整腸剤は子供でも飲める?使える市販薬と正しい対処法
子供のお腹がゆるい時、下痢ぎみ、お腹が張っている時など、整腸剤を飲ませたいことってありますよね。整腸剤を使って様子をみてもよい場合もあれば、早めの受診が望ましいケースもあります。
この記事では、子供に整腸剤をどんな時に使ったらよいのか、子供でも飲める整腸剤の種類について紹介したいと思います。
目次
子供に整腸剤は使えるの?
整腸剤といっても、種類はさまざまです。特に市販の整腸剤の場合には、いろいろな成分が合わさった配合剤になっていることがあるため、子供に使う時には注意すべきです。
市販の整腸剤の中には、子供から飲めるものと、子供は飲めないものがあります。周りの保護者の判断で整腸剤を子供に使うときには、整腸剤で対処できるような状態なのか、正しく判断しなければいけません。
子供に整腸剤を使えるのはどんな時?
子供のお腹がゆるいとき、下痢しているときなど、お薬を使いたいことってありますよね?お腹の薬としては、下痢止めや便秘薬、胃薬の選択肢がある中で、整腸剤が使えるのはどんな時なのでしょうか?
どんな時に市販の整腸剤は使える?
子供のお腹の調子が悪いけど、すぐに病院にいけない・・という時に、薬局やドラッグストアで買える市販の整腸剤を使うべきか迷うことがあるでしょう。
基本的に、小さいお子様の下痢、軟便、便秘などの症状においては、小児科で診てもらった方が安心です。なんらかの病気や感染症が原因ということもあるため、自己判断で治療しない方が良いからです。
しかし、すぐに病院にいけないような状況であれば、市販薬を一時的に使うこともできます。例えば、次のような時に、市販の整腸剤が使えます。
- 下痢、軟便
- 便秘
- お子様の整腸のため
ただし、上記の症状であっても、症状が重い場合や、発熱、嘔吐など他にも症状がある場合には、早めに病院に連れて行くことをおすすめします。
処方薬の整腸剤はどんな時に使われる?
整腸剤は市販だけでなく、病院から処方してもらうものもあります。医療用の整腸剤の場合には、子供の年齢、体重に応じて処方をしてもらえます。また、症状に応じてお医者さんがお薬を選んでくれるため、適切な治療にもつながります。
例えば次のような時に、病院から整腸剤が処方されます。
- 下痢、軟便
- 便秘
- 吐き気のあるとき
- 胃腸炎
- 抗生物質を使うとき
症状によっては、下痢止めや便秘薬、吐き気止めなどを使うこともあります。治療の方針はお医者さんの判断によっても変わるため、よく相談してお薬を処方してもらいましょう。
なぜ吐き気にも整腸剤が出されるの?
吐き気、嘔吐があったときに、整腸剤が処方されることがあります。例えば、急性の胃腸炎の時には、腸の状態も乱れがちになります。この場合、吐き気を抑えるお薬と一緒に、腸内環境を整える整腸剤が同時に出されることがあります。
整腸剤自体には吐き気を抑える作用はありません。よって、吐き気が強いときには市販の整腸剤では対処が難しいため、病院に連れて行くことをおすすめします。
なぜ抗生物質と一緒に出されるの?
抗生物質と一緒に整腸剤が処方されることがあります。熱や咳、のどの痛みなどで受診したのに、なぜお腹の薬が出されるの?と疑問に思う方もいることでしょう。
細菌の感染を抑えたり防ぐために抗生物質は使われます。抗生物質は悪い菌だけでなく、お腹の中にいる、良い菌まで殺してしまうので、副作用として下痢や軟便になりがちです。この副作用を防止するために、一緒に整腸剤が処方されます。
よって、特にお腹の調子に問題がなくても、抗生物質と一緒に出された場合には整腸剤も飲むようにすることが大切です。
子供でも飲める市販の整腸剤とは
病院でもらう整腸剤については子供に合わせた処方になっていますが、市販薬の場合には、子供でも使えるとは限りません。整腸剤の中でも子供から使えるタイプを選ぶことが大切です。ここでは子供から使える市販の整腸剤を紹介します。
新ビオフェルミンS細粒(ビオフェルミン製薬)
細粒タイプなので3ヶ月以上の乳幼児から飲むことができます。添付のサジで年齢に合わせた量を飲ませます。そのまま舐めさせるか、少量の水などに溶いて飲ませると良いでしょう。
新ビオフェルミンS錠(ビオフェルミン製薬)
5歳以上の小児からは錠剤タイプも飲むことができます。5歳から14歳までは1日3回、1回につき2錠を飲みます。錠剤が苦手な子供には細粒がおすすめです。
新ビオフェルミンSについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
宇津こども整腸薬TP(宇津救命丸)
市販薬では珍しい子供用の整腸剤です。小児から大人まで兼用できる整腸剤ではなく、小児専用なのが特徴です。
生後3ヶ月から7歳まで、1回0.5gという少ない服用量になっています。
ヤクルトBL整腸薬
ヤクルトBL整腸薬S錠
5歳以上の小児から飲める、チュアブルタイプの整腸剤です。粉薬やお薬が苦手な子供にも、いちご味で水無しで飲めるタイプなので抵抗なく飲みやすいでしょう。
整腸剤を子供に使う時の注意点とは
整腸剤を子供に飲ませるときには、大人とは違った注意も必要です。自分ではうまく症状を伝えることのできない子供だからこそ、慎重に対処してあげるようにしましょう。
整腸剤を飲んでも効かない時
市販の整腸剤の説明書では、たいてい「1ヶ月服用してもよくならない場合には、受診すること」と書かれています。
ただし、大人とは違って子供の場合には、抵抗力や身体機能が十分に成熟していないことからも、病気を早く見つけてあげることが大切になります。
下痢の症状は整腸剤を飲んだからといって、すぐにピタッとは治まりません。治るまでには、1週間程度かかることも少なくないでしょう。しかし、自己判断で大丈夫と思い込むのは危険です。
市販の整腸剤を使ってみて症状が改善しないならば、早めに受診する方が安心でしょう。
参照:外房こどもクリニック
下痢や嘔吐がひどい時
下痢や嘔吐で特に気をつけなければいけないのが、脱水です。脱水になると、生命にも危険が及ぶことがあるので注意が必要です。下痢をしている場合には、水分補給も十分に気をつけることです。
- おむつの濡れ方が少ない
- おしっこの量が減っている
- おしっこが何時間も出ない
- ぐったりしている
- 泣いても涙が出ない
- 機嫌が悪い
- 高熱
などの症状があれば、受診することが必要です。
特に、嘔吐や血便は重大な病気が関わっているということもあります。早めに受診しましょう。
参照:福岡赤十字病院小児科
便秘、お腹のハリが治らない時
整腸剤は効果が穏やかなので、便秘やお腹のハリの症状が改善しにくいこともあります。小児の便秘は大人とは異なり、先天性の病気が関係している可能性もあります。腸閉塞の危険性もあることから、早めの受診をおすすめします。
参照:日本小児外科学会
参照:よくわかるOTC薬の服薬指導 第3版(秀和システム)
まとめ
子供に整腸剤を使うケースはさまざまです。市販の整腸剤は一時的に対処するには便利です。しかし、症状の重さや種類によっては、早めに病院で診てもらった方が良いこともあります。
子供の場合には、特に症状が伝えられなかったり、重症化しやすいので注意しなければいけません。状況を適切に判断することが大切です。分からなければお医者さんに相談しましょう。