下痢型過敏性腸症候群の治療は?食事はどうする?


下痢型の過敏性腸症候群に悩んでいる人が増えているようです。これは、おそらく腸の動きが過剰に働き過ぎて、下痢になっていると考えられます。

下痢型過敏性腸症候群について、まとめてみました。

下痢型過敏性腸症候群の特徴

便秘

下痢型の過敏性腸症候群の特徴は、こちらの3つ

  • 腹痛や腹部の不快感を伴う慢性的な下痢
  • 便は、泥状便(形がなく泥のような便)・水様便(水のような便)
  • 男性に多い
1日の内に何回もトイレに駆け込まなければならないこともあるんです。他にも、お腹にガスが溜まったり、お腹の膨満感(お腹が膨らんだ感じ)などの症状も見られます。

このような下痢型の過敏性腸症候群、辛いですよね。そこで、そんなお悩みの人に、ぜひ知っておいてほしい薬や食事についてご説明しましょう。

下痢型過敏性腸症候群の薬は?食事は?

過敏性腸症候群の原因は、

  • 不規則な生活
  • 緊張や不安感
  • ストレス
中でもストレスが最大の原因と言われているんです。

過敏性腸症候群の治療法は?

治療には、生活習慣の改善食事療法薬物療法などがあります。

生活習慣を改善する?!

分かってはいてもなかなか実践できないものですが、過敏性腸症候群に限らず健康的な生活に欠かせない要素ですね。

具体的には...

  • 規則正しい生活
  • 良質な睡眠
  • 十分な休養
  • バランスの良い食事
  • 適度な運動
  • 気分転換やリラックスする時間や場所

食事を見直す

これも過敏性腸症候群に限らず健康的な生活に欠かせない事ですが、バランスの取れた食事をとりましょう。

特に、下痢型の過敏性腸症候群では、

  • 腸を刺激して下痢を悪化させる食品は避けましょう
  • 消化に悪い食品は避けましょう
例えば、冷たい飲み物や、刺激の強い香辛料、油分の多い食品や発酵食品も下痢を悪化させてしまうんです。

食事ついては、後半でもう少し詳しくご紹介しますね。

過敏性腸症候群の薬

処方薬

過敏性腸症候群の治療に使われる薬には色々な種類があります。

過敏性腸症候群の治療に使われる薬

分類 特徴
消化管機能調節薬
  • 消化管の運動を調節して、過敏状態をやわらげる
便性状改善薬
(ポリカルボフィルカルシウム)
  • 高分子重合体を医薬品に改良したもの
  • 便の性状を変化させ、便通を整える
  • 下痢・便秘の両方に効果がある
  • 下痢の場合は便の水分を吸収し、便を固める
  • 便秘の場合は吸収した水分を保持し、便が固くなるのを防ぐ
対症療法薬
  • 症状を一時的にやわらげる
  • 下痢の場合には整腸剤
  • 便秘の場合には下剤
抗不安薬
  • 不安や緊張をやわらげる
抗うつ薬
  • 気分の落ち込みや抑うつ状態を防ぐ

参照:治験.com 過敏性腸症候群

下痢型過敏性腸症候群の人の食事は何が良い?

刺激の強い食品や消化の悪い食品は避け、野菜を中心にバランス良く何でも食べましょう。

多く摂った方が良いのは、食物繊維と、腸の粘膜を強くする成分(乳酸菌ビタミンA・B2など)。

食物繊維の効果は?!

下痢は、便に水分が多くなり過ぎている状態。食物繊維は、水分を吸い取って便の硬さを調節してくれるんです。

でも、食物繊維は消化しにくいため、よく噛んで腸の負担にならないようにしましょう。せっかく食べた食物繊維のせいで腸の不調を悪化させては大変ですものね。

食物繊維が含まれる食材はこちら

乳酸菌の効果は?!

腸内の善玉菌はほとんどが乳酸菌。ですから、乳酸菌の摂取で善玉菌が増えるんです。そうすると、悪玉菌が減って腸の働きが良くなり、下痢の改善につながります。

また、食物繊維を消化してくれるのは腸内の善玉菌ですから、乳酸菌の摂取で善玉菌が増えれば一石二鳥ですね。

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ビタミンA・B2の効果は?!

皮膚や粘膜の細胞はいつも新しく入れ替わっています。お肌をピーリングするとポロポロと出てきますよね?あれは古い皮膚なんです。同じように、粘膜の細胞も常に古い細胞が剥がれ落ちて、新しい細胞に置き換わっているんです。

ビタミンAやビタミンB2は皮膚や粘膜を作る働きがあります。ですから、これらを摂取することで、腸の粘膜の細胞が新しく置き換わる手助けをしてくれるんです。お肌と同じで、腸粘膜も新しい方がキレイで強いのです。

ビタミンが含まれる食材はこちら

「低フォッドマップ食事法」をご存知ですか?

オーストラリアで開発された、過敏性腸症候群のための食事療法です。

フォッドマップ(FODMAP)は以下の単語の頭文字をとった造語で、低フォッドマップ食事法は、これらを食べないようにするという食事療法です。

  • 発酵性の(Fermentable)
  • オリゴ糖(Oligo-saccaharides)
  • 二糖(Di-saccaharides)
  • 単糖(Mono-saccaharides)and
  • ポリオール(Polyols)
通常、炭水化物は小腸で吸収されます。でも、これらが小腸で吸収されずに大腸まで運ばれてしまう可能性があり、腸内細菌がこれらをエサにして発酵を起こすと、下痢などのお腹の不調につながるかもしれないという考えから生まれました。

ですが、オリゴ糖は腸内細菌の善玉菌にとっては良いエサとなるものです。善玉菌が減ってしまうと悪玉菌が増えてしまい、ますます下痢になりやすくなってしまいます。

近年、日本でもフォッドマップ食事療法が導入されつつあるようですが、オーストラリア人と日本人では食事内容や体質などが異なりますから、注意深く見ていく必要があるかもしれませんね。

フォッドマップ食事療法について詳しく知りたい人はこちら

下痢型過敏性腸症候群の人の飲み物は何が良い?

牛乳や冷たい飲み物、刺激の強い飲み物は下痢をひどくします。また、ジュース類やビール、果実酒のような腸を冷やしやすい飲み物も同じです。

これらの飲み物を取り過ぎないようにし、なるべく温かく、刺激の少ない飲み物を選びましょう。