タケダ漢方便秘薬の効果とは?腹痛や下痢の副作用は?
タケダ漢方便秘薬は漢方系の便秘薬として定番のお薬の一つです。
生薬配合なので安全と思われがちですが、実は長いこと飲んでいると思わぬ副作用が起きる場合もあります。タケダ漢方便秘薬の効果、副作用について説明するとともに、根本的な解決法についても解説します。
タケダ漢方便秘薬ってどんな薬?
タケダ漢方便秘薬はどんな作用のある薬なのでしょうか?他の便秘薬との違いについても比べてみることで、自分に合っているかどうか考えてみましょう。
タケダ漢方便秘薬の特長
タケダ漢方便秘薬はCMでもおなじみの便秘薬の1つです。生薬が入っているので、優しくて安全という印象があるかもしれません。
名前はタケダ漢方便秘薬ですが、中身は「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」という漢方処方からできています。原料となる信州大黄(しんしゅうだいおう)は武田薬品が契約農家として契約している農場で栽培しているので安心です。
なるべく自然なお通じを求めている人や、翌朝にはスッキリしたいという人におすすめのお薬です。ただし、漢方だからといって安全というわけではありません。よく理解してから飲むようにしましょう。
他の便秘薬との違いは?
タケダ漢方便秘薬の他にもいろいろな便秘薬があるので、どれが良いのか、何が違うのか迷っている方も多いと思います。
便秘薬は大きく分けると次のようなタイプがあります。
- 大腸刺激系の便秘薬(センナ、ビサコジルなど)
- 大腸を刺激しない便秘薬(酸化マグネシウム製剤、ファイバー系など)
タケダ漢方便秘薬は「大腸刺激系の便秘薬」に分類することができます。
優しいイメージがありますが、効果は早く出るのタイプの便秘薬といえます。ただし、生薬1種類ではなく漢方処方なので、センナ製剤よりは効き方がマイルドになります。
タケダ漢方便秘薬の効果は?
タケダ漢方便秘薬はどのような効果がある便秘薬なのでしょうか?気になる効果についての説明をしていきます。
効能効果について解説
タケダ漢方便秘薬の効能効果は次のとおりとなっています。
便 秘
便秘に伴う腹部膨満・ふきでもの(にきび)・腸内異常醗酵・痔・頭重・のぼせ・湿疹・皮膚炎・食欲不振(食欲減退)などの症状の緩和
主な効果は「便秘の改善」です。でも、便秘のときにつらいのは便が出ないことだけではありませんよね。タケダ漢方便秘薬は、便秘を解消することにより、辛い他の症状も解消してくれる効果が期待できます。
どんな成分が入っているの?
タケダ漢方便秘薬に配合されている成分は、「大黄(ダイオウ)」と「甘草(カンゾウ)」の2つです。「大黄(ダイオウ)」は生薬の名前であり、有効成分としてセンナが含まれています。効果としては大腸を刺激して、排便を促す作用があります。
「甘草(カンゾウ)」は補助として配合されている成分であり、大黄によってお腹が痛くならないように、作用をやわらげる意味を持っています。
どれくらいで効果が出る?
タケダ漢方便秘薬は、基本的には寝る前に飲むことで翌朝に効果が出ることが期待されます。効果が出るまでの時間は8時間から10時間程度が目安です。
ただし、効果の感じ方には個人差があるため、場合によっては翌日の朝以降に便意がおきることもあるので注意しましょう。
飲み続ければ便秘体質は治るの?
タケダ漢方便秘薬は漢方であり、体質改善のために飲もうと考える方もいるかもしれません。タケダ漢方便秘薬は便秘になった時にだけ飲むべきであり、便秘体質を改善するために飲むべきものではありません。
また、飲み続けることによって、お薬の効果が出にくくなることもあります。排便がうまくいくようになってきたら、飲むのを止めて様子をみるようにしましょう。
ダイエットには効果ある?
タケダ漢方便秘薬をダイエット目的で飲もうとする人もいるようです。確かに便を出せばその分の見かけ上の体重は減るかもしれませんが、決してやせたわけではありません。
ただ、乱れた腸内環境は太りやすくなる原因とも言われていますから、腸内環境に改善していくことはやせやすい体質づくりにもつながっていくといえるでしょう
タケダ漢方便秘薬の飲み方
タケダ漢方便秘薬の飲み方は少し複雑です。正しく服用しないと思わぬ副作用が出てしまうこともあります。飲み方と調整の方法を確認しておきましょう。
1.用法用量
薬の説明書では次のとおり飲み方が決められています。
次の量を1日1回、就寝前に水またはお湯で、かまずに服用してください。
年齢 | 軽い便秘(2〜3日便通がないとき) | 頑固な便秘(4日以上便通がないとき) |
成人(15歳以上) | 1錠〜3錠 | 2錠〜4錠 |
小児(5歳〜14歳) | 半錠〜1錠半 | 1錠〜2錠 |
5歳未満 | 服用しないこと |
年齢によって、また症状の程度によって量を調整して飲むようにしてください。
2.どうやって調整すればいい?
効き目には個人差が出やすいため、決められた通りに飲んでも効果が強すぎることもあります。最初に飲むときは、どのくらいの効果と副作用が出るか予想できないため、なるべく少ない量で始めると良いでしょう。
また、飲んでみて効果が無かった場合には、決められた上限量までは増やすことができます。錠剤には半分に割れる線が入っているので、自分で割って微調整しても良いでしょう。
ただし、効かないからといって、上限量を超えて増やしてはいけません。なんらかの病気が隠れていたり、思わぬ副作用が出る可能性もあるため、効かない場合には早めに医師に相談することをおすすめします
タケダ漢方便秘薬の副作用は?
タケダ漢方便秘薬は漢方だから副作用がないと思っていませんか?お薬である以上は漢方でも副作用があります。特に起こりやすい腹痛と下痢の副作用についても解説します。
どんな副作用が出るの?
タケダ漢方便秘薬では次のような副作用が起きることがあります。
皮膚の発疹、はげしい腹痛を伴う下痢、腹痛、吐き気・嘔吐
もし、これらの副作用がみられた場合には、服用を中止するようにして、医師または薬剤師に相談してください。
飲むとお腹が痛くなる?
タケダ漢方便秘薬には、大黄(ダイオウ)という大腸を刺激する成分が含まれています。そのため、便意を感じるようになるのですが、副作用として効果が強く出てお腹が痛くなることがあります。
腹痛が起きて辛い場合には減らして様子をみるか、服用を中止するようにしてください。
飲んで下痢になる可能性はある?
副作用として、はげしい腹痛を伴う下痢が起きる場合があります。腸の動きが強まることによって、腹痛と下痢が起きる場合があるので注意して服用しましょう。お腹が痛くなりやすい人、腹痛がすでにある場合には気をつけて服用してください。
飲んではいけない人は?
薬の説明書によると次に当てはまる人は服用をしないように決められています。
- 他の瀉下剤(下剤)を服用している
- 授乳中の人は服用しないか、服用中の授乳をさけること
また、次に当てはまる場合には、飲む前に医師または薬剤師、登録販売者に相談するようにしてください。
- 医師の治療を受けている人
- 妊婦または妊娠していると思われる人
- 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
- 胃腸が弱く下痢しやすい人
- 次の症状のある人
はげしい腹痛、吐き気・嘔吐
妊婦や授乳婦は注意が必要
授乳中の場合は、赤ちゃんへの影響を考えて、服用しないでください。もし飲んでしまった場合には、授乳を避けるようにしてください。
また、タケダ漢方便秘薬は妊娠中の場合には、悪影響が出る場合もあるため、主治医に相談してから服用してください。
タケダ漢方便秘薬を飲み続けて大丈夫?
タケダ漢方便秘薬は飲み続けると、副作用の問題が起きることがあります。どのような注意が必要なのか正しく理解して飲みましょう。
長期服用は危険?!
タケダ漢方便秘薬に含まれている大黄(ダイオウ)には「センノシド」という大腸を刺激する成分が含まれています。センノシドのようなアントラキノン系下剤の成分は、長期服用に注意がしなければいけません。
長く飲むことにより、お薬の効きが悪くなったり(耐性)、お薬を使わないと排便が難しくなってしまうことがあります。この効き目が悪くなる理由の1つとして、大腸メラノーマという症状が関係しているといわれています。
タケダ漢方便秘薬は5、6日服用しても効果がない場合は、服用を中止して医師や薬剤師に相談するようにしてください。また、1ヶ月以上連続して使用する場合も相談することをおすすめします。
だんだん効かなくなってきたら要注意!
もし、すでにタケダ漢方便秘薬を使っている方で、だんだんと効かなくなっていると感じている方は気をつけなければいけません。下剤に頼りすぎていると、しだいに下剤が効かなくなり排便が難しくなってしまうことがあります。また、自然な便意を一度失ってしまうと、元に戻すこともとても大変です。
便秘薬の副作用についての詳しい説明と、副作用を避けるための予防法については次の記事で紹介しています。便秘薬の副作用が心配という方はもちろん、これから飲もうとしている方も一度読んでおくと安心ですよ。