ツムラの便秘薬の種類と特徴 – 自分にあった漢方は?


便秘を改善するには便秘薬ではなく、漢方を使うという手もあります。漢方は自分にあった処方を選ぶということが大切です。

便秘でツムラの漢方を処方されたけれど、「本当に効くの?副作用が心配。」また、「ツムラの便秘薬を処方して欲しい、購入したい」と考えている方に、基本的な情報をお伝えします。

ツムラの便秘薬の特徴と、購入方法?

ツムラは日本の代表的な漢方ブランドです。まずは、ツムラの便秘に効果的な漢方薬はどのような特徴があり、どこで購入できるのか紹介します。

医療用と市販薬がある

ツムラの漢方には、病院で処方してもらう医療用と、市販薬があります。医療用には市販では手に入らないような種類もあります。

病院に行くことが忙しくて難しいときや、自分が使ってみたい処方が決まっているならば、市販薬が便利です。

しかし、市販薬では、医療用と比べて選択肢が少ないため、自分にあった処方があるとは限りません。そして自分で選んだ処方が、体質にあっているとは限らないので、効果的な治療ができないかもしれないというデメリットがあります。

漢方って飲みにくくない?

ツムラの漢方の医療用は主に顆粒タイプであるため、飲みにくいと感じる方もいるようです。漢方の味は、独特の苦みやえぐみがある場合が多く、飲む量も多いため、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。

もし、味が苦手、粉薬が苦手という方には、市販薬の錠剤タイプを使うという手もあります。例えば、大黄甘草湯であれば、市販の「タケダ漢方便秘薬」で代用することもできます。

どんな時に処方される?

医者に相談する女性

便秘に困っていて、漢方を処方してもらいたい、と思った時、どうすれば処方してもらうことができるのでしょう?

漢方の処方は何科を受診しなければいけない、という決まりはありません。

ただ、お医者さんによって漢方を使うのが得意な場合と、あまり処方を好まない場合もあります。できれば、漢方に詳しい内科、消化器科、漢方外来などを受診するのがおすすめです。

市販薬はどこで販売されている?

市販薬のツムラの漢方は、薬局やドラッグストアで買うことができます。お店の規模によって、扱っている種類や品数は異なるため、インターネット等でよく調べてから買うのがおすすめです。

ツムラの便秘薬の種類と使いわけ

ツムラの漢方の中には、便秘に対して効果があるものがいくつかあります。漢方を使うときに、最も大事なことは、自分の体質にあった処方を選ぶことです。

市販のツムラの便秘薬

ツムラの漢方便秘薬

ツムラの漢方便秘薬

便秘、便秘に伴う頭重・のぼせ・湿疹・皮膚炎・ふきでもの(にきび)・食欲不振(食欲減退)・腹部膨満・腸内異常醗酵・痔などの症状の緩和

注)体力に関わらず、使用できる

大黄甘草湯の顆粒タイプです。大腸を刺激する大黄と、副作用を和らげる甘草から成る処方で、効果は比較的強めです。体質を選ばず効き目が出やすいですが、使いすぎによって、腸が刺激になれて効きにくくなることもあるので注意が必要です。

ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒

ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒

体力が充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:

高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

ダイエット目的に飲まれることもある「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」は、体質によって効く場合と効かない場合があります。がっちりタイプで、お腹周りに脂肪が多い方の便秘やむくみに効果的な処方です。下痢することもあるので気をつけましょう。

ツムラ漢方大柴胡湯エキス顆粒

ツムラ漢方大柴胡湯エキス顆粒

体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:

胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

ストレスにより食べすぎてしまいがち、代謝が悪くて脂肪がつきやすい方で、便秘に悩んでいる方におすすめの処方です。ただし、体力がない方や虚弱な方には、合わないこともあるため注意が必要です。

医療用のツムラの便秘薬

医療用のツムラの漢方薬の中で、便秘の改善効果を持つものは数多くあります。医療用の中には、市販で買うことができる処方もあります。もし病院にいけない場合には、市販薬から同一の処方を探してみるのも手です。

今回は、医療用の中から、いくつか代表的なものを紹介していきます。

ツムラ 防風通聖散62番

防風通聖散 62

<体質>

お腹周りに脂肪がつきやすく、体力があるタイプ。

<効果>

高血圧によるのぼせ、肩こり、どうきの症状や、肥満、むくみ、便秘に効果がある。

参照:医療用添付文書

ツムラ 大黄甘草湯  84番

大黄甘草湯

<体質>

特に選ばないため、誰でも適応になる。

<効果>

便秘の解消に効果がある。他の漢方と比べて、体質を選ばず、大腸を刺激して便秘を解消する効果が高い。

参照:医療用添付文書

ツムラ 桃核承気湯 61番

桃核承気湯 61

<体質>比較的体力があるタイプで、月経不順、生理痛が重い、イライラによって便秘がちな人

<効果>

血と気の巡りを改善することにより、月経不順、月経困難症にも効果がある。月経時や産後のイライラ、精神不安がある、腰痛、便秘、 高血圧による頭痛、めまい、肩こりにも効果がある。

参照:医療用添付文書

ツムラ 麻子仁丸エキス顆粒 126番

麻子仁丸エキス顆粒 126

<体質>

体力は普通程度にあり、コロコロと乾燥した便が出る。高齢者によく使われる。

<効果>

便秘の改善を目的として使う。便にうるおいを与えて出しやすくする。

参照:医療用添付文書

ツムラ  潤腸湯  51番

潤腸湯 51

<体質>

体力は普通または虚弱で、肌の乾燥も伴うような方。病後、産後の便秘に使われることもある。

<効果>

名前の通り、便を潤して柔らかくしてくれる効果がある。麻子仁丸と似ているが、麻子仁丸に比べて効果がおだやかである。

参照:医療用添付文書

ツムラ 桂枝加芍薬湯 60番

桂枝加芍薬湯 60

<体質>

体力は普通以下ですこし虚弱ぎみ、お腹が張りやすい方の便秘。普段から胃腸が弱い、腹痛、便秘と下痢になりやすい。

<効果>

便秘、便秘と下痢を繰り返す症状を改善したり、お腹の痛みをとる効果がある。「ダイオウ」が入っていないため、お腹が痛くなりにくいのが特徴です。

参照:医療用添付文書

ツムラ 桂枝加芍薬大黄湯 134番

桂枝加芍薬大黄湯 134

<体質>

比較的体力のない人で、お腹が張りやすく、腸の停滞感や腹痛などを感じる方。

<効果>

体を温める作用があり、便秘や腹痛を改善する。ストレスによる過敏性腸症候群にも効果がある。

参照:医療用添付文書

以上で紹介した、体質や効果が漢方処方において全てではなく、他の使い方をすることもあります。体質の診断は、お医者さんや漢方薬局に相談すると良いでしょう。

他にもツムラの漢方で便秘を改善する効果を持つものはあります。また、ツムラ以外にも漢方薬はあります。次の記事で詳しく体質別に紹介しているので、参考にしてください。

便秘に効く漢方薬に特徴的な副作用は?

注意を促す女性

ツムラの漢方薬をはじめとして、漢方には副作用が無いように思われがちですが、副作用はあります。漢方の種類によって副作用は異なるため、この記事では全般的な解説をしたいと思います。

漢方にも副作用はある

西洋薬と比べると、漢方は副作用が起こりにくいといわれています。それは、西洋薬の場合には、ターゲットとなる部位を狙って集中的に効かせるのに対して、漢方の場合には、体全体に働くことで症状をおだやかに改善するからです。

ただし、漢方で重い副作用が出ることは稀ですが、危険性はゼロではないため、注意しておくことが大切です。

漢方で注意したい副作用

便秘に効く漢方では、下痢や腹痛を起こすこともあります。漢方の種類や体質にもよるので、飲みはじめは注意しましょう。

  • 胃もたれ、胃痛

漢方薬を飲んで、胃もたれ、むかつき、食欲不振、胃痛などの胃の症状が出ることがあります。特に虚弱体質、胃腸が弱い方は説明書をよく読んで選びましょう。

  • アレルギー

過去にお薬、漢方で副作用が起きたことがある人は、よく相談してから使いましょう。

  • 高齢者の場合

高齢者の場合、体の代謝機能が落ちているため、思わぬ副作用が起きることがあります。服用前によく相談することをおすすめします。

  • 漢方を併用している場合

いくつかの漢方を併用していると、配合生薬が重複してしまう可能性があります。例えば「カンゾウ」を摂りすぎると、むくみの副作用が出たりすることもあるのです。漢方を2つ以上飲むときには、あらかじめ医師や薬剤師などに確認しておくと安心です。

漢方で注意したい重い副作用

漢方では、まれに次のような重い副作用が起きることがあります。

  • 間質性肺炎
  • 偽アルドステロン症
  • むくみ
  • 動悸
  • ミオパシー(低カリウム血症)
  • 肝障害

参照:日本漢方生薬製剤協会

ツムラの便秘薬を使い続ける上での注意点は?

疑問を感じる女性

便秘に効果のある漢方薬を使い続けることで、どのような問題が考えられるのでしょう?また、センナのように生薬成分だけが含まれる下剤と比べた時のメリットについてもお話します。

耐性(たいせい)は起こらない?

便秘薬の中でも、大腸を刺激するタイプの下剤では、使いすぎによって効果が出にくくなる「耐性」という問題があります。

漢方の場合には、複数の成分が合わさって働き、副作用を防ぐ成分も入っていることで、耐性は起こりにくいとされています。

しかし、便秘に対する効果のある漢方の場合には、体調や便秘の状態によって、効果を感じにくくなることはあります。しかし、いわゆる下剤を使うよりは、比較的に安全に使うことができるのが、漢方のメリットです。

センナと比べて漢方を使うメリットは?

生薬成分のセンナは、便秘薬にもよく配合されています。生薬だから安全そうなイメージがありますが、センナ、ダイオウなどの刺激作用のある生薬を単味で含むタイプは、耐性が起きやすいので注意が必要です。

生薬単味の下剤と比べて、複数の生薬が合わさった漢方の方が、長期的にみても問題が起こりにくいでしょう。

便秘薬の飲み過ぎについては次の記事を参考にしてください。

参照:お腹の張りを取れば、腸は歳をとらない!(松生恒夫 著)