ビオフェルミン便秘薬の効果と副作用。整腸剤とは違う?


ビオフェルミンシリーズには「ビオフェルミン便秘薬」という便秘薬があるのを知っていますか?

ビオフェルミン便秘薬は比較的やさしいタイプの便秘薬ですが、正しく使わないと思わぬ副作用が出る場合もあります。

お薬の効果と副作用、整腸剤との違いについてわかりやすく解説していきます。

ビオフェルミン便秘薬ってどんな薬?

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ビオフェルミン便秘薬は便秘のときに頼りになる市販のお薬です。
どんな特長があるのか、他の便秘薬や新ビオフェルミンSとの違いについても解説していきます。

ビオフェルミン便秘薬の特長

ビオフェルミン便秘薬は、新ビオフェルミンSと同じビオフェルミン製薬から販売されている便秘薬です。
ビオフェルミンというと整腸剤を思い浮かべるかもしれませんが、便秘薬であって新ビオフェルミンSとは別のお薬です。

ビオフェルミン便秘薬の特長は、大腸を刺激する成分と整腸剤がいっしょに入っているということです。
市販薬には大腸を刺激する成分だけが含まれる便秘薬が多い中で、めずらしい処方になっているといえます。

また、11歳から飲めることも特長の1つです。常備薬として置いておけば、家族で共有して飲むこともできる使いやすい便秘薬です。

他の便秘薬との違いは?

便秘薬には大腸を刺激するタイプと、便をやわらかくして出しやすくするタイプがあります。

ビオフェルミン便秘薬は大腸を刺激するタイプの便秘薬に分類できますが、同時にビフィズス菌、乳酸菌も摂れるので腸内環境を整えられる整腸作用があることも大きな違いです。

また、11歳から飲めることがパッケージからもわかりますが、幅広い年代で使いやすいよう飲み方が調整できるようになっています。

新ビオフェルミンSとの違いは?

ビオフェルミンといえば新ビオフェルミンSが有名ですが、ビオフェルミン便秘薬と区別して使うことが大切です。違いを知っておきましょう。

まず、新ビオフェルミンSは整腸剤です。ビフィズス菌と乳酸菌などの生きた菌が入っていて、腸内環境を正常に整える効果があります。
下痢や軟便、お腹のハリに効果があります。便秘にも効果があるものの、すみやかな効果はあまり期待できません。

それに対して、ビオフェルミン便秘薬には生きた菌だけでなく、大腸を刺激する成分が入っています。腸内環境を整えるだけでなく、腸を刺激して便秘を解消する作用があります。

腸の調子を整えたい、穏やかに便秘を改善したいならば新ビオフェルミンSがおすすめです。便秘をすぐになんとかしたいという場合には、ビオフェルミン便秘薬を選ぶようにしましょう。

ビオフェルミン便秘薬の効果は?

ビオフェルミン便秘薬にはどのような効果があるのでしょうか。成分のはたらき、効果が出るまでにかかる時間についても解説します。

効能効果を解説

  • 便秘
  • 便秘に伴う次の症状の緩和:
    肌あれ、吹出物、頭重、のぼせ、食欲不振(食欲減退)、痔、腸内異常醗酵、腹部膨満
主に便秘を改善するお薬として使います。また、便秘に伴って出てくる様々な不快な症状にも効果があります。便秘を改善することによって、肌荒れ、お腹のハリなどの症状も改善されます。

整腸成分が入っているので、腸内の異常な発酵状態によって起きるお腹のハリやガスにも効果的が期待できます。下剤成分が入っているので、「便秘」の状態のときに使うのが原則です。

どんな成分が入っている?

疑問を感じる女性

ビオフェルミン便秘薬には次の3つの成分が含まれています。

〈1日最大量5錠あたり〉

成分 含有量 はたらき
ピコスルファートナトリウム 7.5mg 大腸を刺激して排便をうながす
ビフィズス菌 20mg 主に大腸における整腸作用
ラクトミン(乳酸菌) 20mg 小腸から大腸における整腸作用

ピコスルファートナトリウムという成分は、医療用のお薬としても使われる下剤成分です。
大腸を刺激する成分には他にもセンナ、ダイオウなどがありますが、ピコスルファートナトリウムは続けて使う場合には比較的安全性が高いタイプともいわれています。

さらにビフィズス菌とラクトミン(乳酸菌)はいわゆる善玉菌といわれるタイプの腸内細菌です。
腸の中で酸を生み出して、悪い菌(悪玉菌)をやっつけてくれます。

悪い菌は腸内でガスを発生させて、腸の動きを悪くします。便秘をますます悪化させる原因にもなるので、悪玉菌を同時に抑えることは便秘を繰り返さないためにも効果的です。

ビオフェルミン便秘薬は便をスムーズに出す早い効果と、腸内環境の改善が同時にできるという優れた処方だといえます。

参照:「お腹の張り」をとれば腸は年をとらない(松生恒夫 著)

どれくらいで効果が出る?

寝る前に服用すると、個人差はありますが通常7時間から12時間で効果が感じられます。
大腸を直接刺激する成分が入っているので、効果が早いのが特長です。

ビオフェルミン便秘薬の飲み方

ビオフェルミン便秘薬は飲み方がいろいろと変えられるお薬です。
副作用を防ぐためにも、飲み方を間違えないように正しく理解して飲むことが大切です。

用法用量は?

ビオフェルミン便秘薬の用法用量は、年齢によって次の通り定められています。

年齢 1回量
15歳以上 3錠〜5錠
11歳〜14歳 2錠〜3錠
2錠〜3錠 飲まないこと

大人15歳以上の場合は、3錠からはじめて5錠まで増やすことができます。

また11歳から14歳までの場合は、作用が強く出て副作用を起こさないよう、大人より少ない量になっています。年齢に応じた用量を守って飲むことをおすすめします。

どうやって調整したら良い?

ビオフェルミン便秘薬は用量の調整ができるところが便利なお薬です。
便秘薬は効きすぎることもあるので、用量を調子に合わせて調整することが大切です。

最初はどれくらい飲むと効き目が出るのか、副作用が出てしまうのかもわかりません。
まずは最小量(大人は3錠)から飲むことをおすすめします。

もし、最小量で効果がないという場合には1錠ずつ増やしてみると良いでしょう。ただし、5錠を超えて飲むことのないようにしてください。

ビオフェルミン便秘薬の副作用

便秘薬を飲む時に、心配なのは副作用ではないでしょうか。
気になる腹痛や下痢などの副作用と、飲む上での注意についてお話します。

注意を促す女性

どんな副作用がでるの?

副作用としては次の症状が出ることがあります。

  • 発疹、発赤(皮膚の赤み)、かゆみ
  • はげしい腹痛、吐き気・嘔吐、腹鳴、腹部膨満感
体質によって成分に対するアレルギーが起こり、皮膚に上記のような症状がでることがあります。
また、成分が強くはたらくことによって、お腹の症状が悪化する場合もあります。

お腹は痛くなりやすいの?

大腸を刺激する成分が入っているので、排便時やその前後にお腹が痛くなる場合があります。
便秘薬でお腹が痛くなりやすい人はなるべく少ない量から始めて様子をみるようにしましょう。

飲んで下痢になる?対処法は?

お薬の効果が強く出て、下痢になってしまう場合があります。
もし、ビオフェルミン便秘薬を飲んでから下痢の症状が強く出てしまった場合には飲むのをやめて、医師などに相談するようにしてください。

飲んではいけない人は?

他にも下剤(瀉下剤)を飲んでいる場合には、一緒に飲むことはできません。
また、次の場合は飲む前に医師または薬剤師に相談するようにしてください。

  • 病院でお医者さんによる治療を受けている
  • 妊婦さん、または妊娠している可能性がある
  • お薬などによってアレルギー症状を起こしたことがある
  • はげしい腹痛、吐き気・嘔吐の症状がある

妊婦や授乳婦は注意

妊娠中の場合、大腸を刺激する成分を服用することによって、早産や流産をおこす危険性があります。
便秘薬を使う前にまずは主治医に相談することをおすすめします。

また、授乳中について、お薬の説明書上では制限されていないお薬ですが、子供に影響する可能性もあるため念のため注意してください。

子供は飲める?

11歳未満のお子様は飲むことができません。

11歳以上の場合もなるべく少ない量から始めることをおすすめします。
腹痛などの副作用が心配であれば、新ビオフェルミンSのような整腸剤がおすすめです。

ビオフェルミン便秘薬は飲み続けて大丈夫?

ビオフェルミン便秘薬は飲み続けると悪影響が出る場合もあるので期間を守って飲むことが大切です。
飲み続けるデメリットについてお話します。

処方薬

長期服用は危険?!

お薬の説明書では1週間たっても効果が出ない場合には、服用を中止することとなっています。

一般的に便秘薬は飲み続けることで効きが悪くなってしまう場合もあるため連続して使うことはおすすめできません。

長期間飲み続けなければいけないような場合には、なんらかの病気が隠れていることもあるため、一度お医者さんに相談してみることをおすすめします。

だんだん効かなくなってきたら注意

もし便秘薬を使っていて、徐々に効果が出にくくなっていたり、量が増えてきているならば黄色信号です。
便秘薬がないと排便できなくなってしまうこともあるので注意しましょう!

また、長く便秘薬に頼っていることで、自然な便意がなくなってしまうこともあります。
一旦失ってしまった便意を取り戻すのはとても難しいです。

また、下剤の中には、長期服用することで大腸メラノーマという状態を引き起こすことがあります。この大腸メラノーマは便秘薬の効きが悪くなる原因の1つといわれています。

参照:ビオフェルミン便秘薬添付文書

参照:「お腹の張り」を取れば腸は年をとらない(松生 恒夫 著)

便秘薬の副作用について詳しく知りたい方は次の記事がおすすめです。
副作用を防ぐためにできる予防法についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。