下腹部が張る!不快なポッコリお腹の原因と改善方法
待ちに待ったランチタイム!は嬉しいけれど、午後になると下腹がポッコリ。
洋服のウエスト部分がどんどん窮屈になってきて、しまいには仕事にも集中できない!なんて経験はありませんか?
この下腹部の張りを、医学的には「腹部膨満感(ふくぶほうまんかん)」と呼びます。この下腹部の張りには、様々な原因が考えられます。
下腹部がポッコリになる原因を探ってみましょう。
目次
「下腹部の張り」「お腹ポッコリ」の原因とは?
下腹部の張りには、痛みを伴うものや、痛みを伴わないものがあります。下腹部の張り、お腹ポッコリには、どんな原因が考えられるのでしょうか?
もしかすると、なにかの病気が隠れているサインかもしれません。自己判断は禁物です。我慢せず、早めに病院を受診しましょう。
便秘
下腹部の張りの原因と聞いて、まっ先に思いつくのは、便秘とお腹のガス溜まりではないでしょうか?便秘には大きく分けて、機能性便秘と器質性便秘の2種類に大別できます。
日本人に多く見られる症状は、弛緩性便秘(腸のぜんどう運動が弱くなることによって起こる便秘)といい、2種類のうちの機能性便秘に属します。
弛緩性便秘の予防には、なによりも規則正しい生活と食事のリズムが大事です。これらのリズムが整うことにより、自然と排便するタイミングが整ってくるのが理想です。安易に下剤などを服用するのはおすすめできません。朝食の後や夕方など、自分にとっての排便リズムを掴むことは、便秘解消の大きな一歩となります。
ですが、仕事や家事や育児など、忙しい毎日の中で生活習慣を見直すのはなかなか難しいですよね。
そこで、便秘に有効だと言われる、乳酸菌とビフィズス菌を取り入れることもおすすめです。
こちらの記事では、便秘には乳酸菌とビフィズス菌のどちらがおすすめなのかを、徹底検証しています。参考にしてくださいね。
腸内バランスの乱れ
便秘や下痢を繰り返すのであれば、腸内環境が乱れている可能性も考えられます。
腸内には実に、100兆個 ~ 1,000兆個の細菌がいると言われています。その腸内細菌は群れを作って生息しており、この群れのことを、「腸内フローラ」や「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」と呼びます。
腸内細菌は【善玉菌】【悪玉菌】【日和見菌】にの3つに分類されます。善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が理想のバランスだとされています。ですが、不規則な生活や食生活の乱れにより、悪玉菌が増えることがあります。
悪玉菌優勢の腸内では、身体にいろいろな不調が現れます。腸内でガスが溜まり、下腹部がポッコリ。便秘や下痢を繰り返す。免疫力の低下や、精神的な症状が現れる場合もあります。
腸内環境を整えるためには、毎日の適度な運動や、食べ物を見直す必要があります。
参照:よくわかる便秘と腸の基本としくみ(坂井正宙 著)
こちらの記事では、サプリメントで腸内環境を手軽に整える方法を紹介しています。
ストレス
腸は第二の脳と言われ、腸と脳は同じ神経から発生し、自律神経で相互に影響しあっています。このことを脳腸相関と呼びます。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。このうち、腸の働きを活発にするのは、副交感神経の働きによるものです。
ストレスや不規則な生活や疲労などで、自律神経が乱れることがあります。自律神経の乱れにより、交感神経が優位になり、副交感神経の働きが抑えられます。これがストレスによる便秘の原因です。
日頃から自分のストレス発散法を見つけておくことは、脳にも腸にもとても良い作用を及ぼします。さらには自分の生活リズムを整えることは、早めに異変に気づくきっかけにもなります。
参照:よくわかる便秘と腸の基本としくみ(坂井正宙 著)
その他の原因
冷たい飲み物や外からの冷気など、腸は刺激に敏感です。日頃から、常温やあたたかい飲み物や食べ物を摂取する。できるだけ薄着をしない。なども大切です。
また、「毎日、忙しくて運動する時間なんてない」と言う人は、会社帰りに1つ手前の駅で降りて歩く、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うなどしてみては?ウォーキングをすることで腸が動きやすくなり、同時に排便時に必要な腹筋や背筋を鍛えることができます。
参照:ひどい便秘の治し方(松生恒夫 監修)
お腹の張りに!簡単にできるマッサージや体操
自宅やオフィスで簡単にできる、マッサージや体操を紹介します。
寝る前10分の新習慣「寝転がってゴロゴロ体操」
また、腸内を刺激する運動の1つに「寝転がってゴロゴロする」という方法があります。
やり方は簡単。うつ伏せに寝て、腸を意識しながら5分程、ゴロゴロ転がるというシンプルなもの。外から直接、腸を刺激することで腸内のぜん動運動を促進させるというわけです。
さらに排便のときに使うのは、腹直筋というお腹部分を縦に走る筋肉です。この筋肉を鍛えることで、ふんばる力が増します。
腹筋運動は何度もする必要はありません。仰向けに寝て、上体を少し起こした状態を10秒程キープ。1日の中でこの動作を数回行えばOKです。
参照:ひどい便秘の治し方(松生恒夫 監修)
オフィスにいながら解消できる!便通を良くするマッサージ
腸の中でも特に便がつまりやすいのが、左下付近にあるS状結腸です。その下に直腸 → 肛門管と続き、便が排泄されます。このS状結腸と呼ばれる曲がり角での交通渋滞が原因で、排泄までに時間がかかるケースが多いようです。
便は腸内で長く留まれば留まるほど水分を奪われてしまいますから、ますます硬くなり、排便されにくくなります。
仕事中にさりげなく腸の左下を手で押してみてください。便がつまっていると感じたら、ゆっくり手で押してやるか、マッサージしてあげましょう。
また、両手を頭の上でクロスさせ、身体を左右に伸ばす「体側のばし」も効果的なストレッチ法の1つ。左右の手を腸の上下に置き、腸をグーッと押しながら腰を回してみてください。手を替えてもう一度…。腸の四隅に溜まった便を上からグイグイ押すイメージでやると効果的です。
トイレに立ったついでに、ぜひやってみてくださいね。食後すぐにマッサージするよりも2〜3時間経った頃の方が良いでしょう。
参照:腸をキレイにしたらたった3週間で体の不調がみるみる改善されて40年来の便秘にサヨナラできました!(参照:松本明子 著/小林弘幸 監修)
便秘のとき避けた方がよい食材とは?
便秘解消には食物繊維が効果を発揮します。ですが、摂り方に注意しないと、返って便秘がひどくなる可能性があります。
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があるのをご存知でしょうか。
水溶性食物繊維は、読んで字の如く水に溶ける食物繊維のこと。この水溶性食物繊維の代表格には、わかめ、もずく等の海草類や、納豆、コンニャクなどが挙げられます。
一方、不溶性食物繊維は、水に溶けません。ごぼうなどの根菜類をはじめ、きのこ類や玄米などで、水分を吸収して膨れるという特徴があります。
摂り過ぎるとかえって水分が不足し、便が硬くなってしまうことも。ちなみに便秘解消には、不溶性食物繊維の割合2に対し、水溶性食物繊維の目安は、その半分量とされています。
このため不溶性食物繊維を摂るときには、水分も一緒に摂る必要があります。ごぼう、レンコンなどの根菜類、または玄米ごはんなどを食べる場合には、水分もしっかり摂るようにしましょう。
便秘が解消できないときは、病気が潜んでいる危険性も…
「普段あまり便秘にならないのに、急に便秘になってしまって…」という人は注意が必要です。
下腹部が張る原因は便秘だけではありません。便秘を引き起こす主な原因に、大腸ガンやポリープ、過敏性腸症候群、腸炎、腸閉塞などもありまる。不安な症状がある時は、できるだけ早く受診することが重要です。
便秘には明確な定義がないため、きちんと検査をしなければ病名を確定することができません。長引いたり、いつもと違うと感じたら速やかに医師の診断を仰ぎましょう。
参照:ひどい便秘の治し方(松生恒夫 監修)
まとめ
下腹部の張りの原因は、便秘のことが多いです。とはいえ、病気が原因の可能性も。
一口に便秘と言っても、その原因は実に様々です。腸は規則正しい生活を好みますから、生活習慣が乱れると、それだけで腸への負担は大きくなります。
また、脳内にある神経伝達物質の1つ、セロトニンは腸内で生成されます。このことからも、腸と脳は繋がっていると考えられ、ストレスが原因で腸内のバランスが乱れるということも珍しくありません。
そんな繊細な腸ですから、忙しい毎日の中でリズムを崩すこともあるでしょう。ですが、「ああ、また便秘か」と軽く考えるのではなく、自分の生活習慣を見直すきっかけだと捉えてみてはいかがでしょうか。
また、中には病気が潜んでいる危険性もありますから、くれぐれも自己判断は慎重に。「いつもと違うな」「長引いているな」と感じたら、医師に相談してみましょう。