腸にガスが溜まる原因 – ぽっこりお腹をすっきりする方法
お腹がなんとなく張っているような気がする。おならが以前に比べたらよく出るようになった。
こんなふうに感じることはありませんか?
病院に行って、検査をしても病気が見つからない場合は、便秘が原因だったということもあります。
今回は、腸にガスが溜まる原因とガスが溜まるのを防ぐ方法、そして解消法も紹介します。
目次
腸にガスが溜まる原因
食べ物は口から入って、食道、胃に入り、小腸を通り大腸に老廃物がたまると肛門から排出されます。
主に腸は、小腸と大腸にわかれます。小腸では食べ物を消化・吸収し、大腸では残ったものから水分を吸収して、問題がなければ排泄します。腸に便がたまると、腸から脳に信号が送られ、便意を感じ排泄されます。
しかし、運動不足やストレス、食事や生活習慣などが原因で腸の動きが抑えられてしまうと、少しずつ腸にガスがたまり、排出しにくくなります。
さらに、体が冷え、交感神経が優位に働くと腸の動きが低下します。
この状態が長く続くと便秘だけではなく、お腹が膨らみ違和感や痛みを感じることもあります。
腸にガスがたまるとどんな症状が起こる?
腸にガスがたまると自覚症状として、お腹がぽっこりとする、お腹に違和感を感じるという症状が起こります。
この症状を放置すると、ニキビや肌荒れ、頭痛、肩こり、疲れやすい、だるいという症状を起こします。
正常であれば、お腹のガスは便と一緒におならとして外に排出されます。しかし、便がたまるとガスの排出を抑えてしまい、さらにガスはたまり続けてしまいます。
お腹の中にたまるガスの量は、多い人で2〜3リットルもたまることがあります。
これだけの量がお腹の中にたまってしまうと、お腹がぽっこりするだけではなく、お腹が苦しい、痛いという症状が起こり、胸やけ、げっぷ、吐き気まで起こしてしまうこともあります。
参照:「おなかの張り」をとれば腸は年をとらない!(松生恒夫 著)
おならがよく出るのはなぜ?
30歳を過ぎたあたりから、お腹にガスが溜まると感じる人は要注意です。お腹にガスが溜まるのは、体の代謝が悪くなっているという証拠です。
年齢が上がると食べる量が今までとあまり変わらなくても、太ってしまうという方も多くなります。その上、年齢が上がると腹筋もだんだん衰えていき、お腹にたまっているガスが排出しにくくなります。
お腹にガスが溜まる原因は、年齢だけではありません。最近では、比較的若い年齢の人も、ガスが溜まりやすい人が増えています。
その原因は、運動不足、肉類を多く食べる食生活の欧米化があげられます。
運動不足になると、腹筋が衰えてしまいお腹に入れる力が弱くなるため、便を排出しにくくなります。だから便秘になりガスが溜まりやすくなるのです。
肉類を多く食べる人は、肉に含まれるタンパク質が悪臭を出し、そのガスがお腹の中でたくさん発生してしまうのです。こうした状態が続くと、どんどんガスが溜まり、おならが頻繁に出るという状態になるのです。
運動不足、食事以外にも、腸の働きは自律神経と大きく関わっています。自律神経はストレスと関係しており、仕事のストレスが多いまたは育児などで忙しい年代は特に乱れやすくなるでしょう。
その上、女性は女性ホルモンの乱れも腸の動きに大きく関わっています。女性でお腹にガスが溜まり、おならが出やすい人が多いのは、腹筋が弱く、女性ホルモンの分泌の関係でガスが溜まりやすくなるからなのです。
参照:「腸の大掃除」でやせる!健康になる!(ムック )
腸にガスがたまるのはどんな病気?
お腹がポッコリとするのは、便秘だけではありません。生活習慣を変えてみても解消しない場合は病気の可能性もあるので、一度医師に相談しておきましょう。
ここでは、腸にガスが溜まる可能性がある3つの病気を紹介します。
呑気症(どんきしょう)
精神的な原因により、食事をするとき無意識に大量の空気を飲み込んでしまう病気です。
お腹に空気がたまり、お腹の張りを感じたり、お腹に違和感を感じたりすることがあります。
具体的な原因が明らかになっていないので、これといった治療法はありません。食事をゆっくり食べる、ストレスを減らすという生活習慣の改善が大切です。
参照:メディカルタウン
腸閉塞
女性特有の病気や、腸の病気が原因で起こる病気です。まれに重度の便秘から起こることもあります。便を排出する腸の一部が狭くなると、便の流れが悪くなります。
お腹にガスが溜まることもあり、老廃物が腸の途中で詰まってしまう病気です。点滴などで栄養を補給し、絶食するという治療を行います。
大腸がん
食生活の欧米化により、高脂質、高カロリーの食事や、アルコールの飲み過ぎ、肥満、その他にも、ストレスや運動不足も大腸がんになる原因です。
便秘によりお腹の中に便やガスがたまる状態が10日以上続くと、大腸がんになるリスクが上がることが分かっています。早期に見つかればほぼ治る病気です。
参照:健康寿命は自分でのばす!『おとなの健康』(オレンジページ)
普段の生活でできる、ガスがたまるのを防ぐ方法
腸に、ガスが溜まるということを解消するには、便秘になりにくい生活を送ることが大切です。お腹にガスが溜まりにくい生活を送るためのポイントを紹介します。
朝食後のトイレタイムを見逃さない
腸の動きを改善するには、便秘にならないことが大切です。朝起きて食事を摂ったあとはできるだけトイレに行くようにしましょう。
甘いものが食べたくなったら、ハチミツやオリゴ糖を使う
ハチミツやオリゴ糖は、消化されにくく、ゆるやかな下剤作用があり、便秘によるガスも解消することができます。
朝起きてすぐに白湯をのむ
朝なかなかトイレに行っても出ないという方は、朝コップ一杯の白湯をのみましょう。飲んだ水が腸にはいると腸は元気を取り戻します。ガスをたまりにくくするには、日中の水分補給も行っておきましょう。
お腹を冷やさないようにする
腸の動きが悪くなる原因のひとつは、お腹の冷えです。温かいものを飲んだり食べたりするだけではなく、その内容に工夫が必要です。シナモンやショウガで中から温める食材を利用していきましょう。
座りっぱなしにならないようにする
仕事で一日中パソコンに向かっている生活を続けると、座りっぱなしになってしまい、腸の動きも悪くなります。また、姿勢が悪い状態で作業をすると、腸の動きを悪くする原因にもなります。
仕事の昼休みや夕方に、少し歩く時間を増やすようにするといいでしょう。
生活にオンとオフをはっきりつける
仕事や家事をてきぱきとこなす時間は、交感神経が活発になりますが、夕方から夜になると、副交感神経へと自然に切り替わります。
仕事や家事をする時間とリラックスする時間をきっちりとわけて、自律神経をうまく切り分けていきましょう。
参照:おとなの快「腸」生活(ムック)
お腹にたまったガスを解消する方法
腸にガスが溜まったときにできる解消方法を、3つ紹介します。
- お腹の下にクッションをおき、うつ伏せになる
- ゆっくりと1分間深呼吸をする
- 椅子にすわり、背筋を伸ばし両手を重ねてお腹の下あたりに当てる。
- 当てている手をゆっくりと押して、お腹をへこませる。6~7秒かけて口からゆっくりと息をはく。
- 息をはいたら、手の力をゆるめ、お腹を膨らませる。3~4秒かけて鼻から息を出す。
- 1~3を5~10回おこなう。
- 右半身を下にし、右手で頭を支える。
- 深呼吸をしながら、左手でおへその下あたりをゆっくりと時計回りにマッサージする。
参照:「腸の大掃除」でやせる!健康になる!(ムック)
参照:健康寿命は自分でのばす!『おとなの健康』(オレンジページ)
さいごに
お腹のガスを解消するには、まずは便秘を解消することや、腸内の動きをよくすることが大切だということがわかっていただけたと思います。
ガスがたまらないように普段の生活を見直し、ガスが溜まったと感じたら、お腹のマッサージや深呼吸を試してみましょう。
ただし、お腹の不調やガス溜まりが長く続く場合は、病気の可能性も考えられます。自己判断は避け、なるべく早く医療機関を受診しましょう。