おならが臭いのはなぜ?おならを減らして臭いを改善する方法


「最近いつもよりおならが良く出る」「おならが臭くて外に出しずらい」ということはありませんか?それはもしかすると、食事内容だけではなく「老化」も原因のひとつかもしれません。

今回は、なぜおならの臭いが強いのか?また、おならの回数を減らして臭いを改善する方法を紹介します。

疑問を感じる女性

おならが臭くなる理由

おならは、すべてが臭いという訳ではありません。いくつかの理由が重なることで、匂いが強くなります。

ガスは「腸内細菌」が死ぬ時に出るものですが、善玉菌と悪玉菌、それぞれの出すガスで臭いが違います。善玉菌は臭くなることがなく、悪玉菌は悪臭を出します。腸内環境が乱れていると、悪玉菌が増えてしまい、おならが臭くなるのです。

それでは、悪玉菌が増えてしまう、3つの主な原因についても紹介します。

生活習慣の乱れ

ひとつめは、生活習慣の乱れです。朝起きる時間や、夜寝る時間が不規則であったり、朝昼晩の食事の時間がバラバラ。または、暴飲暴食や、油っこい食事が増えてしまうと、腸内環境は乱れ、悪玉菌の割合が増えてしまいます。

自律神経の乱れ

ふたつめは、自律神経の乱れです。自律神経は、交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。

例えば、旅行に行くと便秘になりやすい人がいます。これは、興奮をすると交感神経が優位に働くせいだと考えられます。旅行中は、意識していなくても初めの場所を訪れることで、いつもよりも興奮してしまいます。そのため、リラックスする時に優位になる副交感神経の働きが低下してしまいます。

副交感神経は、胃腸の動きを司っています。交感神経が常に優位に働いていると、腸の動きが悪くなり、おならの臭いも臭くなります。

加齢

3つ目の理由は、年齢です。年齢を重ねるごとに、腸内の善玉菌の数は減少していきます。特に40歳を過ぎると、腸の動きは悪くなり、悪玉菌が増えていきます。

副交感神経の働きも下がってくるので、さらに腸の動きが悪くなります。40歳を過ぎたら、生活習慣には十分に注意する必要があります。

参照:腸の大掃除でやせる!超健康になる!

おならが臭くなる原因は悪玉菌

ここまで、おならが臭くなる理由を3つあげました。すべてに共通する原因は、やはり悪玉菌です。

おならの主な成分は、窒素、水素、二酸化炭素です。これらの成分は、基本的には臭いはありません。

それでは、なぜおならが臭くなるのでしょうか?おならが臭いのは、硫化水素やアンモニア、インドール、スカトールという成分が原因です。これらの成分が増えてしまうのは、腸の中で悪玉菌が増えているからです。

【おならが臭くなる原因となる成分】

  • 硫化水素
  • アンモニア
  • インドール
  • スカトール
特に、タンパク質を含んでいる肉や魚をたくさん食べると、臭いの原因が大量に発生します。他にも、便秘が原因でお腹の中に腐敗物がたまり、悪玉菌が増えてしまうことも考えられます。

参照:ウンチのうんちく (左巻建男 著)

おならが臭くなる病気

医者に相談する女性

便秘になると、おならが臭くなることがあります。重大な病気が隠れていることもあります。おならが臭いと思ったら、生活習慣などを改善しそれでも治らない時は、病院で相談した方がいいでしょう。おならが臭くなる病気を紹介します。

大腸がん

肉を普段からよく食べる人は、大腸がんになる可能性が高いといわれています。便秘と大腸がんの関係については、まだはっきりとしたことはわかっていません。しかし、便がたまりやすい場所にがんはできやすいので、便秘が頻繁に起こる人は注意する必要があります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、便秘と下痢を繰り返します。過敏性腸症候群の方は、ゲップやおならが多いと悩んでいる方もいます。特に便秘がひどくなると、おならが臭くなりやすくなります。この病気の方は、呑気症と合併する方が多く、さらにガスがたまりやすくなります。

呑気症(どんきしょう)

呑気症は早食い、大食いの人に多く、呼吸や歯のかみ合わせも関係しています。呑気症は空気を吸うのではなく、食事と一緒に空気を飲み込んでしまうことが原因です。大量に空気を飲み込んでしまうので、お腹の中にガスがたまりやすくなり、頻繁におならが出てしまいます。

参照:IBS(過敏性腸症候群)を治す本(水上健 著)

おならの臭いの解消法

おならの臭いが強いので、おならを我慢してしまうということがないように、おならの臭いを解消する方法を紹介します。おならをできるだけ少なくし、悪玉菌を減らす方法を実践していきましょう。

おならをためない方法

おならがお腹にたまっていると、張りや臭いが強くなってしまいます。外出先ではなかなかおならを出せる場所がないので、おならを我慢することも多くお腹に痛みがでたり、食欲がなくなってしまうこともあります。おならをためないようにするために、普段から気を付けておくと良いことを紹介します。

1. ビールや炭酸が含まれている飲み物を控えるようにする

ビールや炭酸に含まれているガスは、お腹の中で空気と混じりやすく、お腹の中にガスがたまる原因になります。

2. 大食いや早食いをやめて、ゆっくり食べるようにする

大食いや早食いは、空気を一緒に飲み込んでしまうので、お腹の中にガスが溜まりやすくなります。食事をする時は、しっかりとよく噛むことが大切です。

3. 善玉菌を増やすには、乳酸菌や食物繊維を意識してとるようにする

腸内環境を良くし、善玉菌を増やすには乳酸菌が効果があります。食物繊維は、善玉菌のエサとなるので積極的に摂取しておきましょう。

4. 何も食べない時間を8時間つくる

お腹にガスがたまった時は、1日1回8時間なにも食べない時間をつくるとよいでしょう。腸の中に余分なものを残さないようにすると、腸の動きがよくなり、便を排出しやすくなります。

5. 便秘の時は食物繊維の量に注意する

腸内環境をよくするには、食物繊維は必要ですが便秘の時にたくさん摂ってしまうと逆に便秘がひどくなることがあります。便秘も、お腹の中にガスがたまる原因になるので注意しましょう。

参照:よくわかる便秘と腸の基本のしくみ(坂井正宙 著)

40代以降の冷え性の方は要注意

40歳を過ぎると、腸の動きが低下するので、ガスがたまり便秘にもなりやすくなります。腸の動きが低下すると、全身に影響が表れ、腸の中にある老廃物が血管の中から全身 に広がります。少しでも腸の動きを活発にするには、体の冷えに注意しておく必要があります。

冷え性によりお腹が冷えてしまうと、交感神経が緊張し腸の動きを抑えるので便秘になりやすく、おならも臭くなります。冷え性を改善するには、温かいものを食べたり飲んだりするだけでは解決できません。体を温めるショウガやシナモンが含まれているものを、積極的に摂るようにこころがけましょう。

参照:オレンジページ おとなの健康

和食を中心とした食事と時間

和食には、発酵食品が含まれているものが多くあり、みそ汁や漬物といった食事は腸内環 境を整え、ガスがお腹の中に溜まりにくくなります。しかし、どれだけ和食を中心とした 食事にしていても、時間が不規則だったり、朝食を抜いているようでは腸内環境はなかなか整えることができません。特に、朝食をとると腸を刺激することができ、排便を促すことができるのでしっかりと食べておきたいものです。

朝食以外にも、食事を摂る時間は大切です。規則的に食事を摂ることで、体の中の体内時計が正常に働き腸の動きも活発になります。

発酵食品

おならが臭くならない発酵食品の摂り方

腸内環境をよくするには、毎日の食事で発酵食品をとる必要があります。発酵食品にはどのようなものがあるのか知っているでしょうか?まずは、身近にある食品でどのようなものがあるのか知っておきましょう。

発酵食品には、みそ、しょうゆなどの麹カビや、チーズ、ヨーグルトなどの乳酸菌により 作られたものなど多数あります。みそやしょうゆは、普段から何気なくとっているという方も多いですが、意識して毎日摂ることをおすすめします。

食材はそのままの状態より、発酵させることによりうまみが出て栄養状態もよくなります。発酵食品の中でも特に、みそやしょうゆは腸内環境を改善させる効果があり、アンチエイジングや血圧の上昇を抑える効果も期待できます。

腸内環境がよくなる乳酸菌の摂り方

腸内環境をよくするには、善玉菌を増やす乳酸菌を積極的に摂るとよいでしょう。乳酸菌は、元々お腹の中にいるのですが、さらに善玉菌を増やすためにも乳酸菌を意識して摂取していくといいでしょう。

乳酸菌にはたくさんの種類があり、特徴や効果が違います。例えば、大腸に棲んでいるビフィズス菌は腸の動きをよくし、便秘や下痢を改善します。小腸に棲んでいるラクトバチルス菌は免疫力をあげて、アレルギーなどを抑える効果があります。

お腹のガスを解消させる運動のポイント

お腹のガスを解消するには、食事だけではなく、日ごろの軽い運動も効果が期待できます。腸内環境を整える運動のポイントを知って、毎日の生活で実践していきましょう。

1. ウォーキングをする

おならの元となる便秘を解消させるには、お腹の筋肉を鍛えることも大切です。筋肉がつくと腸から便を出す力も強くなります。腹式呼吸も効果があるので、意識してやっておきましょう。体に負担のかかりにくい有酸素運動は、血行がよくなり、体を温めることもできます。特に冷え性が気になる方にはおすすめです。

2. 激しい運動は避ける

運動といえば、激しい筋トレやマラソンを思いつく方もいるかもしれませんが、腸には逆効果のことがあります。激しい運動をすると、筋肉や心臓に血液がいくので、腸に必要とされる血液量が少なくなってしまいます。体に負荷がかかると、腸の動きが逆に低下することもありますので、適度にしておくようにしましょう。

3. 運動の後の食事も大切

運動をした後は、腸の細胞を傷つけたり、炎症が起こりやすくなります。腸内環境を守るには、簡単にとれるヨーグルトや納豆、漬物など乳酸菌をとっておくとよいでしょう。

参照:腸で酵素をつくる習慣(高畑宗明 著)

悪玉菌を解消して、おならの臭いを解消させる生活習慣が大切

おならが臭くなるのは、生活習慣や食事、そして年齢の可能性もあるということがわかりました。生活習慣や食事を変えることで、おならの量が減り、臭いも臭くなくなります。年齢によるものも考えられますが、食事内容を改善するだけで、腸内環境を改善することができる場合もあります。

今までおならの臭いが気になって我慢していた方は、腸内環境の悪化は全身に影響するので、少しずつ食事や生活習慣、運動などを始めて改善していきましょう。