3Aマグネシアの効果と副作用。妊婦や授乳中にも安心?
3Aマグネシアという便秘薬は、大腸を刺激しないタイプの便秘薬として人気があります。
比較的安全といわれていますが、腹痛や下痢などの副作用は無いのでしょうか?
妊婦さんや授乳婦さんが飲めるのかどうかについても解説していきます。
3Aマグネシアってどんな薬?
3Aマグネシアは大腸を刺激するタイプの便秘薬とは違ったタイプの便秘薬です。
どのような特長があるのか、他の便秘薬との違いについても知っておきましょう。
3Aマグネシアの特長
3Aマグネシアには、酸化マグネシウムという成分が入っています。便を柔らかくして出しやすくする効果があり、お腹が痛くなりにくいのが特長です。
また、比較的安全性が高いタイプの便秘薬なので、妊婦さんや授乳婦さんも使うことができます。
ただし、安全とはいっても正しく使用しないと思わぬ副作用が出ることもあるため、気をつけなければいけません。
他の便秘薬との違いは?
一般的に便秘薬というと、大腸を刺激するタイプの便秘薬のことを指すことが多いと思います。お腹が痛くなったり、下痢をしたりする不安があって、便秘薬を使いたくないという方も多いのではないでしょうか?
でも、3Aマグネシアの場合には、大腸を刺激することがないので、優しい排便を促してくれます。
また、妊娠中や授乳中には大腸刺激系の便秘薬(センナなど)はおすすめできませんが、3Aマグネシアの場合は服用することができます。
一方で、ひどい便秘で排便する力がおとろえているような場合やなんらかの病気が関係している場合には、効果が見られないこともあります。
下剤の方が効果的ということもあるので、適切に使い分けることが大切です。
どんな人におすすめ?
3Aマグネシアをおすすめしたい方を次にまとめてみます。
- お腹が痛くなる便秘薬は使いたくない
- 便がカチカチに硬くなって出しにくい
- 便秘を繰り返しやすい
- 切れ痔になりやすい
- 便秘薬を初めて使う
- 妊娠中または授乳中である
- なるべく安全なタイプを使いたい
一方で大腸を刺激しないタイプで効果が穏やかなので、即効性を期待する方にはあまりおすすめできません。
また便秘の重症度によっても効果に差が出ます。
自分にあっているかどうかよく考えてから使うようにしましょう。
3Aマグネシアの効果
3Aマグネシアは便秘薬の中でも特徴的なタイプのお薬です。
思っていた効果と違った!なんて事の無いように、どのような効果があるのか正しく理解してから使うようにしましょう。
効能効果を解説
3Aマグネシアの効能効果は次の通りです。
- 便秘
- 便秘に伴う次の症状の緩和:
頭重、のぼせ、肌あれ、吹出物、食欲不振、腹部膨満、腸内異常発酵、痔
見かけ上は他の便秘薬と同じような効果が出るように思えますが、実際の効果は異なります。成分と効果の違いを知っておきましょう。
酸化マグネシウムってどんな成分?
3Aマグネシアの成分は次の通りです。
1日最大量6錠あたり 酸化マグネシウム 2000mg
3Aマグネシアの主成分は「酸化マグネシウム」というお薬成分です。
簡単にいうと、水を保つ能力が高いマグネシウムのことです。
マグネシウムのお薬には「酸化マグネシウム」「水酸化マグネシウム」などがあります。
3Aに配合されている成分「活性酸化マグネシウム」という、水を引き込むちからが強い成分となっています。
腸に届いたマグネシウムは、腸からの水分を引っ張って、便に水を含ませてやわらかくします。
また、便のかさを増して出しやすくする作用もあります。結果として排便を促してくれる効果がもたらされます。
即効性はあるの?どれくらいの期間で効く?
効果が出るのには個人差がありますが、マグネシウムのお薬ではだいたい8時間〜10時間くらいで効果が出てきます。
飲んだ翌日にお通じがあるか、1日たっても効果が出ない場合もあります。
通常、朝ごはんを食べるとお腹が動いて排便が起こりやすくなるため、寝る前に飲むと翌朝には効果を実感できると思われます。
効果がない場合には、数日間続けてみると良いでしょう。
ダイエットには効果はあるの?
3Aをマグネシアをダイエット目的で飲もうとする方がいるようですが、ダイエットには効果は期待できません。便を出して体重がその分減ったとしても、やせたというわけではありません。
ただし、腸内環境を整えることは、痩せやすい体づくりに繋がるといえます。
便秘を解消して、腸内環境を改善することはダイエットに効果的だと思われます。食事や生活習慣を見直していくことも大切です。
3Aマグネシアの飲み方
3Aマグネシアはお通じの状態に合わせて調節できるお薬です。
ただし使い方を間違うと効果が強く出てしまうこともあります。正しく使ってちょうど良いお通じが得られるようにしましょう。
用法用量を解説
【用法及び用量】
- 大人(15歳以上):1回3~6錠
- 11歳以上15歳未満:1回2~4錠
- 7歳以上11歳未満:1回2~3錠
- 5歳以上7歳未満:1回1~2錠1日1回
牛乳やお茶などで飲むと効果が十分に発揮されないことがあるので、水かぬるま湯で飲みましょう。
最初は最少量からはじめて、便の状態を見ながら少しずつ増量または減量しましょう。5歳未満は服用できません。
どうやって調節すればいい?
大人(15歳以上)の場合、3錠から6錠まで増やすことができます。まずは3錠で始めてみて、次の日お通じがなければ同じ量または1,2錠程度増やしてみてもよいでしょう。
続けることでゆるくなりすぎる場合もあるため、お通じが柔らかすぎるようなら減らすか中止してください。
便秘がひどいからといって最初から最大量で飲むと、効果が強く出て下痢を起こしてしまうこともあります。まずは最少量から始めるようにしましょう。
3Aマグネシアの副作用は?
3Aマグネシアは比較的安全なタイプのお薬ですが副作用はあります。
また、一部の方においては飲むと重大な副作用が出る場合もあるので、よく理解してから飲むようにしましょう。
どんな副作用がでるの?
3Aマグネシアでは次のような副作用が出ることがあります。
もし、気になる症状がみられた場合には、早めに医師などに相談するようにしてください。
- 消化器:はげしい腹痛,吐き気・嘔吐
- 精神神経系:強い眠気,意識がうすれる
- 循環器:立ちくらみ,脈が遅くなる
- 呼吸器:息苦しい
- その他:筋力の低下,口のかわき
参照:3Aマグネシア添付文書
お腹は痛くなる?
3Aマグネシアは大腸を刺激しないタイプの便秘薬です。
そのため便秘薬でお腹が痛くなるのが嫌な方、痛くなりやすい方、飲むのがはじめての方でも使うことができます。
下痢になることはある?
便を柔らかくして出しやすくするお薬なので、便がゆるくなることがあります。
もし、ゆるすぎるようならば、量を減らすか一旦中止して様子を見るようにしてください。
下痢や軟便の症状に改善が見られないという場合は、医師に相談するようにしてください。
飲んではいけない人は?
次に当てはまる場合には、あらかじめ医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
- 医師の治療を受けている人
- 妊婦又は妊娠していると思われる人
- 高齢者
- はげしい腹痛、吐き気・嘔吐のある人
- 腎臓病の診断を受けた人
特に腎臓病がある人で酸化マグネシウムを飲んでいた方が、血液中のマグネシウムが高濃度になる「高マグネシウム血症」を起こしたという報告があります。
腎臓に問題がある方、高齢者の方は医師に相談してから服用するようにしてください。
妊婦や授乳婦は注意が必要
妊婦さんは便秘薬の服用は注意が必要です。
大腸と子宮は近い場所にあるため、便秘薬の種類と使用時期によっては早産や流産を起こすことがあります。
3Aマグネシアの場合は、妊娠中にも使うことができるお薬ですが、念のため主治医に確認しておくと安心です。
授乳中については特に制限が定められていませんので、飲むことは差し支えありません。
3Aマグネシアを続ける時の注意点
3Aマグネシアは便秘がよくならないといって、飲み続けても良いお薬なのでしょうか?
長く飲み続ける時に注意したいこと、便秘薬の副作用について解説します。
長く飲むのは危険?
3Aマグネシアはやめると再び便秘になってしまうことがあるので、飲み続けたいという方も多いと思います。
でも、漫然と効果がないのに飲み続けることはおすすめはできません。
1週間飲んでも効果が得られない場合には、なんらかの病気が隠れている可能性も考えられます。
早めに医師に相談した方が安心です。
もし効果が感じられている場合、マグネシウム製剤の場合は飲み続けても副作用が起こりにくいといわれています。
ただし、お薬だけに頼らないで、食事や生活の改善にも合わせて取り組むようにしましょう。
飲みつづけて効かなくなることはあるの?
一般的によく便秘薬は飲み続けると効かなくなる、クセになるといわれています。
それは主に大腸を刺激するタイプの便秘薬のことで、酸化マグネシウムの便秘薬は当てはまりません。
便秘薬の中でも、センナ、ダイオウ、アロエのような刺激成分を含むものは、長く使っていると効果が出なくなるので注意が必要です。
3Aマグネシアなどの刺激しない便秘薬をうまく活用すると良いでしょう。
3Aマグネシアのような優しいタイプのお薬だけでは排便が難しくなって、下剤に頼ってしまう場合もあるかと思います。
下剤を適切に使うこともときには必要ですが、副作用の心配があることから使いすぎはおすすめできません。
便秘薬の副作用についてもっと知りたい方、大腸刺激系の下剤も使いたいという方は次の記事も参考にしてみてください。