宿便ってどんなもの?色や形による健康な便の見分け方


宿便が体に残っていると、体によくないと聞いたことがありますか?

そこで、今回は宿便はどんなものなのか、そして後半では健康な便の色や形など、見分け方についても紹介していきますので参考にしてください。

注意を促す女性

宿便ってどんなもの?

宿便と聞くと、腸にこびりついた便、長い時間腸にたまった便などを想像されると思います。

しかし、いろいろな文献を読むと、宿便は医学用語ではない、宿便という言葉は存在しないという意見も聞きます。ここでは、宿便はどんなものを指しているのか説明していきます。

宿便って本当にあるの?

宿便とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

よく健康食品の広告で、「腸には長期間たまっている便が存在する」「宿便がたまっていると体によくない」というものが書かれています。

その中にある宿便の説明では、「腸壁のひだに便がこびりついている」というように説明されています。

実は、腸壁の細胞は新陳代謝のサイクルが短く、わずか数日で生まれ変わります。だから、その腸壁に便がたまるということはまずありません。結論をいうと、宿便とは存在しないものと考えられています。

参照:便秘を治す腸活テクニック 著者:瓜田純久

宿便と便は同じものという考えも

それでは、今まで宿便といわれていたものは、何を指しているのでしょうか。医学事典を見ると、宿便と便秘は同義語というように書かれています。つまり宿便とは、腸にこびりついた便ではなく便秘と同じように腸にたまった便を指しているということです。

参照:お腹の張りをとれば腸は年をとらない 著者:松生恒夫

便がたまると体にどんな影響を及ぼすの?

便秘

肩こりや腰痛になる

自律神経のバランスが乱れると、便秘になりやすくなります。便秘になると、血液の循環が悪くなり、全身の血流も悪くなります。便秘をそのままの状態で放置していると、筋肉のコリが出やすくなり、肩こりや腰痛を起こします。

切れ痔になる

便秘になると便の水分が減り、固くなります。固い便を出そうとすると、肛門の表皮を傷つける原因にもなります。直腸と肛門の境目にある歯伏線(しじょうせん)は、とても傷つきやすい場所なので特に注意が必要です。

ひどい生理痛を起こすことがある

女性であれば、生理痛は誰でも普通にあると思う方もいるかもしれません。実は、生理痛が起こるのは何か原因があるからなのです。

その中の一つの原因が、便秘です。便秘で腸が重くなると、腸は体の下にずれてしまいます。子宮は腸の下にあるので、腸がずれると子宮に影響をおよぼし生理痛を起こしてしまいます。

便秘になると風邪をひきやすくなる

腸の状態が悪くなると、免疫力が弱くなり細菌やウイルスに感染しやすくなります。その細菌やウイルスが体に入ることで、風邪をがひきやすくなるのです。

腸の健康は、体全体に影響を及ぼすので、単に便がでないということだけではないということを知っておきましょう。

断食をすると宿便が出るって本当?

宿便とは、医学的には存在しないということを説明しました。

よく断食をすると、何も食べていないのに、毎日便が出たという話も聞かれます。これは宿便ではなく、腸の中にある粘膜細胞や腸管で利用された脂肪の老廃物などが出たということです。

断食をすると宿便が出るというのではなく、こういった通常の便とは別のものが排出されているのです。

宿便を出すと体がリセットされるという話もありますが、これは腸をリセットする効果はあります。宿便という物は存在しませんが、腸にたまっている便は排出させることはできます。

ただし、素人が自己流で断食をおこなうのは危険です。食事をしないと、逆に便が排出されにくくなることもありますので、あまりおすすめできる方法とはいえないでしょう。

参照:便秘を治す腸活テクニック 著者:瓜田純久

便がたまる原因

便秘にはいくつか種類があり、それぞれ原因が異なります。

直腸性便秘

便意が、起こっても我慢するということを繰り返すことが原因で起こる便秘。

けいれん性便秘

ストレスや睡眠不足などが原因で、大腸がけいれんして便を排出しなくなる便秘。

弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)

便秘になるたびに、下剤を使うことにより大腸が反応しなくなってしまう便秘。

参照:IBS(過敏性腸症候群)を治す本 著者:水上 健

便が溜まるのを予防する方法

便が溜まるのを防ぐ、予防する方法をまとめてみました。

ビフィズス菌や乳酸菌が入っているものを摂る

ビフィズス菌や乳酸菌が入っているものには、ヨーグルト・チーズ・納豆などがあげられます。これらを食べると腸の中に乳酸菌が増えて、腸内環境がよくなります。便秘を解消するためにも、日頃からこのようなものを毎日食べておきましょう。

乳酸菌と便秘の関係について詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。

食物繊維を食べる

食物繊維は、ビフィズス菌や乳酸菌のえさとなるものです。普段から一緒に食べておくと、腸の中で善玉菌が増えていきます。さらに、大腸内の掃除をする働きもあります。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、1:1くらいの比率で意識して食べるとよいでしょう。

オリゴ糖を食べる

オリゴ糖は、大腸でビフィズス菌を生育させることができます。善玉菌を増やすことができるので、腸内環境をよくすることができます。

オリゴ糖は食べ過ぎてしまうと下痢になるので、便秘だからといって大量に食べるのはやめておきましょう。

参照:おとなの快腸生活

便の色や形にはどんな意味がある?

疑問を感じる女性

毎日便の色や形を記録しておくだけで、腸内環境がよいかどうか判断することができます。
具体的に便の色や形にどのような意味があるのか紹介していきます。

黒褐色でコロコロと石のような便

大腸の中にたまっている時間が長く、水分が半分くらいしかない便。とても排便しにくい状態なので、残便感も強く感じることがあります。

黒くて褐色の細長い便

やわらかくて、細長い便。悪玉菌が多く食事が少ない人に多く、高齢の人や若い女性に多い。残便感も強く残ります。

健康な便

茶色で便座に座った途端いっきに出る便。バナナのような便が2・3本出るのが理想です。スッキリ感を感じることができます。

茶色で少し形が残っているドロドロしている便

水分が多く、形にならない便。お腹が痛くなってトイレにいくと、便は水の中で溶けます。原因は、冷えや消化不良です。

水のようなびちゃびちゃの便

過敏性腸症候群の下痢症状で起こりやすい便。腸の中にいる時間がとても短く、びちゃびちゃの水のような便が出ます。消化しなかった固形物も、混ざることがあり臭いはきつい場合が多いです。

団子と泥状の便が混ざっている状態

便秘と下痢が交互に起こっている便。排便する時間もバラバラで、残便感も強くでます。

参照:毎日快便!腸内の毒を出し、善玉菌を増やす101のワザ

どんな便が理想?

よい便とは3つの条件があげられます。

1. 便を出したあとにスッキリ感がある

便を出したあとに、残便感を感じることがない状態です。出し切ったすっきり感があるのが理想です。

2. 便がするっと簡単に出る

便が出るまで時間がかかることがなく、するっと出るのが健康な便です。

3. 強い臭いがしない

便は臭いがするものだと考えられていますが、腸内環境が整っていると便はそれほど強い臭いがすることはありません。

参照:おとなの快腸生活

自分の便のタイプを把握して、普段の生活から解消しよう

宿便とは、便秘と同義語だということがわかりました。腸をリセットするには、断食という方法もありますが、自己流でするのはとても危険です。まずは自分の便がどのような状態なのか確認し、普段の生活で解消することから始めてみましょう。

腸内環境を良くする方法について、詳しくはこちらの記事でも紹介しています。