効果的。

他の人と同じ量の食事をしているのにすぐに太ってしまう。という方は腸内環境が整っていないことが原因の場合があります。

痩せ体質の人は特定の善玉菌の数がとても多いという事も分かっています。

美肌における効果

お腹に溜まった便からはアンモニアや硫化水素が発生します。

便秘が続いてしまうと、それだけ毒素を体内に溜め込むこととなってしまい、その毒素が血液に溶け込み肌にまで行き渡ると、ニキビなどの肌荒れを引き起こします。

また、腸内環境を整えることは老化の抑制にも繋がります。

アレルギー、免疫力アップ

腸には体の免疫細胞の70%が集中しています。免疫細胞というのは、外から入ってきた食べ物やウイルス、花粉などの異物と戦って体を守るために重要な働きを持っている細胞のことです。

免疫細胞が正しく働かないことはアレルギーや免疫力低下にもつながります。免疫のはたらきを正常に保つためにも、腸内環境を改善することが大切です。便秘が解消することで喘息やアトピー、花粉症などのアレルギーの改善も期待できます。

がん予防

菌活で便秘が改善すると、がんの予防にもなります。

これは便秘になると大腸内に、大腸がんの発がん促進物質である二次胆汁酸が増えてしまう為です。肉類や脂肪分が多い食べ物も二次胆汁酸を増やして、ガンの原因になるといわれています。

近年は日本人の食事も欧米化によって高脂肪のもの、そして低繊維質の食事が増えたために大腸がんを患う患者さんが急増しているために注意が必要です。

どんな菌を増やせばいいの?

疑問を感じる女性

さて、菌活を行うことで私達の身体には様々なメリットがあるという事が分かりました。それでは次に、それぞれの菌がどの様な働きをするのかを見ていきましょう。

腸に良い菌と言えば乳酸菌のイメージが強いのですが、それ以外にも有効な菌があり、メリットも異なります。

乳酸菌、ビフィズス菌

ヨーグルトにも代表される乳酸菌やビフィズス菌の一番知られていている効果は、腸内の善玉菌を増やし、便秘解消などの腸内環境を整えてくれるという点でしょう。

乳酸菌はそれ以外にも様々な効果があります。

アレルギーが改善したりや免疫力がアップします。それだけでなく血糖値を抑える効果もあるので糖尿病の方にもおすすめ。また、高血圧を防いでくれるので、動脈硬化などの命に関わる疾患の予防にも繋がります。

納豆菌

納豆

納豆に含まれる納豆菌も身体が喜ぶ菌の一つです。ナットウキナーゼという酵素が悪玉菌を減らし、善玉菌を増やしてくれます。

また、植物性タンパク質はコレステロールを下げる作用もあるので悪玉コレステロールが高い人は毎日納豆を食べると良いでしょう。

ナットウキナーゼには血栓を分解する作用もあるので、ダイエットや美容 だけでなく、健康に気を使っている人にも欠かせない重要な菌です。

麹(こうじ)菌

酵素の宝庫とも言われ昔から日本の食文化に馴染みの深い麹菌は、その効能が見直され、近年は塩麹などが改めて注目を集める存在です。

身体の老化を防止する抗酸化作用や抵抗力を上げる効果もあります。また、麹に含まれるコウジ酸にはメラニンの育成を抑える効果があるため、美白効果があります。

酵母菌

近頃は天然酵母パンなどを目にするようになりましたが、この酵母菌の大きな働きは体内の糖質をアミノ酸や炭酸ガスに分解してくれるということです。腸内の善玉菌を活性化させ、善玉菌と悪玉菌のバランスを整えるという整腸作用があります。

糖質を分解してくれるのでカロリーの吸収を抑えることができます。

糖質は甘いものにはもちろん、ご飯やパンなどの主食にも含まれているため、酵母菌は美味しいものには目がない人にとってもありがたい菌なのです。

免疫力を高めたり、老化の原因である活性酸素を抑えるという美容効果も期待できます。

菌活におすすめの食品

菌活には、菌を取り入れられる食品をいかに取り入れるかがカギになります。おすすめの食品をご紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルト

コンビニやスーパーでも手に入れやすいヨーグルトは手軽にランチに一品として加えることが出来ます。

一日に200〜300gを取ることを目安とされているヨーグルトですが、摂取方法にコツがあります。

乳酸菌は酸に弱いと言われているため、胃酸の弱まる食中や食後に食べると効果的です。

一口にヨーグルトとは言っても商品がたくさんあり、含まれる菌はさまざま。効能も異なるので自分に合ったヨーグルトを探すことが重要です。

とは言ってもその効果が現れるには数週間かかります。じっくりと時間を掛けて自分の身体が喜ぶヨーグルトを探しましょう。

日本の発酵食品

私達が日々食べている日本食には菌活に繋がる健康的な発酵食品がたくさんありますが、その代表的な物が味噌です。

味噌

大豆を発酵させてつくった味噌には乳酸菌、酵母菌に麹菌と、身体が喜ぶ3つの菌を一度に取ることができます。

もちろん味噌焼きや味噌煮などもいいですが、毎日摂取する事を考えると味噌汁が手軽ですね。

朝食が和食だという人は毎朝味噌汁を飲む習慣をつけると良いでしょう。

簡単につくれるインスタントタイプやだし入り味噌などは発酵食品ではない可能性があるため、本物のお味噌から作る事がポイント。

その他、糠漬けや醤油、お酢なども発酵食品です。

甘酒

甘酒

美肌になりたいと願っている方は「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒を飲みましょう。

甘酒はカロリーが少ないにもかかわらず栄養価が高く、バランスの取れた飲み物。オリゴ糖や食物繊維が豊富なので腸内環境を整えてくれるだけでなく、麹菌がたくさん含まれることから美白効果があります。

甘みがありますがそれは麹が発酵されて作られた自然の甘みです。しかし、糖分が多いので飲み過ぎはよくありません。特に市販の甘酒を購入する際は念のため、砂糖が添加されていないか確認しましょう。

菌活で大切なポイントとは?

注意を促す女性

菌活には美容や健康にたくさんのメリットがあることが分かりました。それでは具体的に菌活を行うにあたり、どのような点に気をつければよいのでしょうか。

菌活は続けることが大切

腸内環境は直ぐに変わるわけではありません。菌の効果が現れるまで2週間ほどかかります。これという食品を見つけたらあせらずに最低でも2週間は摂取を続けましょう。

また、菌はせっかく摂ってもすぐに体外に出ていきます。特に乳酸菌は体内に留まっていられないため、継続して摂取することが大切です。

自分に合った菌を見つけること

腸内環境は人それぞれに違うため、自分に合っている菌も人によって変わります。また、期待する効果によっても求める菌が異なってきます。

ある人にとってはすぐに効果が出たというものでも他の人にも同じ効果が期待できる訳ではないのです。色々な種類の菌を試し、自分にとって効果のある菌を地道に探すしかありません。

複数の菌を組み合わせると効果的

それぞれの菌の特徴を説明しましたが、相乗効果を期待するためにも複数の菌を同時に摂るのも良いでしょう。

同じものばかりを食べていると飽きてしまうので、味噌や塩麹など発酵食品をうまくを使い、味付けをアレンジするのもオススメ。

もし、色々な食べ物を食べるのは面倒、忙しくて難しいという方や、塩分やカロリーが気になる方は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。

サプリメントについて詳しくは次の記事で紹介しています。気になる方は参考にしてください。

腸内で良い菌を育てること

腸内で良い菌を育て、腸内環境を整えることも大切です。例えば乳酸菌を摂取する場合、オリゴ糖やバナナ、さつまいもやリンゴなど、食物繊維が豊富に含まれている食品を一緒に取ることで乳酸菌の増殖が促され整腸作用の効果が上がります。

一日300gのさつまいもを一週間食べ続けることで排便量が1.6倍に増えたという実験結果も出ています。

腸内細菌を増やす方法について、詳しくは次の記事を参考にしてください。

まとめ

女性なら誰もが気になる、美容やダイエット効果が期待できる菌活。突き詰めてみると古くから日本に存在する和食がとっても身体にいいものであることが再確認できます。

発酵食品大国とも言われる日本。私達の周りには様々な発酵食品があります。色々と試してみて、菌活の効果を実感しましょう。

もちろん、ストレスなどの生活習慣が乱れると菌活の効果も落ちてしまいます。日々の生活に気をつけ、様々な角度から菌活をすることが大切です。

参照:腸内細菌の驚愕のパワーとしくみ

参照:日本大腸肛門病学会