ファスコン整腸錠の効果と副作用、他の整腸剤との違いは?


ファスコン整腸錠プラスは、市販されている整腸剤の1つです。ファスコン整腸錠プラスは他の整腸剤と比べてどんな特徴があるのでしょうか?

便秘や下痢への効果、成分のはたらき、気になる副作用などについて解説します。

ファスコン整腸錠プラスってどんな薬?

整腸剤はいろいろな種類がありますが、ファスコン整腸錠はどんな薬なのでしょうか?
まずは、特長と成分のはたらきについて解説します。

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ファスコン整腸錠プラスの特長

ファスコン整腸錠は、正式には「ファスコン整腸錠プラス」という名前で、京都薬品ヘルスケアという会社から販売されています。
腸の調子を整えて、乱れた便通を改善してくれる医薬品の整腸剤です。

お腹の調子を整える代表的な生きた菌(納豆菌、乳酸菌、ビフィスズ菌)が配合されています。

また、整腸剤には乳酸菌のような菌だけを配合したタイプもありますが、ファスコン整腸錠プラスは、他にも酸を中和する成分や、消化酵素が入っていることも特長です。

ファスコン整腸錠の成分とはたらき

ファスコン整腸錠には次の成分が含まれています。

成分 9錠中(大人1日量)

成分名(配合量) 働き
ビオナットミン(納豆菌)(100mg) 小腸〜大腸上部で善玉菌を増やす
コンクビオゼニン(フェカリス菌)(100mg) 腸の小さな部分まで行き届く乳酸菌
ラクトミン(アシドフィルス菌)(20mg) 乳酸を作り出す乳酸菌の1種
ビフィズス菌(12mg) 主に大腸の下部で働き、便通を整える
ビオスヂアスターゼ2000(30mg) 消化を助ける消化酵素
ニコチン酸アミド(5mg) 腸管運動を活発にするビタミン
無水リン酸水素カルシウム(1089mg) 胃酸を中和して、菌を胃酸から守る制酸剤
沈降炭酸カルシウム(225mg) 胃酸を中和して、菌を胃酸から守る制酸剤

ファスコン整腸錠プラスは上に示した通り、納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌の3つの菌が配合されています。

胃酸に弱い乳酸菌、ビフィズス菌が生きたままで腸に届くように、胃酸を中和する制酸剤もいっしょに入っています。
さらに消化酵素とビタミンが胃腸の働きを助ける、総合的な整腸剤です。

ファスコン整腸錠プラスの効果

ファスコン整腸錠プラスにはどんな効果があるのでしょうか?
便秘や下痢、お腹のハリへの効果について解説します。

ファスコン整腸錠プラスの効能効果

ファスコン整腸錠プラスの効能効果は次の通りになっています。

整腸(便通を整える),腹部膨満感,軟便,便秘

「整腸」というのは腸内環境を整えて腸を正常な状態に近づける作用のことをいい、便通を整える効果ともいえます。
お腹の不快な症状を整えてくれる効果のあるお薬です。

どれくらい飲み続ければ効果がある?

ファスコン整腸錠プラスをどれくらい飲めばよいのか、服用期間についてはっきりとした決まりはありません。腸の状態や程度によっても異なるため、一概にはいうことが難しいのです。

参考までに、病院から整腸剤が処方される場合、およそ3日以上であることがほとんどです。腸内環境が整うには時間がかかることからも、3日から1週間以上は試してみるのが良いでしょう。

ただし、2週間以上飲んでも体調に変化がない場合には、服用を中止して医師に相談することをおすすめします。

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便秘への効果は?便秘薬とは違う?

ファスコン整腸錠プラスは効能効果に「便秘」と書いてあるとおり、便秘に対する効果も期待できます。
大腸の腸内環境を整えて、排便しやすい状態に導いてくれる作用があります。

ファスコン整腸錠プラスは便秘薬ではないので、大腸を刺激するような成分は入っていません。
即効性は期待ができませんが、便秘薬よりも長期的にみると安全に使うことができます。

下痢には効果がない?!

ファスコン整腸錠プラスは、便秘や軟便には効果があるとしていますが、「下痢」に対する効果は明記されていません。水下痢のような下痢の症状には効かないのでしょうか?

ファスコン整腸錠プラスには下痢止め成分は入っていません。
そのため、すぐに下痢が治まるような作用はありませんが、整腸作用による効果が期待できます。
効果が全く無いわけではありませんが、下痢に対する効果を求めるならば他の薬が良いでしょう。

また、下痢の原因はさまざまで、市販の整腸剤では対処できないこともあるため注意しましょう

参照:下痢の正しい対処法 日本臨床内科会

お腹のハリ、ガス、おならには効く?

お腹が張っている女性

ファスコン整腸錠プラスは「腹部膨満感」に対する効果があります。
腹部膨満感というのは、消化不良やガスの異常発生などによりお腹が張るように感じることです。

納豆菌、乳酸菌、ビフィズス菌などが腸内のガスを発生させる「悪玉菌」をやっつけてくれるため、お腹のハリやガスに対する効果が期待できます。

ただし、ガスピタンやザ・ガードなどに配合されているようなガスを取り除く成分は含まれていません。
お腹のハリに対して高い効果を求めるならば、他の整腸剤が効果的な場合もあるでしょう。

ファスコン整腸錠の飲み方は?

ファスコン整腸錠プラスの用法用量は次の通り決められています。

大人(15歳以上)・・・1回3錠

11歳以上15歳未満・・・1回2錠

5歳以上11歳未満・・・1回1錠

5歳未満は服用しないこと

 1日3回 食後に服用

成人の場合は、1回に3錠を毎食後に服用しましょう。年齢によって量が変わるため、説明書をよく読んでから飲むようにしてください。

食後に決められているのは、配合された菌を胃酸から守り、飲み忘れを防ぐ意味もあります。また、効果を最大限に発揮するためにも、水またはぬるま湯で飲むようにしましょう。

ファスコン整腸錠の副作用

ファスコン整腸錠は安全なタイプの薬ですが、正しく使用しないと思わぬ副作用がでることもあります。

次のような点に注意して服用するようにしてください。

副作用はどんな症状がでる?

疑問を感じる女性

皮膚に赤み、発疹、かゆみなどが現れることがあります。
もし、他にも体調変化があれば、服用を中止して医療機関を受診することをおすすめします。

また、便秘や下痢の症状が強くなる場合もあります。症状が続く場合や、悪化する時には早めに医師に相談するようにしましょう。

飲み続けても大丈夫?

ファスコン整腸錠を飲み始めて2週間以上経っても症状が改善しない場合には、なんらかの病気が隠れている場合もあります。漫然と飲み続けないで、早めに医師に相談することをおすすめします。

長い期間飲み続けることについては、特に副作用や問題がないのであれば差し支えありません。腸の調子を整えるためにしばらく続けてみると良いでしょう。

飲んではいけない人は?

牛乳により過去にアレルギーを起こしたことがある人は服用してはいけません
また、次の項目に該当する場合には、飲む前に医師に相談するようにしてください。

  • 医師の治療を受けている人
  • 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
  • 次の診断を受けた人
  • 甲状腺機能障害

妊婦、授乳婦は飲める?

特に妊婦や授乳婦に対する制限はないため、飲んでも差し支えはありません。ただし、心配な場合には主治医に相談してからにしましょう。

子供は飲んでもいいの?

ファスコン整腸錠プラスは5歳以上から服用することができます。5歳未満の場合には服用させないようにしてください。

参照:ファスコン整腸錠プラス 添付文書

他の整腸剤とは何が違うの?

ファスコン整腸剤は、腸に効く生きた3種類の菌と、消化酵素、胃酸を中和する成分などが入った整腸剤です。腸だけでなく胃も一緒に整えてくれる作用が期待できます。

他の整腸剤の場合には、菌のみを含むタイプ、ガスを抑える成分などが入ったタイプなどがあります。自分の症状にあった整腸剤を見つけることが大切です。

市販の整腸剤については次の記事で詳しく紹介しています。タイプ別の整腸剤の選び方について解説しているので、ぜひ参考にしてください。