お腹の違和感の対処方法

お腹の張りは薬で解決できる?薬以外に試したい5つの対処法


お腹が張っていると、普段着ている洋服がきつくて苦しくなったり、気分的にもイライラしやすくなりませんか?お腹の張りは薬で対処できるのでしょうか?

そこでこの記事では、、

  • ドラッグストアや薬局で売っている薬で対処できるの?
  • 病院ではどんな治療を受けられる?
  • 薬以外の対処法はあるの?

といったお腹の張りに使う薬に関する疑問に答えます。

お腹が張るのはなぜ?

お腹が張ることを医学的には腹部膨満感(ふくぶほうまんかん)と言います。
お腹が張る原因としてまず考えられるのが腸の中のガスです。食べ物を消化して発生したガスや空気が腸内に溜まることで、お腹が張ってしまいます。

ガスが溜まるのは、次のような原因が考えられます。

ガスが発生しすぎている

健康な腸でもガスは発生していますが、過剰に発生している場合には溜まりやすくなります。食事をして食べ物を消化すると、必ずガスは発生するものです。
特にガスが発生しやすいのは、食物繊維が多い食事と糖分の多い食品です。

例えば、オナラが出やすくなる食品として知られる芋類は、糖分と食物繊維が豊富だからガスが発生しやすいということです。
さらに腸内細菌のバランスが悪玉菌優勢に偏っていると、異常発酵によってガスが多く発生してしまいます。
また、早食いやストレスのせいで空気を飲み込みすぎている場合もあります。

ガスの排泄に問題がある

ガスは健康な腸であっても、平均してコップ1杯程度の量(200mLくらい)発生しています。ガスのほとんどは血液中に吸収されて、最後は吐く息と共に外に排出されます。

げっぷやおならとして排出されるのは、全体の10%程度だといいます。しかし、消化管の運動機能が低下すると、ガスが上手く排泄されず、腸内に溜まりやすくなってしまいます。
このように、腸の機能が低下した状態を「停滞腸」といいます。停滞腸のために、特に病気が無いのにお腹が張りやすくなっている人が多いのです。

停滞腸

腸の機能が低下した状態

また、腸に何らかの機能異常がある場合にも排出が悪くなります。
例えば、慢性的な便秘、過敏性腸症候群、女性ならば妊娠によっても腸の運動機能が低下してガスが排出されにくくなります。

参考:大幸薬品

こんな生活習慣に注意

お腹が張りやすい人は、生活習慣の中に原因が隠れているかもしれません。あなたにも、次の中に思い当たる項目はありませんか?

  • 生活時間が不規則
  • 食生活が肉食に偏っている
  • 甘いものが好き
  • 水分をあまり摂らない
  • 運動不足である
  • ストレスを溜めがち
  • タバコを吸う
  • お米よりパン食が好き
  • ガードルやきついパンツ、下着を着用している
  • よく噛まないで早く食べる癖がある
  • 発酵食品はあまり食べない

これらの生活習慣や嗜好は、腸内にガスを溜めやすくして、お腹が張る原因となりやすいので要注意です。

また、ストレスから生活リズムが乱れがちになったり、ストレス解消のためについ甘いものに走ってしまうこともあるでしょう。
ストレスが多い人、くよくよしがちな性格の人はマイナスな感情だけでなく、お腹にガスも溜め込んでしまいやすいので気をつけましょう。

参考:大幸薬品「腹部膨満感のメカニズム」
参考:大幸薬品「チェック!あなたのガスはどのタイプ?」

お腹が張る時に使われる薬は?

お腹が張って苦しいという場合に、頼りになるお薬を紹介します。
薬局やドラッグストアで買える市販薬の中にも、お腹の張りに効果的なタイプがあります。

ただし、症状が強い場合など市販薬では対処が難しい場合には、お医者さんに相談してお薬を処方してもらった方が安心です。病院での治療についてもお話します。

ガスを取り除く作用のある市販薬

市販薬の中には過剰なガスを取り除いてくれる薬があります。特に腸のガス溜まりに効果のある市販薬を紹介します。

ガスピタン(小林製薬)

ジメチルポリシロキサン(消泡剤)がガスを潰し、セルラーゼAP(消化酵素)がガスの原因になる食物繊維を分解、さらに乳酸菌が含まれいるので腸内環境を整えてガスを改善します。

ガスピタン

画像:小林製薬 ガスピタン

ザ・ガードコーワ整腸錠PC(興和株式会社)、ラッパ整腸薬BF(大幸薬品株式会社)

ザ・ガードコーワ整腸剤PC

画像:興和株式会社 ザ・ガードコーワ整腸錠PC

ラッパ整腸薬BF

画像:大幸薬品 ラッパ整腸薬BF

消泡剤であるジメチルポリシロキサンに、整腸剤などの腸内環境を整える成分が加わった薬です。発生したガスを潰してくれるだけでなく、悪玉菌による過剰なガスの発生を抑える効果も期待できます。

パンシロンビオリズム(ロート製薬)

パンシロンビオリズム

画像:ロート製薬 パンシロンビオリズム

消泡剤であるジメチルポリシロキサンに、胃腸を動かす作用のあるカルニチン、さらに消化酵素に乳酸菌も配合したお腹の張りのための市販薬です。ガスを取り除いてくれるだけでなく、胃腸の動きをよくしてガスの排出を促してくれます。

ガスの発生を抑える作用のある市販薬

市販薬で買える薬の中には、過剰なガスの発生そのものを抑える作用がある薬もあります。腸内の環境を整えて、ガスの発生を抑える薬を紹介します。

太田胃散整腸薬(太田胃散)

乳酸菌と生薬を配合した整腸剤。2種の乳酸菌(ビフィズス菌, ラクトミン(ガッセリ菌))と、酪酸菌の3つの生菌が腸内環境を整えて、悪玉菌を抑えることでガスの発生を防ぎます。
生薬成分が乱れた胃腸の動きをサポートしてくれるので、ストレスでお腹が張る時にもおすすめです。

ビオフェルミンVC (ビオフェルミン製薬)

ビオフェルミンVC

画像:ビオフェルミン製薬 ビオフェルミンVC

乳酸菌製剤として有名なビオフェルミンブランドの中で、特にお腹の張りに特化した市販薬がビオフェルミンVCです。
お腹の張りの原因である悪玉菌を、ビオフェルミンとラクトミンの働きで抑え、さらにビタミンC、ビタミンBなどを配合することで乳酸菌の生育を助けてくれます。

病院で治療をうける場合に処方されるお薬は?

症状が強くて気になる場合、市販薬を飲んでも改善しない場合などは、むやみに自己判断で対処しようとするのではなく、医師に早めに相談することが大切です。お腹の張りは、何らかの重大な病気のサインかもしれません。

病院での治療では、ガスの排泄を促す「ガスコン(成分名:ジメチコン)」、便秘を改善してガスの発生と排泄を促すための刺激性下剤である「ラキソベロン(成分名:ピコスルファートナトリウム)」、センナ製剤など、便を柔らかくして便秘を改善する酸化マグネシウム、腸内細菌のバランスを整える整腸剤などが使われます。
病院での治療は原因となっている疾患によって異なるので、医師の判断に従って治療を受けるようにしてください。

参考:くすりのしおり ガスコン

下剤の使いすぎで逆にガスが溜まりやすくなる場合も

便秘を改善することで、お腹の張りが楽になることもあります。しかし、刺激性下剤のような便秘薬を使いすぎることによって、逆にお腹の張りを引き起こすこともあります。
下剤の使いすぎによって、腸がけいれんを起こした状態になると、ガスの排泄が悪くなりお腹が張ってしまう場合があるのです。

下剤を長期的に使っている場合や、大量に使用しているような場合には下剤の使い方を見直す必要があるかもしれません。早めに医師に相談するようにしてください。

参考:高野病院

お腹が張るのは病気の場合もある

お腹が張る症状に悩まされている場合、何らかの病気が隠れている可能性があります。病気の種類は様々ですが、特に次のような病気が考えられます。

  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 急性胃炎、慢性胃炎、機能性胃腸症
  • 大腸ガン、憩室症

参考:タケダ 健康サイト

これらの病気は生まれつきの場合もあれば、ストレスや生活習慣によって引き起こされる可能性もあります。
特に急に排便が難しくなったような場合や、薬を使って1ヶ月程度経っても改善しないような場合には、大腸ガンなどの病気が隠れている可能性も考えられます。
自己判断で決めつけることは危険なので、気になる場合には必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

お腹が張る場合に効果的な薬以外の5つの対処法

お腹が張る時に、薬を飲むことができない場合、またはなるべく薬に頼らずに対処したいという場合、または薬だけでは効果が不十分という場合には、次の対処法を試してみてはいかがでしょうか。

ただし、改善が見られない場合には、漫然と自分で対処することは避け、医師に相談するようにしてください。

腸内環境を整える食事を心がける

腸内の異常発酵を抑えるために、腸内環境を整える食事を取り入れていきましょう。例えば、発酵食品は乳酸菌の摂取源としておすすめです。
納豆に含まれる納豆菌は胃酸に強く、生きたまま腸まで届く優秀な発酵食品です。また、味噌やぬか漬けなどにも乳酸菌が含まれています。

また、お腹の張りについて鍵を握っているのが「食物繊維」です。腸内環境を整えるには、食物繊維を適度に摂取することが大切ですが、食べ過ぎは逆効果になるのです。
特に不溶性食物繊維と呼ばれるタイプは腸内でガスを発生しやすいので、食べる量には要注意。理想は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが2:1になるように食べるとよいと言われています。
そのためには、キウイのように食物繊維のバランスが取れた果物を毎日食べるようにすると、バランスを摂りやすくなります。

空気を飲みこむ癖をやめる

口から飲み込んだ空気がガスの原因になるので、空気を飲み込む癖があるなら改善する必要があります。早食いは空気を飲み込む原因になるので、食事はゆっくり噛んで食べるように心がけましょう。
また、歯を食いしばる癖がある人も要注意。ストレスが原因で食いしばってしまう場合もあるので、意識してやめるように心がけましょう。

腸マッサージでお腹を刺激

お腹が張って苦しい時、すぐに自分でできる対処法として、腸マッサージがおすすめです。
へその周りを「の」の字を書くように、反時計回りにぐるぐるとマッサージします。寝ている状態で膝を立てて行うとお腹の力が抜けるので効果的にマッサージできます。

寝る前に取り入れてみるとお腹が少し楽になるのを感じられることでしょう。ただし、お腹を触って不快な痛みがある場合には、何らかの異常がある可能性もあるので中止して医師に相談するようにしてください。

腸マッサージ

入浴や湯たんぽでお腹を温める

お腹を温めると腸の動きが良くなってお腹の張りが楽になります。お風呂はシャワーでは済ませないでしっかりバスタブに使って入浴することを習慣づけましょう。
特に半身浴はお腹を効果的に温められる方法としておすすめです。また、湯たんぽやホットタオルを使ってお腹を部分的に温めることで応急的に張りの症状を楽にすることもできます。

ガス抜きのポーズ

お腹のガスを何とかして外に出したい時には、ガス抜きのヨガのポーズがおすすめです。仰向けになって横になり、膝を曲げて両手で膝を抱えます。
ぐっと胸の方に膝を引き寄せるようにして、首が痛くならない程度に少し頭をあげて膝頭を見ます。この姿勢をゆったりと5回ほど呼吸しながらキープしましょう。自然とガスが抜けて楽になりますよ。

ヨガのガス抜きポーズ

まとめ

お腹の張りがあると洋服が苦しいだけでなく、イライラしたり、集中力が低下して日常生活にも影響してしまう場合があります。
お腹の張りは市販薬でも対処することができますが、もし不安な場合には早めに医師に相談した方が安心です。

また、日頃の習慣も見直して、ガスが溜まりにくい体を維持していくことがお腹の張りを防いでくれます。
お腹の張りを解消して、気分爽快な毎日を過ごしましょう。

参照:「おなかの張り」をとれば腸は年をとらない 著者:松生恒夫