乳酸菌にはどんな効果がある?実感できる腸が喜ぶ摂り方は


乳酸菌は、腸内環境を改善するためにとても効果的なものです。

腸は消化を行うだけでなく、免疫機能にも深く関わりのある器官です。免疫力が低下すれば、当然ながら様々な病気を引き起こします。それに、腸の活動が低下すれば、便秘や肌荒れだけでなく頭痛やむくみなど、全身症状にも発展することがわかっています。

今回は、腸内環境をよくするといわれている乳酸菌について、なぜ効果があるのか?どのように摂取すると効果的なのか?また、摂取すると良い食べ物やヨーグルトの種類など、詳しく紹介していきます。

疑問を感じる女性

乳酸菌は腸内環境の改善に効果がある?

乳酸菌が腸内環境を改善するというのは、よく聞かれます。しかし、どのように乳酸菌が腸に届くのかということを知っていますか?

多くの方は、ヨーグルトに乳酸菌が含まれているということは知っていると思います。乳酸菌は、ヨーグルトの他に納豆や味噌、しょうゆにも含まれています。

実は、これらの食べ物を食べるだけでは腸内環境は改善されません。なぜならば、乳酸菌は口から腸に届くまでに、胃酸でほとんど死んでしまうからです。

さらに、大腸には元からある腸内細菌がすでに住んでおり、入り込むすきもありません。

しかし、一部の取り込んだ微生物は、少しの量でも数日で大腸に到着し、善玉菌が生息しやすい環境を作り出します。大腸に届くまでに死んでしまった死骸も、免疫細胞を刺激して腸管の免疫を助けます。そのおかげで腸内環境が整い、便秘などのお腹の不調の解消に貢献することができるのです。

参照:よくわかる便秘と腸の基本としくみ 坂井 正宙(著)

乳酸菌はなぜ便秘や下痢に効果的なの?

どれだけ元気な人であっても、年齢と共に腸も老化していきます。腸の機能は、20歳を過ぎた頃から少しずつ衰えていき、善玉菌が減ったり、腸の動きも鈍くなります。

腸内環境が悪くなると、便やガスがたまりやすくなり、色々な不調が起こります。さらに、悪玉菌がどんどん増え、病気になりやすくなります。

このような状態をそのまま放っておくと、便秘がひどくなり、大腸がんを引き起こす可能性さえあります。

健康であれば、腸は善玉菌(乳酸菌)が多く、酸性になります。しかし、悪玉菌が増えてしまうと腸内環境が悪くなり、さらに悪玉菌が増えアルカリ性になってしまいます。

  • 健康な腸 = 善玉菌(乳酸菌)が多く、酸性
  • 不健康な腸内環境 =悪玉菌が多く、アルカリ性

アルカリ性になると、腸内は腐敗物がたまり、便秘になりやすくなります。

人の腸にはもともと善玉菌が2割、悪玉菌が1割存在しており、残りの7割は日和見菌(ひよりみきん)といわれる菌です。

腸内環境の理想的なバランスは2:1:7

日和見菌は、そのままでは何も害がないのですが、善玉菌が増えると善玉菌に、悪玉菌が増えると悪玉菌に変化します。日和見菌が悪玉菌にならないようにするためには、善玉菌である乳酸菌を補うことが必要になっていきます。

結果として、乳酸菌が腸内環境を良くすることで、 便秘や下痢を解消していくのです。

乳酸菌にはどんな効果があるの?

乳酸菌は、健康を維持するのにいろいろなうれしい効果が期待できます。具体的に、どのような効果があるのか確認していきましょう。

乳酸菌の種類は、350種類以上あるといわれています。どこに住んでいたか、腸のどこに届くか、どのような人に定着するかはそれぞれ違います。

乳酸菌は、すべての人に合うのではなく、乳製品が体に合わない人もいます。これを乳糖不耐症といって、乳成分に含まれている「乳糖」を分解する酵素を持たないため、乳製品を摂取すると下痢を引き起こします。

腸内環境は人によって違い、自分にあった菌をみつけることが大切だということが分かります。では、実際に乳酸菌を摂り続けるとどのような効果があるのか紹介します。

  • 血圧を下げる
  • 免疫力を高める
  • 花粉症や、アレルギー性皮膚炎の症状を抑える
  • 歯周病の予防や改善できる
  • 過敏性腸症候群を抑える
  • ストレスを改善
  • コレステロールや中性脂肪を抑える
  • ダイエットができる

この他にも、たくさんの効果が期待できます。

参照:腸で酵素をつくる習慣86

参照:おとなの快腸生活

乳酸菌が風邪やインフルエンザを予防するって本当?

腸内環境を良くするといわれている乳酸菌は、ヨーグルトをはじめいろいろな食品に含まれていることがわかっています。ですが、実は乳酸菌の全容はすべてわかっているわけではなく、まだまだどのような効果があるのか、研究されている段階です。

体の中にある免疫細胞の中でも、ウイルスに感染した細胞と戦ってくれるのが「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」と呼ばれるものです。このNK細胞が働くと、ウイルスに感染してもすぐに治ったり、感染症にかかっても症状を軽くすることができるのです。

このNK細胞を活発にさせるためには、乳酸菌が役に立つということがわかりました

以前は、乳酸菌をとることで便秘が改善されたり、ストレスがなくなるのでNK細胞が活発になると思われていました。しかし、最近では腸の免疫に乳酸菌が直接働き、NK細胞が活発になるということがわかったのです。

具体的には、R-1乳酸菌と呼ばれる種類の乳酸菌がNK細胞を活発にさせ、風邪をひきにくくさせたり、インフルエンザにかかりにくくなるということがわかっています。乳酸菌は、ただ便通をよくするだけではなく、体の中のNK細胞を強くすることでいろんな効果が期待できるのです。

参照:腸の大掃除でやせる!健康になる!

乳酸菌の種類ってどんなものがある?

乳酸菌が体によいとわかっていて、毎日ヨーグルトを食べている方は多いのではないでしょうか。

乳酸菌の中には、免疫細胞の一つでNK細胞の働きを良くするものや、炎症を抑えるもの、ストレスやアレルギーを軽くすることができるということがわかりました。
しかし、先ほども説明した通り、乳酸菌にはたくさんの菌の種類があり、人によって合う合わないがあります。

代表的な乳酸菌は、ビフィズス菌、乳酸かん菌(ラクトバチルス)、乳酸球菌(ラクトコカス)の3つにわけられます。

  • ビフィズス菌

大腸にすんでおり、便秘を予防し、ウイルスや病原菌を排出させることができます。

  • 乳酸かん菌(ラクトバチルス)

胃にすんでおり、ピロリ菌を抑制するものもあります。

  • 乳酸球菌(ラクトコカス)

コレステロールを下げ、免疫力を高めることができます。

この3つ以外にも、多くの種類があります。

どの乳酸菌がその人に合うのかは、1度食べたくらいでは分かりません。腸内環境はそんなにすぐには変わらないからです。

少なくとも1週間程度は続けて食べてみて、調子がよくなるかどうかを見極めてみる必要があります。この方法で、まずは自分にあう菌を見つけるといいでしょう。

今回は、よくお店で販売されているヨーグルトの種類を効果別に紹介します。

感染症予防

乳酸菌名 商品名 会社名
乳酸菌1073R-1株 明治プロビオヨーグルトR-1 明治
乳酸菌シロタ株 NEWヤクルト ヤクルト
ラブレ菌 カゴメ植物性乳酸菌ラブレブレーン カゴメ

ストレスを改善

乳酸菌名 商品名 会社名
プレミアガゼリ菌CP2305 届く強さの乳酸菌 アサヒ飲料

ダイエット

乳酸菌名 商品名 会社名
ガセリ菌SP株 恵megumiガセリ菌SP株ヨーグルト 雪印メグミルク
ビフィズス菌B-3 森永ビースリー 森永乳業

美肌

乳酸菌名 商品名 会社名
ビフィズス菌LKM512 増加型ビフィズス菌 LKM512ヨーグルト 協同乳業

胃がんのリスクを減らす・ピロリ菌対策

乳酸菌名 商品名 会社名
乳酸菌OLL2716株  明治プロビオヨーグルトLG21  明治

お腹を整える・便秘対策

乳酸菌名  商品名  会社名
ビフィズス菌BB536 ビヒダスプレーンヨーグルト 森永乳業
ビフィズス菌BY株v ミルミル ヤクルト
BB-12  小岩井 生乳100%ヨーグルト 小岩井乳業

アレルギー対策

乳酸菌名  商品名  会社名
L-92乳酸菌 守る働く乳酸菌 アサヒ飲料
L-55乳酸菌 たっぷり生乳ヨーグルト オハヨー乳業

参照:腸で酵素をつくる習慣84

参照:老けない体は腸で決まる!おとなの快腸生活

参照:あなたの知らない乳酸菌力

乳酸菌はどうやって摂っていけば効果的なの?

どのように乳酸菌を摂取したら良いか分からないという方には、乳酸菌のサプリメントもおすすめです。腸内環境に注目が集まる昨今では、様々な悩みに合わせた商品が販売されています。

乳酸菌をサプリメントで摂取することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 1粒で豊富な種類と量の乳酸菌が摂取でき、効果的。
  • カプセルなどでコーティングされているので、腸まで届きやすい。
  • 薬ではないので、安心して続けることができる。
  • 小さくて手軽なため、外出先でも簡単。毎日継続できる。

乳酸菌の効果は、継続して摂取しなければ全く意味がありません。

食事ではどうしても継続できなかった。食べてみたけれど、あまり効果を実感できなかったという方にも、乳酸菌のサプリメントはおすすめです。

サプリメントをどのように選べば良いか分からないという方のために、「乳酸菌のキモチ」編集部が、お悩み別に乳酸菌のサプリメントを徹底取材しています。
以下の特集記事を参考にされてみてください。

乳酸菌ってどんな物に入っているの?

乳酸菌はいろんな食べ物に含まれていますが、特に強い乳酸菌が含まれているものを摂取していくといいでしょう。

乳酸菌は、「動物由来」と「植物由来」にわけられ、それぞれ大きな違いがあります。

動物性乳酸菌は、動物の腸の中など栄養がたくさんある中に棲んでいます。植物性乳酸菌は、植物の茎や葉などにすんでおり、その植物からにじみでる分泌液を栄養としています。そのため、植物由来の乳酸菌は栄養源が少なくなってしまいます。このように過酷な環境で育った植物由来の乳酸菌は強い性質を持っているといわれています。

  • 動物性乳酸菌

チーズ・乳酸菌飲料

  • 植物性乳酸菌

漬け物・みそ・穀類

  • 腸管系乳酸菌

人の体に元からすんでいる

この3種類の中でも一番強いのが、植物性乳酸菌です。

発酵食品

他の乳酸菌に比べ、生きたまま腸に届きやすく、野菜でできたものが多く低カロリーで腸にやさしいのが特徴です。カロリーが気になる方も、安心して毎日食べることができます。

ぬか漬けは、洗い流さないということが大切です。ぬかに乳酸菌が含まれているので、そのままの状態で食べるようにしましょう。

納豆や味噌は、できるだけ毎日食べるようにしましょう。しかし、いくら乳酸菌の多い食事を摂っていても、同時に腸内環境を乱す肉類を食べると無駄になってしまうので、和食中心の食事に変え、肉類は控えるようにしましょう。

参照:腸内環境を整える食事法

参照:あなたの知らない乳酸菌力

乳酸菌とヨーグルト

ヨーグルト

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、できるだけ毎日摂っていきたいものです。しかし、その前に自分にあったヨーグルトを見つけることが大切です。

それから、ヨーグルトだけではなく、乳酸菌のエサになる成分を一緒にとることで腸内環境を活性化させることができます

ヨーグルトの選び方

乳酸菌が入ったヨーグルトはたくさんありますが、どれが自分に合うかというのは、一度使ってみないと分かりません。

一人一人持っている腸内環境は違うので、まずは1種類のヨーグルトを1週間毎日食べ続けましょう。そのヨーグルトが合っているかどうかは、便通や肌がきれいになったなどの効果で見極めることができます。逆に、調子が悪くなったり便秘がひどくなった場合は、そのヨーグルトは合っていない可能性があります。

ヨーグルトは薬ではないので、あまり深く考える必要はありません。即効性は期待できないですが、副作用もほとんどなく、乳酸菌を別にしても、体に良い効果が期待できます。

ヨーグルトを食べることで体質改善に繋がります。すぐに結果がでなくても、1週間、2週間と気長に効果が出るか期待しましょう。

摂る量は?

ヨーグルトを摂取する際の目安は、1日100gが良いでしょう。 市販されている、カップのヨーグルトはそれぐらいの量です。ヨーグルトはカロリーが高いものもあるので、脂肪分や砂糖が少ないものを選び、取り過ぎには注意しましょう。

いつ摂ればいい?

ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、腸の活動が活発化する、夕方以降に摂取するのがおすすめです。寝る前に食べても、効果が期待できます。寝ている間は、特に腸が活発に働くので、寝る1時間前ぐらいに食べるのがおすすめできます。

夕方に食べることが難しくても、毎日食べることが大切なので、朝なら朝食の時に食べると決めておき、できるだけ毎日同じ時間に食べるようにしましょう。

ヨーグルトと一緒に摂りたい食品

乳酸菌はヨーグルトに含まれていますが、さらに以下の食べ物を一緒に摂ることで、善玉菌を活性化させることができます。

  • 水溶性食物繊維

海藻類・納豆・オクラ・山芋

  • オリゴ糖

はちみつ・バナナ・豆類

  • 不溶性食物繊維

穀物・きのこ類・豆類

  • 発酵食品

ワイン・アンチョビ・ピクルス

参照:腸で酵素をつくる習慣88

参照:腸内フローラ健康法

乳酸菌は特に女性や高齢者におすすめ

便秘で悩んでいる人は、特に女性が多いという印象をもっている人も多いのではないでしょうか。それは、女性の方が男性に比べて腸が長く、排泄しにくいといった事情があるからです。

さらに、男性に比べて腹筋や横隔膜の力が弱いので、排出する力も弱くなってしまいます。また、高齢者の方は運動不足の方が多く、便秘に悩む人も多いようです。

女性や高齢者の方は、便秘を予防するためにも毎日ヨーグルトを食べる習慣をつけるとよいでしょう。

便秘で悩んでいない方も、ヨーグルトを食べると排便習慣が改善され、排便後もすっきりしたという方もいます。これまで乳酸菌に対して、便秘や下痢だけにいいと思われていた人も、乳酸菌をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。

腸内環境を改善したい方には、乳酸菌のサプリメントも効果的です。

乳酸菌サプリメントのメリット

  • 1粒で豊富な種類と量の乳酸菌が摂取できるため、効果的。
  • カプセルなどでコーティングされているので、腸まで届きやすい。
  • 薬ではないので、安心して続けることができる。
  • 小さくて手軽なため、外出先でも簡単。毎日継続できる。

乳酸菌の効果は、継続しなければ意味がありません。

これまで、ヨーグルトや食事では継続できなかった。実践してみたけれど、乳酸菌の効果を実感できなかったという人には、乳酸菌のサプリメントは特におすすめです。

「乳酸菌のキモチ」編集部が乳酸菌のサプリメントを徹底取材した、以下の特集記事も参考にしてみてください。