腸内細菌を増やす食べ物とは?腸内環境を食事で良くする!
「健康のために腸内細菌を増やし、腸内環境を整えたい」と多くの方が思っているのではないでしょうか?特に女性はダイエットや美容にも大きな影響を与える腸内細菌が気になりますね。
腸内環境を整えるために食べるべきものや食べすぎない方が良いもの、また、摂取のコツをご紹介します。ダイエットに役立つ「痩せ菌」を増やす食べ物もあわせて見てきましょう。
目次
腸内環境を健康に保つには、食べ物が大事!
私達の腸内にはおよそ100兆個以上もの細菌が生息しています。
腸内細菌は善玉菌と悪玉菌、そのどちらにも属さない日和見(ひよりみ)菌があります。腸内環境を良いものにするためには善玉菌を増やし、バランスを整えることが大切です。
そのためにも重要となってくるのが食べ物です。
腸内環境はすぐには改善されないため食生活を見直し、善玉菌が喜ぶ食べ物を摂り続けることが必要となります。
腸内細菌を増やす食べ物とは?
善玉菌が喜ぶものとは言ってもどの様なものを食べると良いのでしょうか。
善玉菌のエサになるものや、乳酸菌などの良い菌を含む食べ物を摂取することで腸内細菌を増やすことができます。
腸内細菌を増やす食べ物を具体的に見ていきましょう。
納豆
納豆に含まれる納豆菌は腸内で活性化し、他の善玉菌の増殖を促してくれます。
さらには腐敗菌などの悪玉菌を排除してくれるという働きもあります。
抗酸化作用、抗ガン作用や血栓を分解する作用などもあります。納豆は腸内環境のためだけでなくとも毎日積極的に取り入れたい食品です。
納豆菌は氷点下でも生き続けるために冷凍庫で保存してもその効果が薄れることはありません。まとめ買いをして冷凍庫にストックと便利です。前の晩に冷蔵庫に移しておけば翌日には自然解凍されていますよ。
参照:ナットウキナーゼ協会
味噌
味噌にも乳酸菌が含まれています。乳酸菌以外にも腸内の善玉菌を活性化させる働きがあります。味噌には善玉菌と悪玉菌のバランスを整える作用のある酵母菌や、老化防止効果のある麹(こうじ)菌も含まれています。ぜひ積極的に取りたい食品です。
味噌汁、人参やキャベツといった生野菜につけ野菜ディップにすれば、手軽に食べられますね。
ただし塩分のとりすぎには注意が必要です。
また、お湯を注ぐだけのタイプのインスタント食品は発酵食品ではない場合があるので、きちんと発酵されているお味噌を買いましょう。
甘酒
江戸時代から老若男女の栄養補給として愛されてきた甘酒も腸内細菌を増やしてくれる優秀な食品。
甘酒は麹を発酵させて作られるため、善玉菌である麹菌を腸内に取り入れることができます。
さらには、オリゴ糖が多く含まれているというメリットも。オリゴ糖は腸内で善玉菌の餌になるので腸内細菌を増やすためにも一役買ってくれるのです。
美白などの美容効果も期待できますよ。
体内への吸収も早いため「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒は、その豊富な栄養価に対してローカロリーである点も魅力です。
ただし、お米から作られているために、飲みすぎてしまうとカロリーオーバーになります。大量に飲むようなことは避けましょう。
その他発酵食品
発酵食品は腸内環境を改善するために欠かせない、優秀な食べ物です。
納豆や味噌など先に紹介した食品は全て発酵食品ですが、嬉しくも発酵食品大国と言われる日本には他にもさまざまな発酵食品があります。
かつお節やイカの塩辛などにも乳酸菌が含まれています。
また、醤油、酢、みりん、塩麹、ワインビネガー、豆板醤といった調味料も発酵食品です。腸内環境はすぐにはよくなりません。調味料を駆使して味付けを工夫し、飽きのこない食事を続けましょう。
オリゴ糖
オリゴ糖は腸内の善玉菌を増やすためには欠かせない食品。善玉菌のエサとなってくれる腸内細菌を増やしてくれます。
消化器官で消化や吸収をされることなく、腸まで直接届いてくれるという特徴を持っているので効果が現れやすいでしょう。
オリゴ糖は先ほど紹介した納豆や甘酒に多く含まれています。それ以外にはアスパラや玉ねぎ、ごぼうやにんにくなどの野菜、そしてバナナや大豆もオリゴ糖を豊富に含んでいるため、積極的に摂取しましょう。
「オリゴ糖」単体として特定保健用食品に頼るのもいいでしょう。ヨーグルトやコーヒーに入れたりと、手軽に摂取できますね。ただし体質によっては、また多量摂取をするとお腹がゆるくなることがあります。
その際には回数を減らして、一回に摂る量を減らしましょう。腸内の声に耳を傾ける事が大切です。
ダイエットには痩せ菌を増やす食べ物を摂ろう
たまにたくさん食べても全く太らない人を見かけますが、その人は「痩せ菌」の持ち主かもしれません。
「痩せ菌」とは、腸内細菌の中でも痩せやすい体質を作ってくれる菌のことです。具体的にどの様な食品に含まれているのか見ていきましょう。
ヨーグルトや乳酸菌飲料
ヨーグルトや乳酸菌飲料に含まれる乳酸菌には、内臓脂肪や皮下脂肪を減らすという効果があることがわかっています。腸内細菌を増やすためには1日200〜300gのヨーグルトを摂取すると良いそうです。
乳酸菌は酸に弱い性質をもっているため、空腹時は避け、食後など胃酸が薄まるタイミングがおすすめです。
一口にヨーグルトとは言え、種類がたくさんあるので自分に合ったタイプのものを見つけましょう。
参照:腸内細菌の驚愕のパワーとしくみ(辨野義己 著)
漬け物
日本の伝統食品であるぬか漬けやキムチ、ピクルス、メンマといった漬物にも乳酸菌が豊富に含まれているため、ダイエットには有効な痩せ菌が含まれます。
また、ドイツではソーセージの付け合せとしても定番のキャベツの漬物、ザワークラウトも効果的。
お漬物は食物繊維も同時に取れるというメリットがありますが、やはり塩分のとりすぎには気をつけましょう。
長野県、木曽地方に伝わる「すんき漬け」という漬物は食塩を使用していないためにオススメ。
水溶性食物繊維を含む食品
水溶性食物繊維を積極的に摂ることで痩せ菌を増やすことができます。
食物繊維はオリゴ糖同様、他の器官で消化されず、大腸まで直接届き、善玉菌の増殖を促します。便の量をかさ増しするため、便秘解消にも繋がります。
食物繊維はブロッコリーやごぼう、レンコンといった野菜や豆類、きのこ類や海藻類全般に多く含まれています。バナナやリンゴなどのフルーツにも含まれるため、食後に食べる習慣をつけましょう。さつまいもやヤマイモなどのイモ類の摂取も効果的。
食物繊維は現代ではほとんどの日本人で不足していると言われています。厚生労働省策定の食事摂取基準によると、30代40代の女性は一日20gを目安に摂取することが望ましいとされているため、積極的に摂りましょう。
レジスタントスターチ
ダイエットとしてレジスタントスターチが一気に注目を集めるようになりました。レジスタントスターチとは冷たい炭水化物に含まれる成分です。
炭水化物というとダイエットの天敵というイメージがありますが、レジスタントスターチは小腸であまり吸収されないまま大腸にまで届くために、便となって出ていきやすいのです。
また、レジスタントスターチを摂取することで、腸内では痩せ菌ともいわれる「クリステンラセネラセエ」を増やすことができます。
難しい名前ですが摂取のしかたは至って簡単。冷たいおにぎりやポテトサラダ、かぼちゃサラダなど、冷たい炭水化物を食べましょう。そうめんや冷やしたうどんなどもオススメです。
ただし、機能的だからといって、食べ過ぎてしまえばカロリーオーバーになるので注意が必要です。
参照:腸で酵素を作る習慣(高畑宗明 著)
腸内細菌を増やすために、避けた方がいい食べ物は?
さて、腸内細菌を増やすために食べるべきものを紹介してきましたが、逆に避けたほうがいい食べ物はあるのでしょうか。
腸内には、大腸菌やウェルシュ菌といった悪玉菌が存在します。これらを増殖させてしまう原因の一つとして赤身の肉など高タンパクな食品の摂取が挙げられます。
悪玉菌による腐敗を招き、便秘が悪化することもあるので取りすぎには注意が必要。とはいえ、週に一度ほどであれば問題はありません。
お肉が好きで我慢ができないという方は一度に食べるお肉の量を減らし、野菜を増やすなどの工夫をしましょう。
食べ物以外で腸内細菌を増やすには?
忙しい毎日の中で毎回の食事に気を使うというのはなかなか難しいことも多いでしょう。そんな時はサプリや整腸剤などを活用して、偏りがちな食生活をサポートしてもらうという手もあります。
腸内細菌はすぐには増やせません。無理のない範囲で習慣づける事が何よりも大切です。
善玉菌を増やすサプリメントについては、次の記事で詳しく紹介しています。選ぶ時の参考にしてください。
まとめ
腸内細菌を増やす食べ物をご紹介しました。今回紹介した食べ物には血糖値を下げる、ガン予防やアレルギーや免疫力アップに繋がるものなど、整腸作用以外にも私達の健康に役立つものばかりです。
健康をサポートしてくれる食品をうまく取り入れ、身体に良い食生活を身に着けましょう。
参照:腸内細菌の驚愕のパワーとしくみ(辨野義己 著)