乳酸菌とビフィズス菌は結局どっちが大事?違いを徹底比較
「乳酸菌」と「ビフィズス菌」は腸の働きを根本的に良くしてくれる、善玉菌の代表的な存在です。
あなたは、「乳酸菌」と「ビフィズス菌」の違いを理解できていますか?便秘の解消や、お腹の張り、ガスだまりなどには、どちらの方が大事なのかも気になりませんか?
この記事を読めば、これら2つの菌の違いを理解し、便秘の解消や、お腹の不調の改善に役立てることができるはずです。
目次
善玉菌といえば、ビフィズス菌と乳酸菌
私たちの腸の中には、多くの腸内細菌が棲んでいます。その中でも、腸の調子を整える作用、免疫を高める作用など、体に良い働き持っているのが善玉菌です。そして、「善玉菌」を代表する菌と言えば、乳酸菌とビフィズス菌の2つです。
どちらも腸の健康には欠かせない存在です。しかし、あなたは乳酸菌とビフィズス菌の違いを知っていますか?どちらも同じようなものだと思っている人も多いのではないでしょうか。
- ヨーグルトを食べているのに便秘が良くならない。
- 漫然と続く便秘を解消したい。
- 便秘や下痢を繰り返すのをなんとかしたい。
- お腹の張りやガスを根本的に改善したい。
まずは乳酸菌とビフィズス菌の違いを理解した後で、あなたに合った効果的な摂取方法を考えてみましょう。
ビフィズス菌と乳酸菌の違いを比較
ビフィズス菌と乳酸菌は似ているようで、作用や特徴が異なります。どのような違いがあるのか比較してみましょう。
ビフィズス菌は乳酸菌とは別のもの
まずは、少し難しく感じるかもしれませんが、分類の説明をします。乳酸菌とビフィズス菌は、生物学的に異なる分類の菌です。
ビフィズス菌は、専門的には「ビフィドバクテリウム」、乳酸菌は「ラクトバチルス(乳酸桿菌)」、「ラクトコッカス(乳酸球菌)」という分類に分けられます。
ここでは、2つの菌は、異なる種類の菌であり、人にとっての作用も異なるということを知っていただければ大丈夫です。
ただし、大きく分類するとビフィズス菌も乳酸菌の1種類であり、一般的にも乳酸菌の仲間として扱われることが多いようです。
ビフィズス菌・乳酸菌の違い
【表:乳酸菌とビフィズス菌の比較】
乳酸菌 | ビフィズス菌 | |
種類 | ラクトバチルス、ラクトコッカス | ビフィドバクテリウム |
腸内における割合 | 1%以下 | 10%(成人) |
生息場所 | 自然界全般(ヒト、食品) | ヒトや動物の腸内(大腸) |
主な生成物 | 乳酸 | 酢酸+乳酸 |
酸素の有無 | 酸素があっても生育できる | 酸素があると生育できない |
食事での摂取 | 発酵食品、果物、野菜など | 食品には本来、存在しない |
作用 | 整腸作用、免疫力アップ、抗アレルギー作用、抗肥満作用など | 便秘や下痢を防ぐ 免疫力アップ、潰瘍性大腸炎の緩和 など |
参照:腸内細菌の驚愕のパワーとしくみ(瓣野義己 著)
参照:「あなたの知らない乳酸菌力」(後藤利夫 著)
上の表について、少し補足説明をしておきます。
ビフィズス菌は大腸にしかいない?!
まず、乳酸菌とビフィズス菌の大きな違いについてです。それは「棲みつく環境の違い」です。
上の表にも示していますが、「乳酸菌」はヒトの体のあらゆる場所に棲み着いています。特に小腸には多く棲んでいます。
他にも、皮膚や粘膜など様々な場所に棲み着くことができるのが乳酸菌の特徴です。
それに対して、ビフィズス菌は腸の中でも大腸にしか棲むことができません。これは、ビフィズス菌が酸素を嫌うからです。大腸内には酸素が無いため、ビフィズス菌が棲むには格好の場所と言えます。
ビフィズス菌は大腸に棲み、便秘や下痢を防ぐ
腸内で圧倒的に多い「ビフィズス菌」
乳酸菌というと、便秘解消に役立つ菌というイメージがあります。しかし、乳酸菌とビフィズス菌で腸内での数が多いのは、圧倒的にビフィズス菌の方です。
腸内に棲んでいるビフィズス菌の数は、1〜10兆であるのに対して、乳酸菌はその100分の1程度にしか過ぎません。大腸だけでいえば、ビフィズス菌99.9%、乳酸菌0.1%というデータもあります。
便秘やお腹の張り、ガスなどの腸の不調を防ぐためには、ビフィズス菌を増やすことが大切だと言えるでしょう。
お腹の不調にはビフィズス菌が効果的!
また、後ほど詳しく説明しますが、ビフィズ菌の効果を実感する最も効果的な方法は、サプリメントでビフィズス菌を生きたまま取り込む方法です。
サプリメントであれば、整腸作用を実感するために必要な量のビフィズス菌を、手軽に摂取することができるからです。
以下の記事では、便秘やお腹の不調に悩む筆者が、実際に1ヶ月間ビフィズス菌のサプリメントを試した感想をまとめています。
殺菌力が強いのはビフィズス菌
乳酸菌とビフィズス菌は、どちらも食べ物に含まれる「糖類」をエサとして増殖します。糖類を取り込み、代謝して「酸」を作り出すことができます。
酸により腸内の酸性度が高くなると、悪玉菌は住みにくい環境となり、善玉菌が増えやすくなります。酸が作られると、悪さをする悪玉菌が生きにくくなり、乳酸菌やビフィズス菌が整腸作用を発揮できるというわけです。
ここで大事なのが、乳酸菌とビフィズス菌では、作り出せる「酸」に違いがあるということです。
乳酸菌は、名前の通り「乳酸」を作り出します。乳酸は殺菌力を発揮しますが、それほど強い作用ではありません。
それに対してビフィズス菌は乳酸だけでなく、「酢酸(さくさん)」も作り出すことができます。酢酸の方が、乳酸よりも酸性度が高く、悪い菌(悪玉菌)を殺す殺菌力が高いのです。
つまり、便秘やガスの原因となる悪玉菌が増えるのを防ぎ、より優れた整腸作用があるのは、乳酸菌よりもビフィズス菌の方なのです。
整腸作用、免疫アップなど効果の違いは?
乳酸菌とビフィズス菌は、どちらも「お腹に良い菌」として知られています。でも、便秘やガスを解消する作用だけではなく、他にも色々な機能があることがわかっています。
あなたに合った作用が期待できるのは、どちらの菌でしょうか?
- 免疫力を高める作用
- 花粉症予防アトピー性皮膚炎などの抗アレルギー作用
- 抗肥満作用(ダイエット)
- 免疫力を高める作用
- 抗アレルギー作用
- 潰瘍性大腸炎の症状緩和などの大腸に対する作用
- 過敏性腸症候群の症状改善
参照:あなたの知らない乳酸菌力(後藤利夫 著)
参照:PUBMED
ビフィズス菌は食品に存在しない!
ここまで、乳酸菌やビフィズス菌の作用、特徴をご紹介してきました。
ところで、乳酸菌もビフィズス菌も「ヨーグルトに入っている菌でしょ?」と思っている方が多いのではないでしょうか?確かに、「乳酸菌」はヨーグルトに含まれる菌です。
しかし、ビフィズス菌は、本来はヨーグルトには含れません。
市販されているビフィズス菌入りヨーグルトは、あえてビフィズス菌を加え、発酵させたものです。本来のヨーグルトは、乳酸菌の力で発酵させて作るものであり、ビフィズス菌を必要としません。
乳酸菌は、他にも、漬物、キムチ、ザワークラウトなど、発酵食品に含まれています。また、果物や野菜に含まれるものもあります。
それに対して、ビフィズス菌は酸素が嫌いなので、天然の食品中には含まれないことが特徴です。ビフィズス菌は、加工されたヨーグルト以外の食品では摂ることが難しいのです。また、十分な量をヨーグルトで得るには、かなりの量を毎日食べなければいけません。
ビフィズス菌摂取はサプリがおすすめ
でも、ビフィズス菌を摂取する方法は、他にもあります。それは、サプリメントでビフィズス菌を摂取するという方法です。サプリメントなら、ヨーグルトなどでも摂取できないビフィズス菌を、効率よく手軽に摂取することができます。
おすすめは、森永乳業の「ビヒダスBB536」というサプリメントです。「ビヒダスBB536」は、特に便秘やお腹の違和感、ガスなどに悩んでいる方におすすめです。
「機能性表示食品」の認可を取得しており、臨床的にもデータが示されているので、安心できる製品です。
ヨーグルトや食品では満足できなかったという方は、試してみると良いでしょう。結局、便秘解消には乳酸菌ビフィズス菌のどっち?
上でも説明したように、乳酸菌もビフィズス菌も、それぞれ異なる作用が期待できます。どちらも大事な善玉菌であり、欠かせない存在です。
それでもあえて、便秘やお腹の不調を解消するためには、結局どちらが大切なのでしょうか?
便秘解消を目指すならビフィズス菌!
結論から言うと、便秘解消にはビフィズス菌の方が直接的に働きます。
その理由は、大腸にはビフィズス菌の数が圧倒的に多く、大腸菌などの悪玉菌をやっつける殺菌力が高いからです。
悪玉菌が善玉菌よりも増えてしまうと、便秘や下痢などの原因になります。そこで、ビフィズス菌を増やすことが、腸の働きを健康に保つためには必要です。
ビフィズス菌を増やすには乳酸菌も必要
ここまで、ビフィズス菌のことばかり話してきました。しかし、ここは大切なポイントですが、乳酸菌も便秘解消には必要な存在です。
口から摂取した乳酸菌は、胃酸の影響でほとんどが死んでしまいます。それでも、死んでしまった乳酸菌にも意味があります。
死んだ乳酸菌はエサとなり、ビフィズス菌などの善玉菌が増えるのを助けてくれるのです。
また、乳酸菌にはビフィズス菌とは違う作用もたくさんあります。ビフィズス菌だけでなく、合わせて乳酸菌も摂取することが大切です。
便通を改善する菌株はどれ?
ビフィズス菌にも、種類がいくつかあります。便秘を解消するには、整腸効果が高いものや便通を整える作用がある菌を選ぶことがポイントです。
例えば、「ビフィズス菌 BB536株」という菌は、排便回数の増加などの効果が確認された菌です。こうしたタイプの菌は効果的で、おすすめです。
以下は、ビフィズス菌 BB536株を含むビフィズス菌のサプリメントを、実際に1ヶ月間試した感想をまとめています。
ビフィズス菌は年齢と共に減少してしまう!
ビフィズス菌を増やす必要があるというお話をしましたが、その理由として、ビフィズス菌は年を取ると共に減ってしまうという事実が関係しています。
赤ちゃんの時はビフィズス菌がいっぱい
私たちは、お母さんのお腹の中にいるときは無菌状態に保たれています。そして、生まれてからは様々な菌に晒されて、お腹の中の菌が増えてきます。
特に赤ちゃんの頃は、なんと腸内細菌の95%をビフィズス菌が占めています。
ビフィズス菌は加齢により減っていく
しかし、ビフィズス菌は年齢と共に減少し、成人になると10%、高齢者では5%というデータもあります。自然な現象ではありますが、高齢者に便秘ぎみの方が多いことと関係があるのかもしれません。
外から補うことが必要!
ビフィズス菌が減ってくる成人以降では、特に減りすぎないように気をつけなければいけません。一旦乱れてしまった腸内細菌のバランスを立て直すには、とても時間がかかるのです。
そして、繰り返しとなりますが、ビフィズス菌が減ってしまうと、悪玉菌が増えやすくなり、便秘やお腹の不調に陥りやすくなります。
お腹の調子が悪くて悩んでいるのなら、外からビフィズス菌を補うことです。簡単に始められるため、おすすめです。
ただし、外から摂ったビフィズス菌は簡単には腸に定着してくれません。そこで、次に紹介するような方法を取り入れ、効率よくビフィズス菌を増やしていくと、変化を実感しやすくなります。
効率よくビフィズス菌を増やす方法
ビフィズス菌はなんとなくヨーグルトを食べていれば増やせる…とは限りません。効率的に増やすには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
また、ビフィズス菌を摂取する際はサプリメントなどを活用して、効果のある菌を継続的にたくさん摂取するようにしましょう。
同時に、次の方法を取り入れ、腸の中でビフィズス菌を増やし便秘解消やお腹の不調を改善しましょう。
食物繊維を摂取する
ビフィズス菌や乳酸菌は食物繊維をエサとして増えることができます。食物繊維は、腸を刺激し、便のかさを増して排便しやすくする効果があるだけでなく、ビフィズス菌などの善玉菌を増やして整腸作用を高める効果もあるのです。
乳酸菌やビフィズス菌と合わせて、食物繊維を摂取することを意識してみましょう。
乳糖やオリゴ糖を摂取する
ビフィズス菌は乳糖を分解して酢酸を作ります。乳糖は母乳に多く含まれる糖類ですが、ヨーグルトにも含まれています。
また、オリゴ糖もビフィズス菌や乳酸菌のエサになります。玉ねぎ、ごぼうなどの野菜にも含まれますが、サプリメントやシロップタイプを活用しても良いでしょう。
市販の整腸剤を活用する
ビフィズス菌や乳酸菌を直接取り入れて増やすには、整腸剤を使う方法があります。整腸剤というのは、ビフィズス菌や乳酸菌を主成分とし、整腸目的やお腹のハリ、便秘、軟便などを改善するために使う薬です。市販でも簡単に買えるので活用してみると良いでしょう。
胃酸に負けないサプリメントで補うのがおすすめ
上の方でも説明しましたが、ビフィズス菌は酸素を嫌います。酸素に触れると死んでしまうのです。また、酸にも弱いため、胃酸によっても死んでしまう、ナーバスな菌です。口から入れても胃酸で死んでしまうので、ヨーグルトなどでしっかり摂取することが難しいのです。
しかし、最近では技術が発達して、腸まで生きて届くカプセルなど、工夫が施されたサプリメントが登場しています。
また、胃酸に強いタイプのビフィズス菌や乳酸菌を使っているものも販売されており、こうした製品を選ぶことがポイントです。
胃酸に負けないタイプのサプリメントを活用すれば、効率よく腸内にビフィズス菌を届けることができます。いままでヨーグルトではあまり変化がなかった人も、試してみる価値はあるでしょう。
ビフィズス菌サプリメントの中でも、「機能性表示食品」の認可を持っている「ビヒダスBB536」は、便秘に悩んでいる方におすすめです。胃酸に負けない、強いビフィズス菌が腸まで届きます。腸内環境を良好にし、腸の調子を整えてくれる作用が認められているサプリメントです。
また、以下の記事では「ビヒダスBB536」を、実際に1ヶ月間使用してみた感想を紹介しています。ただし、サプリメントは治療目的で服用するべきものではありません。あくまでも足りない成分を補うものとしてお役立て下さい。
便秘や下痢の症状に長く悩んでいる、気になるお腹の症状があるという方は、まずお医者さんに相談した方が安心です。
さいごに
ビフィズス菌と乳酸菌は善玉菌の代表であり、腸の働きを高めるためには、どちらも必要な存在です。特に、大腸の働きを良くしたいという方は、ビフィズス菌を味方につけると良いでしょう。
また、ビフィズス菌は年齢と共に減りがちなので、ヨーグルトだけでなく、整腸剤やサプリメントで外から補っていくことをおすすめします。