更年期を迎えると「便秘」になりやすい?!
更年期障害の症状と言えば、頭痛、のぼせやほてり、うつなどの神経症状を思い浮かべませんか?
でも、更年期障害の症状には、便秘もあるんです。
なぜ、更年期に便秘になりやすいのでしょうか?
その理由は、エストロゲンの減少による自律神経の乱れ。
更年期障害は自律神経の乱れが原因?!
まず、更年期障害についてご説明しますね。
閉経をはさんでその前後10年くらいを更年期と言いますね。40代半ばくらいのちょうどこの時期、女性ホルモンの一つエストロゲンの量が急激に減っていくんです。この急激な変化に体がついていかずに、様々な症状が出るのが更年期障害です。
更年期の不調の原因
エストロゲンの分泌をコントロールするのは脳の視床下部にある下垂体と呼ばれる部分ですが、45歳を過ぎるころから、いくら下垂体が「分泌」の指令を出しても、卵巣機能の衰えによってエストロゲンは出にくくなります。これを受けて、下垂体はさらに「分泌」を指令しますが、やはり分泌はされにくいまま・・・このために脳が混乱をきたします。視床下部は、からだの様々な機能を調整する自律神経もコントロールしているため、この混乱が自律神経にも伝わり、のぼせや冷えなど様々な不調が起きてしまうのです。
更年期障害の症状とは?!
- だるい・疲れやすい
- のぼせ・ほてり・発汗
- 手足の冷え・しびれ
- 関節の痛み・腰痛・肩こり
- 頭痛
- めまい・立ちくらみ
- 耳鳴り・動悸・息切れ
- 皮膚のかゆみ
- イライラ感
- うつ・不安感
- 不眠
では、便秘はどうでしょう?
自律神経が乱れると便秘になる?!
手足と違って、腸を動かそうと思って動かしている人はいませんよね?
腸を直接動かしているのは筋肉で、その筋肉をコントロールしているのは、自律神経です。
自律神経が腸をコントロールしている?!
自律神経は、自分の意思で動かすことのできない心臓や胃腸などの内臓をコントロールする神経。ですから、腸も自律神経にコントロールされていると言えますね。
- 体を緊張させる交感神経
- 体をリラックスさせる副交感神経
※排便は、副交感神経が優位になった時に行われています。
また、エストロゲンの減少が原因で起こる様々な症状がストレスになって、ますます交感神経が優位になります。そうすると、腸の働きが弱まって、さらに便秘がひどくなってしまうのです。
更年期に必要な便秘対策は?!
更年期の便秘と言っても、通常の便秘と同様の対策が有効でしょう。でも、更年期の便秘の症状は、何度も繰り返すことが多いようです。
すぐにできるのは、ストレスを減らし心の安定に努めること。毎日ゆったりとした気分で過ごすようにしましょう。
また、腸内環境を良好な状態に維持しておくのが効果的ですよ。
更年期の便秘対策に乳酸菌?!
腸内環境を良好な状態に維持しておくには、乳酸菌が有効です。
ここで、カゴメ株式会社が行った研究をご紹介しましょう。
便秘を含む更年期症状を自覚する45~55歳の女性13名に、生きたラブレ菌を製造時に100億個以上含むカプセルを、4週間毎日(1日1カプセル)摂取してもらい、摂取する前と後で排便回数と排便量がどう変化するかを調べました。
その結果、ラブレ菌の摂取によって排便回数も排便量も増えたんです。
ラブレ菌は、更年期の便秘に効果的なんですね。
更年期障害の症状改善にも乳酸菌?!
上の研究では、同時に行った更年期症状(腰や手足の冷え、肩こり・腰痛・節々の痛み)についても調べられていて、ラブレ菌の摂取によって症状の改善が見られました。
さらに、最近注目を集めているのが「エクオール」。
エクオールとは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が変化したもの。エストロゲンとよく似た働きをすると言われていて、更年期障害の症状を改善する効果が期待されているんです。
エクオールは、腸内細菌であるラクトコッカス20-92という乳酸菌によって作られます。でも、日本人では約50%、欧米人では約70%の人が、腸内にこの乳酸菌がいないと言われているんです。そういう人は大豆イソフラボンを摂取してもエクオールを作り出せません。
乳酸菌は、便秘の解消だけでなく、更年期障害の様々な症状改善にも効果があるんですね。