腸内の異常発酵ってなに?お腹の調子が不安な方は要チェック
お腹が張って苦しいとか、おならが頻繁に出たり、すごく臭かったりしませんか?便秘や下痢など便通も調子が悪くないですか?
そんな時は、腸内で異常発酵が起こっているかもしれません。腸の中で、食べ物のカスが腐敗していて、有毒ガスが発生しているのです。そんな腸内の異常発酵について、原因と対処法についてお話します。
目次
腸内の異常発酵って?
腸の中では、消化した後の食べ物の残りを細菌がせっせと分解しています。そして便になって外に出ていきます。この細菌などの微生物の力によって物質を変化させることを「発酵」とよんでいます。
腸内のバランスが取れていればいいのですが、どこか調子がおかしくなると細菌のバランスもおかしくなり、悪玉菌が増えてきます。すると食べ物のカスは腸の中できちんと細菌によって発酵させられず、悪玉菌によって腐敗してしまい、有毒ガスも発生します。
すると私達の体の状態が悪くなって、いろんな症状が現れます。
こんな症状は腸内の異常発酵が原因かも
臭いおならが異常なほど出て困ってしまう、こんな症状でお困りの方。
学校や会社で恥ずかしいのでおならを我慢。ガスでお腹が張って苦しい、辛いと人知れず悩んでいる方。
お腹が張る、おならが頻繁に出る、便秘や下痢などの症状が続く場合は腸内の「異常発酵」が原因の可能性があります。
- 便秘
- 下痢
- お腹が張る、お腹が痛い
- おならが臭い、よく出る
- 便が臭い
- 体臭がきつくなる
- 吹き出物
- 肌荒れ
こんな症状にいくつか思い当たるようなら、腸内の異常発酵が進み、腸の中に有毒ガスが溜まっているかもしれません。
異常発酵とは
「善玉菌」「悪玉菌」という言葉を聞いたことがありますか?
腸内には、100兆から1000兆個の細菌がいるといわれています。腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3つに分類されています。
善玉菌は物質を分解して私達の体に必要な物質を作っています。
悪玉菌は、食べ物を分解しますが、腐敗させて同時に有毒ガスを発生させます。
日和見(ひよりみ)菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらでもない菌です。善玉菌が優勢な場合は善玉菌に、悪玉菌が優勢になれば悪玉菌にと日和見的に変化してしまいます。
善玉菌が弱ったり、増えすぎたりして、腸の中は腐敗した食べ物のカスとアンモニアや硫化水素などの化合物でいっぱいになってしまう、これが腸内の「異常発酵」です。
悪玉菌は、ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌などで、下痢や便秘を引き起こしがちです。また腸に腐敗した物質が残っているので、有毒ガスが発生し、そのためにお腹が張ったり、くさいおならが出てしまいます。
また腸の異常発酵が起こると有毒ガスが腸の中から体中に広がるため、腸と関係のない部分でも調子が悪くなり、体臭がきつくなったり、肌荒れや吹き出物を起こすこともあります。
腸内の異常発酵の原因
腸内の異常発酵は以下のような原因が考えられます。
肉食中心の食生活
悪玉菌は、タンパク質や脂肪の食品が大好きです。肉食中心の食生活は、腸内で悪玉菌が増えて異常発酵の原因になります。
経験があるかもしれませんが、お肉を食べ過ぎると、便の臭いはきつくなり、強烈な臭いのする黒っぽい便になりますね。日本人の食生活も欧米型になったことで、腸内環境が悪くなっているといわれています。
食品添加物
加工食品には、さまざまな食品添加物が含まれています。すべての食品添加物を除いては生活できませんが、あまり摂りすぎると腸内異常発酵の原因になるといわれています。よって加工食品の食べ過ぎは以上醗酵を起こしやすくなるといえます。
加齢
年齢が高くなると、腸内の善玉菌が減るといわれています。赤ちゃんの腸は善玉菌が多いですが、老人になると善玉菌は減っていきます。特にビフィズス菌は年齢による減少が大きいとされています。
抗生物質
病気になると抗生物質を飲むことがありますよね。抗生物質は、悪い病気の菌と一緒に腸の中の善玉菌まで殺してしまうといわれています。そのため腸内細菌のバランスが崩れて、悪玉菌が増え腸内の異常発酵が起こる場合もあります。
ストレス
腸内異常発酵とストレスも関係があるといわれています。ストレスがかかると、胃腸などの消化能力も落ちてしまいます。そのため、食べ物が十分に消化されず腸内に入ってきます。そのため腸内の環境が悪化して、異常発酵が起こってしまいます。
またストレスによる自律神経の乱れなどから、大腸の働きも弱まり便秘の原因になるといわれています。
運動不足
運動不足だと腸も動きが悪くなります。腸を動かしているぜん動運動が起きにくくなり、便秘になりやすくなります。すると悪玉菌が増えやすくなってしまうといわれています。
不規則な生活
不規則な生活を続けると、自律神経が乱れがちになります。
自律神経は、私達の体の活動を24時間動かしている神経ですが、昼間活発になる交感神経と、安静時に活躍する副交換神経があります。
不規則な生活をすると、腸の機能も休んでいいのか働かなければならないのかわけがわからなくなって、バランスを崩してしまいます。睡眠不足や疲労も同様です。
すると、腸が正常に働かなくなり、便秘になったり下痢になったりして、悪玉菌も増殖しがちになるといわれています。
腸内の異常発酵を防ぐには?
腸内の異常発酵を防ぐには、日常生活について見直すと、腸内環境も改善され効果があるといわれています。腸内異常発酵を改善するための、日常生活で気をつけるべきポイントをあげました。
食生活の改善
まずはお肉類や油っぽいもの、お菓子やインスタント食品などを食べる量を減らしましょう。全くのベジタリアンになれというわけではありませんが、お肉を食べ過ぎずにその代わりに野菜を食べる量を増やすといいですね。
また、加工品には食品添加物が含まれているので、なるべくは加工品を取らず、自然のものを料理する方がいいでしょう。
適度な運動をする
運動不足の自覚があれば、適度な運動を心がけましょう。軽い運動でいいのです。出かけるにもなるべく歩くようにするとか、エレベーターを使わずに階段を使うなど日々の生活にとりいれやす方法がいいでしょう。ウォーキングもおすすめです。
ランニングをしたり、ジムに通うのもいいですが、いきなり初めても続かないかもしれませんので、それよりも日常生活でできる範囲の運動を心がけたほうがいいですね。
腸のぜん動運動が活発になり、腐敗物が腸にたまらなくなるので、悪玉菌の増殖を防ぐことができると考えられます。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないといわれても、溜めたくてためているわけではないから、難しいですね。しかし、ストレスは、腸内環境も悪化させてしまいます。
ストレス解消のため暴飲暴食するのはよくありませんが、スポーツをしたり、趣味を楽しんだりして、適度にストレス解消ができるといいですね。
十分な睡眠
睡眠不足により自律神経が乱れると、腸の働きが弱くなってしまいます。腸内異常発酵が気になるときは、なるべく十分な睡眠をとりましょう。腸の動きが整いやすくなり、お腹の調子も良くなってくることでしょう。
腸内の異常発酵を抑える対処法
おならが臭い、体臭が臭い、便秘が続くといった症状は辛いですが、病院に「わざわざいく?」と思う場合もあると思います。しかし、とても深刻な病気の症状かもしれないので、なんらかの症状がある場合は、自己判断せずに病院を訪れることをおすすめします。
それでも、自分で対処法を試してみたいという場合は以下のような方法が考えられます。
整腸剤を飲む
整腸剤には、乳酸菌やビフィズス菌のような腸の中で善玉菌として活躍する菌が入っています。ですから、整腸剤を飲むと、悪玉菌が多くなってしまった腸内細菌のバランスが整い、腸内の異常発酵が改善されると考えられます。
乳酸菌は、ヨーグルトやぬか漬けのような発酵食品で取り入れることができますが、ビフィズス菌は、ヨーグルト以外ではとりにくいです。ヨーグルトばかり食べるわけにもいかないので、整腸剤をとることもおすすめします。
乳酸菌サプリを飲む
整腸剤はお薬ですので、ずっと飲みつづけるのはあまりおすすめできません。そんな時は、サプリメントを検討してみてはいかがでしょうか。
サプリメントでは、乳酸菌やビフィズス菌を手軽に取り入れることができます。整腸剤には入れることができない菌も入っています。
サプリは、あくまでも健康食品ですのですぐに効くという、即効性は期待できませんが、腸内環境を改善して異常発酵をなくす手助けをしてくれる可能性があります。
お腹のハリやおならに悩んでいる方は、栄養補助として活用してみると良いでしょう。
まとめ
腸内の異常発酵は、腸内細菌の悪玉菌が増え、食べたものが腸の中で腐敗して、有毒ガスを発生する症状です。あなたも心あたりのある原因が見つかったでしょうか?
お腹のハリや、おならが臭いなどの問題から、一見関係なさそうな体臭や吹き出物などのお肌のトラブル、そして便秘や下痢も症状として現れがちです。
しかし、普段あまり便秘をしない人が、急にお腹のハリや便秘の症状が現れて続くなど異常を感じる場合は、大腸がんやポリープ、腸炎や過敏性腸症候群など、病気の可能性もありますので、できるだけ早く病院を受診することをおすすめします。