便秘を運動で解消!タイプ別のエクササイズアプローチが鍵!
便秘の原因はたくさんあり、その改善策も実にさまざまです。
ここでは便秘のタイプ別に、オススメのエクササイズの方法をご紹介します。
便秘と運動の関係、運動をする際の注意点や、いつ行うのが効果的なのか?といったコツも併せて紹介します。ぜひ便秘解消エクササイズの参考にしてくださいね。
目次
便秘の原因を考えてみよう
便秘が続くと、ぽっこりとしたお腹が気になってしまうだけでなく、ニキビなどの肌荒れやストレスが溜まってしまう方もいるでしょう。
普段からなるべく便秘にならない様な生活を送ることが大切です。そのためには食生活に気を配り、規則正しい生活を送ることが基本として外せないポイントです。
ただ、それだけではなく、日常生活に運動を取り入れ、筋力を衰えないようにすることも便秘を防ぐには大切な鍵になります。
あなたはどのタイプの便秘?
便秘とは、お通じの回数が少なくて、スッキリしない状態のことを指します。
その原因はいくつかあり、臨床的には腸の機能の異常による「機能性便秘」と、腸管の疾病による「器質性便秘」に分けられます。
機能性便秘は更に細かく「弛緩性便秘」、「けいれん性便秘」「直腸性便秘」に分類できます。その中でも運動不足と関係が深いのが「弛緩性便秘」と呼ばれるタイプです。
弛緩性便秘は筋力の低下が原因?
弛緩性便秘の原因は様々なことが考えられます。食生活の乱れや、便意を我慢してしまう、頻繁な下剤の使用も弛緩性便秘を引き起こします。
そして、運動不足との関係も大きいのが、弛緩性便秘の特徴です。特に女性に多いことは、筋力の低下が原因に考えられます。体質的な問題だけでなく、運動不足などによって腸の筋力が低下してしまうのです。
筋力が低下すると、腸の周りにある「腸腰(ちょうよう)筋」というインナーマッスルが弱くなってしまいます。腸腰筋は腸の動き(ぜん動運動)をサポートする筋肉であり、内臓を正しい位置に固定するためにも大切です。
弛緩性便秘では、筋力低下により、腸のぜん動運動が鈍くなった結果、便秘が引き起こされるのです。
けいれん性便秘では運動に注意?
ストレスや自律神経の乱れを原因に、腸の一部がけいれんして細くなってしまう場合を「けいれん性便秘」といいます。けいれん性便秘の場合は、運動により余計なストレスを抱えるのは逆効果になることも。
自律神経の副交感神経は腸を動かすために働く神経で、ストレスにより乱れやすい特徴があります。副交感神経の働きを整えるためにも、過労やストレスを解消することを目指し、無理な運動は避けましょう。
ねじれ腸の人は運動不足で便秘になる
近年、便秘持ちである人の中に、腸がねじれてしまっている「ねじれ腸」が原因となっている人がいることが分かってきました。
原因は遺伝などが考えられますが、ねじれ腸の持ち主は運動が減ったことが原因で便秘を起こしがちです。
ねじれている部分を便が通過する際にお腹が痛くなることがあります。腹痛を伴う便秘になる人や、運動を控えた際に便秘になる方は「ねじれ腸」という可能性もあります。
運動不足は便秘のもと!
便秘の原因は一つではありませんが、原因の一つとして運動不足が挙げられることを理解して頂けたでしょうか?
運動が効果をもたらす理由はいくつか挙げられますが、まずはお腹まわりの筋肉を刺激してあげることで便秘の改善が期待できます。
運動の場合は、特にお金もかからず、思い立った時に気軽に始められるというのも利点です。
また、運動により自律神経を整えるということも効果の1つです。適度な運動をすることでストレス発散やリラクゼーション効果が高まり、排便を促すことにつながります。
便秘の種類ごとにおすすめの運動
具体的にどの様な運動が便秘に効果的なのでしょうか。自分がどの便秘のタイプに当てはまるのかを参考にしてみると、より効果を期待することができます。
弛緩性便秘タイプには腹筋周りを鍛える運動
弛緩性便秘は、筋力の低下が主な原因だといわれています。腹筋やインナーマッスル鍛えて、出す力を強化することを目指しましょう。
簡単な「ながら腹筋」
テレビを見ている時などに気軽に行うことができる、簡単な腹筋です。
- 仰向けになる
- 両足を揃え、床から10cm程浮かせる
- そのままできるだけ(1分ほど)キープする
- 足をゆっくりと下ろす
シンプルな動きですが、翌日は筋肉痛になるほどの効果が期待できますよ!
スクワットで下半身の筋力強化
下半身の筋肉を鍛える代表の筋トレ、スクワットも効果的です。
- 肩幅よりやや広めに足を広げで立つ(基本姿勢)
- 膝を軽く曲げて、正面を向く
- 正面を向いたまま、ゆっくりと腰を下ろす
- 下まで腰を下ろしたらゆっくりと上がる
腰や膝を痛める原因となるので、やり過ぎには注意が必要です。はじめの基本体勢では膝をまっすぐにせず、やや曲げた状態にしておくのがポイントです。
うつ伏せゴロゴロ体操
動きが鈍ってしまった小腸を刺激することでぜん動運動を促す体操です。
- うつ伏せに寝る
- そのまま10分過ごす
- 両手を上に伸ばし、左右に5回以上転がる
コップ一杯のお水を飲んでから行うと、より腸が活発的になります。
逆さま自転車こぎ
こちらも腹筋を鍛えるのに有効な体操です。
- 両足を上にあげ、背中〜腰を両手で支える
- 足を空中に上げたまま、自転車を漕ぐ要領で足を回す
- 30秒ほど回す
けいれん性便秘タイプにはリラックスできる運動
弛緩性便秘は腸のぜん動運動を促すことが大切ですが、一方、けいれん性便秘はストレスが主な原因です。無理をせず、リラクゼーションを感じる程度のエクササイズを行いましょう。
全身伸ばし
ベッドで簡単にできる運動です。朝起きてからすぐ行うのが効果的でおすすめです。
- ベッドに寝た状態で両手を上にのばす
- 両手のひらを合わせる(難しい方は両手をクロス)
- 息を吸いながら全身を上下に伸ばす
膝を伸ばすと気持ちよく感じます。自律神経を整えるエクササイズです。
ウォーキング
ウォーキングをするのもいいでしょう。コツは無理せず、毎日続けることです。一日に15分程度でも結構です。早く起きて一駅歩いて通勤する、ちょっと遠回りをして帰るなど、日常にうまく取り入れましょう。
歩くときはまっすぐな姿勢を心がけることが大切です。可能であれば腕を振りながら歩くと姿勢が整いますよ。
ねじれ腸には身体をねじる運動がオススメ
ねじれ腸が原因で便秘になってしまっている場合、身体をねじる運動が有効です。ねじれを整えるのにおすすめの運動法をご紹介します!
ゴルフやダンスなど
ねじれ腸の持ち主は、スポーツを辞めた後に便秘になる傾向にあります。
身体をねじる動作を行うスポーツがねじれ腸に効果的だと言われているため、ゴルフやダンス、テニスのようなスポーツに挑戦してみると良いでしょう。
ねじれ腸に効くエクササイズ
スポーツよりも気軽にねじれ腸による便秘解消をしたい方は、身体をねじるエクササイズを行いましょう。
- 足を肩幅に広げて立つ
- 両手を肩の高さに広げ、腰から上を左右に捻る
- 1分間続ける
このエクササイズは、ねじれた箇所を治療することはできませんが、腸の中でもねじれやすいと言われる箇所に詰まっている便を移動させることができます。ただし、痛みを感じる場合には、中止してください。
エクササイズは朝がおすすめ
便秘解消の運動を行うのは、一日の中のどのタイミングがベストなのでしょうか?
運動は排泄のタイミングである朝に行うのが一番効果的です。目覚めと同時に、眠っていた腸も覚ましましょう。
とは言え、朝に行わなくてはいけないものではありません。スキマ時間など、ご自分にとって無理のない時に行いましょう。また、腰や膝などに痛みがある場合も無理をしない様、気をつけましょう。
運動の注意点
辛い便秘を解消するために早速色々なエクササイズを試したくなりますが、注意点もあります。
ストレスは大敵!
便秘解消のエクササイズはストレスのない範囲で長く続けることが大切です。毎日続けることは大切ですが、気が乗らない日はお休みをする潔さも必要。
腸はストレスを敏感に感じ取ります。ストレスによって副交感神経が弱まると腸のぜん動運動が鈍くなってしまいます。ぜん動運動が鈍くなると、便が滞る原因になってしまいます。
便秘を解消するために過度な努力をし、便秘を悪化させてしまっては意味がありません。無理のない範囲で、ストレス無く続けましょう!
運動だけでなく、食生活などの改善も大切
便秘になる原因は本当にさまざま。運動によって改善されることもありますが、それだけではなく、食生活を見直す、腸内環境を整えるといったことも大切です。
また、水分不足も便秘の原因になります。運動の前後では水分補給をすることも忘れないようにしましょう。
便秘解消に役立つ解消法はこちらで詳しく紹介しています。運動と合わせて取り入れてみてくださいね。
便秘には重大な病気が隠れている可能性も
便秘には病気が原因となっている場合もあります。いろいろな対処法を試しても改善しないならば、何らかの病気が隠れているということも。
病気が原因になっている場合には、どんなに運動をしても根本的な解決にはなりません。
病気のサインとして、急に便秘になった、便秘が長引いている、強い痛みを感じたり、血便が出るといった場合は医師に相談しましょう。
まとめ
日常生活に簡単な運動を取り入れることによって便秘の解消に一歩近づくことができます。
運動をすると気持ちがスッキリとするだけではなく、美容やダイエットなどにも効果が期待できます。
便秘に悩んでいる方は、ぜひ明日からでも運動を少しずつはじめてみて下さいね。
参照:腸活ダイエット(小林弘幸 著)