腸と肌荒れの深い関係 – 腸内環境の改善で肌荒れが治る?


毎日のスキンケアをしっかりやっても治らない肌荒れ。皮膚科に行っても、改善しないという人も多いようです。

もしかすると、その肌荒れの本当の原因は腸にあるかもしれません。

注意を促す女性

肌荒れの原因に「腸内環境の悪化!?」

あなたは、便秘の時に肌が荒れた経験はありませんか?

便秘の時に肌が荒れてしまう理由は、腸内に溜まった便から毒素が発生する事にあります。その仕組みをご説明しましょう。

便秘時の肌荒れの仕組み

溜まった便から毒素が発生

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腸が毒素を吸収

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血液に毒素が入り込む

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血流を通じて全身へ

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毛穴から、排泄される

毒素の量が少なければ、肌細胞の働きにより汗と一緒に洗い流されます。しかし、毒素が多ければ、その働きも追いつきません。

「私は便秘じゃないから大丈夫」と思った人がいるかもしれませんね。実はこれ、便秘じゃなくても起こることがあります

食べ物や飲み物には、微量の有害物質や発ガン性物質が含まれます。この有害物質も、毒素と同じように、肌荒れの原因となるのです。

これらを腸から排泄するには、腸内に住む微生物の力を借りなければいけません。いわゆる善玉菌の力を借りなければ、腸の力だけでは排泄できないのです。

ところが、腸内環境が悪ければ、この善玉菌の数が減少し、逆に悪玉菌が増加するのです。実は、この悪玉菌。便秘じゃなくても有害物質や毒素を産み出すのです。

しかも、悪玉菌は皮膚がんを招くフェノール類を作ります。これは、皮膚の働きを阻害するやっかいな物質です。

通常、ほとんどの毒素や有害物質、発ガン性物質は、全身を巡った後、肝臓で処理され排泄されます。しかし、このフェノール類は肝臓よりも皮膚に蓄積してしまいます。

善玉菌の働きで肌の調子が整う?

腸内フローラ

肌に良い成分である、ビタミンB類・C・Kなどを生成するのは善玉菌です。

さらに、野菜や果物に含まれる食物繊維やミネラルの分解を行うのも善玉菌です。腸内環境が悪い人は、これらの良い影響が受けられません。

悪い腸内環境は肝臓にも影響を与える

肝臓の主な働きは、解毒代謝です。

解毒とは、血液の毒素や有害物質、微生物などを取り除く作用です。しかし、腸内環境の悪化によって、毒素などが肝臓の処理能力を超えてやってくると、肝臓が疲れてしまいます。

すると、もう1つの働きである「代謝」に影響が出てきます。代謝というのは、腸で吸収された栄養素をエネルギー、つまり使える形に変える作業です。

肌に必要な栄養素は、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン類などです。タンパク質・炭水化物・脂質の代謝を行うのは肝臓です。ですから、肝臓が疲れてしまうと、いくら肌にいい栄養素を摂取しても、効果が上がらないかもしれません。

また、脂肪やビタミン類の一部は、腸で吸収されます。その際、必要なのが胆汁酸です。胆汁酸は、肝臓から分泌されます。肝臓が疲れていると胆汁酸が分泌されず、吸収がうまくできなくなってしまいます。

悪い腸内環境を改善して、肌荒れを治すには

肌荒れの原因の中には、腸内環境を悪くする要因と重なるものがあります。それは、次の4つです。

  • 不規則な食生活
  • 睡眠不足
  • 運動不足
  • ストレス
これらは、悪い腸内環境を招く要因でもあります。したがって、この4つの改善は肌荒れ改善のために欠かせないものと考えられます。

一つづつ説明していきます。

食生活

食事をしている女性

肌に良いと言われる食事ばかりをしても、バランスが悪くなっては逆効果です。同じように、ダイエットで野菜ばかり食べる人もいます。これも、偏食です。
悪い腸内環境では、善玉菌が少なくなっているので、食物繊維がなかなか分解されません。これでは腸に負担をかけてしまいます。

脂っこい食事やスナック菓子、ファストフードなどは、腸内環境を悪化させ、悪玉菌にえさをあげているようなものです。食生活について簡単に言うなら、脂っこい食事をなるべく控え、あとはバランスよく食べることが大事です

睡眠不足

睡眠不足は、肌に必要な成長ホルモンの不足を招きます。成長ホルモンは、代謝を促進する物質です。炭水化物・タンパク質・脂質の代謝を促進します。ですから、適度な睡眠は肝臓を助けることにもなります。

また、睡眠不足は、自律神経と呼ばれる神経系を著しく乱します。

実は、腸の排泄運動のコントロールを行っているのは、この自律神経です。ですから、これが乱れると腸がうまく排泄できなくなってしまうのです。結果的に、腸内に有害物質などが溜まりやすくなります。

運動不足

肌に栄養素を運ぶのは血液です。血液のスムーズな循環には運動が欠かせません。運動不足は筋肉量の低下を招きます。筋肉は、血流を補助する働きを持ちます。

また、腸を支える筋肉も弱まり、腸の運動量が落ちてしまいます。腸の周りの筋肉が弱まると、排泄運動に支障が出ます。これにより、腸内環境の悪化に繋がってしまいます。

運動不足を招かないようにするためにも、簡単な運動を毎日行うことが大切です。難しいことやきついことをする必要はありません。1日数十分のウォーキングやストレッチを続けるだけでも十分効果的です。

ストレス

ストレスによって血流が乱れると、栄養素がうまく供給されません。血流のコントロールをしているのは自律神経です。自律神経は腸の運動も管理しているとお伝えしました。これが乱れると、血流も腸の運動も乱れてしまいます。

なんとかしたいストレスですが、これといった発散方法がないという人が多いのではないでしょうか?

私はストレスが溜まった時に、ヨガやストレッチをします。運動不足の解消にもなりますのでとてもおすすめです。

悪い腸内環境を「早く」改善したい!

腸内環境を改善するには、腸内の善玉菌を増やすことが大切です。ヨーグルトには善玉菌である乳酸菌が入っています。ですから、善玉菌を直接摂ることになりますね。

ただし、普通のヨーグルトの場合、牛乳由来の動物性の善玉菌(乳酸菌)が入っています。しかし、この善玉菌のほとんどは、腸までたどり着くことができません。腸にたどり着く前に、胃の中で死んでしまうのです。

ヨーグルトを良く見ると、植物性と書いたものがあります。これは、植物由来の善玉菌が入っているのです。

植物性の善玉菌は、抵抗力が強く、腸までたどり着きやすい特徴を持っています。ですから、植物性の善玉菌の入ったヨーグルトを食べた方が、より早く善玉菌が増えるでしょう。