便秘に効くお茶ってどれ?おすすめの選び方と注意点
お茶は日本人にとっては日常的な飲み物です。
緑茶や紅茶、麦茶、黒豆茶、ハーブティー……など一言でお茶といってもたくさんの種類が存在します。ポリフェノールやカテキンなど、健康に良いとされているお茶ですが、実は便秘解消の効果も期待できるのです。
この記事では、お茶を便秘対策におすすめする理由について説明します。
また、「便秘におすすめのお茶を知りたい」という方に向け、便秘に効くお茶の種類をご紹介します。
目次
便秘のお悩み解消にお茶がおすすめ!
便秘を解消するため、食事や運動など日常生活に気を配っている方はたくさんいるでしょう。しかし、なかなか改善されず、悩んでいる方も多いと思います。
食事や生活習慣を工夫してもいまいち効果が感じられないという方は、お茶を取り入れるというのも方法の1つです。お茶は中国では万能薬として重宝されるほど生活には欠かせない飲み物でもあります。
お茶を飲むことで水分補給になるだけでなく、お通じをよくするために必要な栄養成分を摂取することもできます。いまいちスッキリ感が得られていない・・という方は、お茶を試してみませんか?
どんなお茶がおすすめか
「便秘にはお茶が良い」とは言ってもお茶の種類はあまりにたくさんあるので、どれがいいか迷ってしまいます。
まずはお茶に含まれる、どの様な成分が便秘に効果があるのかを見てみましょう。
便秘解消に効果のある成分 | 多く含まれるお茶 |
カテキン | 緑茶、ほうじ茶、番茶、紅茶、ウーロン茶 |
マグネシウム | 杜仲茶、プーアール茶、マテ茶、ルイボスティー、玉露 |
ビタミンC | ローズヒップティー、ハイビスカスティー、玉露 |
水溶性食物繊維 | 黒豆茶、ゴボウ茶、マテ茶、抹茶 |
カテキンは善玉菌を増やす
緑茶や紅茶などの色々なお茶に含まれる『カテキン』。
強い殺菌作用があることでも有名です。そのため、インフルエンザや風邪の予防に力を発揮します。強い解毒作用もるため、コレラや食中毒の予防にも有効です。
このカテキンには、便秘解消効果も認められています。
腸内には善玉菌と悪玉菌が存在します。悪玉菌が増えると便秘を引き起こし、反対に善玉菌が増えるとお通じがよくなります。
お茶に含まれるカテキンは悪玉菌に対し、殺菌効果を発揮します。さらには善玉菌の代表であるビフィズス菌を増やす作用により便秘解消に繋がります。
マグネシウムは便を柔らかくする
便秘の原因の一つは、便に十分な水分がないことです。便がコロコロの状態で硬くなってしまっていると腸内でうまく運ばれずに詰まってしまうのです。
杜仲茶やプーアール茶に含まれるマグネシウムは、便に水分を与え、柔らかくするという作用があります。
便が軟化することで量が増えることで腸に刺激がいきます。その結果、腸の運動が活発になり、便秘が解消するのです。マグネシウムは医薬品にも使われている成分ですが、お茶から摂取するのも良いでしょう。
ビタミンCが善玉菌を増やす
ハーブティーなどに多く含まれるビタミンCは、乳酸菌をはじめとした腸内の善玉菌にエサを与えます。
そのため善玉菌が増え、腸内環境が整うため、便秘が改善されます。
また、ビタミンCにはストレスを和らげる効果もあります。ストレスが溜まると便秘になってしまいます。ストレスを和らげ、自律神経が整うこと腸の動きを整えます。
ビタミンCと言えば、その他にも風邪予防や美容にも良いと言われています。体内で合成することのできないので、意識をして摂りたいビタミンです。
水溶性食物繊維
便秘に良いと言われる食物繊維は『不溶性食物繊維』と『水溶性食物繊維』に分類できます。
水溶性食物繊維の特徴は分解後にゲル状になるために便を柔らかくして、排便を促してくれることです。
その他にも、便の量を増加させ、ビフィズス菌や乳酸菌といった善玉菌を増やす効果があることもわかってます。
食物繊維には大腸がんの予防効果、血中コレステロール値を下げるなど多くのメリットがあります。
30代の女性は一日20gの食物繊維の摂取が望ましいとされていますが、殆どの人が不足しています。食事だけでは不足しがちな食物繊維を補うためにも、お茶はおすすめです。
お茶を選ぶときのポイント
色々な成分と効能、そしてそれがどういったお茶に含まれているのかをご紹介しました。
それではいざお茶を選ぼうとした時、どういった基準で選べはいいのでしょうか
自分の便秘に合わせて選ぶ
まずは自分の便秘の原因を知ることが大切です。例えば水分不足が原因で、硬い便が出る様な方はマグネシウムを多く含む、以下のようなお茶がおすすめです。
- 杜仲茶
- プーアール茶
- マテ茶
- ルイボスティー
- 玉露
そして、水溶性食物繊維を多く含む
- 黒豆茶
- ごぼう茶
- 抹茶
を試してみましょう。
一方、日常生活のストレスが多く、自律神経の乱れを感じる方はビタミンCを多く含む、次のようなお茶が良いでしょう。
- ローズヒップティー
- ハイビスカスティー
- 玉露
を選んでみては。また、好みの香りがリラックス効果を生みますので、レモングラスやオレンジブロッサムなど、好きな香りのハーブティーを楽しむのもいいでしょう。
妊婦や子供は過剰摂取に注意
お茶はカフェインが含まれていることが多いので、妊婦さんやお子さんは注意が必要です。
緑茶や紅茶、ウーロン茶にもカフェインが含まれてます。
カフェインの過剰摂取はめまいや心拍数の増加、興奮、不眠症などの健康被害をもたらすことがあり、妊婦さんの場合は低体重の赤ちゃんが生まれる可能性があります。
特に妊婦さんはカフェインだけでなく、ハーブティーにも注意が必要です。レモングラスやカモミールなど、子宮収縮作用があるものも多くあるので、ブレンド茶は避けましょう。
ルイボスティーやたんぽぽ茶ならばカフェインは入っていないので妊娠中の方にも愛飲されています。
お茶を飲むときの注意点
お茶には便秘解消だけでなく、健康や美容にメリットをもたらしてくれます。ただし、健康に良いからといって、正しい飲み方をしなければ思わぬ健康被害を招くこともあります。
飲みすぎは便秘を促す場合も
お茶は利尿作用があるものが多く、飲み過ぎると場合によって、便の水分量が減って便秘を促進してしまう可能性もあります。
カフェインの過剰摂取に繋がることも。
WHO(世界保険機関)のガイドラインによると1日のカフェインの摂取限度は300mgです。煎茶一杯で0.02gのカフェインが含まれているので、多くても10杯程度に留めておきましょう。
続けることが大切
お茶は便秘薬ではありません。薬に比べると即効性はありませんので自分に合うお茶をみつけるのには少し時間がかかるかもしれません。
また、運良く自分の便秘に合ったお茶をみつけた場合も根気よく飲み続けることが大切です。
合わせて便秘解消に繋がる様な、健康的な食生活や日常生活を心がけましょう。
お茶以外の便秘解消法はこちらで詳しく説明しています。
センナ茶に注意
便秘解消に興味のある方なら『センナ茶が便秘によく効く!』ということを耳にするでしょう。センナ茶と同じ成分が、キャンドルブッシュというお茶にも含まれています。
実際試してみたという方は腹痛に苦しみませんでしたか?日本ではセンナはその葉っぱの部分がなどは医薬品に分類され、成分はお薬にも使われています。
センナの茎の部分は食品として使用することができ、お茶にも利用されています。しかし、茎の部分にも下剤としての効果がある成分が含まれているので注意が必要です。
お茶であるにも関わらず、下剤を服用しているような効果が現れることがあります。
一時的には腹痛に苦しむだけですが、長期的に服用すると耐性ができ、徐々に効果が出にくくなってしまいます。
また、下剤やセンナ茶を長期的に使用することで『大腸メラノーシス』という状態になり、腸内が黒く色素沈着してしまうのです。すると次第に腸が刺激に慣れてしまうため危険です。
便秘薬の副作用についてはこちらで詳しく説明しています。
便秘薬や下剤、センナ茶は一時的な使用に留めておき、継続的な服用は控えましょう。
参照:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター「便秘で悩まれている方へ」
まとめ
お茶を飲むことで緩やかに便秘を解消する方法をお伝えしました。「お茶」といってもその種類は豊富で、成分や効能もさまざまです。
便秘解消だけでなく、美容や健康など、色々な方面でメリットのあるお茶。気軽に手に入るので、効用だけでなく香りなども含めてお気に入りのお茶を一つ、見つけてみませんか。