お腹の調子が悪いのは年齢のせい?気になる原因と改善方法
今まで、あまり便秘や下痢になったことがないのに、なんだかずっと調子が悪い。そういえば、年齢が上がるにつれてひどくなってきたような気がする。こんなふうに思うことはありませんか?
年齢もお腹の調子と関係することがありますが、それだけが原因であるとも限りません。
今回は、年齢による原因と、それ以外の原因・改善方法なども紹介していきます。
目次
加齢が原因でお腹の調子が悪くなることはあるの?
腸は、20歳をすぎると少しずつ働きが低下していきます。
そのため、食生活を意識して腸内環境を整えていかないと、腸だけではなく体も老化の一途をたどる一方です。
特に、50歳以降になると、さらに腸の動きが悪くなり、弾力性も失われ、排便力も落ちていきます。高齢になるほど便秘になりやすく、お腹のなかにガスがたまって痛くなることもあります。そのままの状態を放置すると、老廃物がたまり腸内環境はますます悪化することも考えられます。そのため、今まで以上に、腸内環境に気をつける必要があります。
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に分けられますが、健康な人は、2:1:7の比率で菌が保たれています。しかし、お腹の調子が悪くなると、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が減ってしまい、悪玉菌が増えてしまいます。
だからといって、すべて腸内環境のせいだと思っていてはいけません。50歳を過ぎると大腸がんになる可能性も高くなるので、自分で判断せず不安な症状が続く場合は、病院で診察を受けておいた方がよいでしょう。
加齢以外でお腹の調子が悪くなる原因ってどんなもの?
加齢により、腸の働きは低下していきますが、お腹の調子が悪くなる原因としては次のことも挙げられます。
食生活が原因の場合
腸の働きは普段の生活環境にもっとも左右されます。毎日バランスよく食事を摂っているでしょうか?忙しいからなどを理由に偏った食事を摂っていると便秘になりやすくなります。
運動不足が原因の場合
年齢が上がるとともに、運動や外出が面倒になり、一日中座りっぱなしの生活を送っていると血液の循環が悪くなり、腸の動きも止まります。その上、腸が冷えると交感神経が緊張し、さらに動きが悪くなってしまいます。体の冷えにも、今まで以上に気を付ける必要があります。
ウォーキングなどの適度な運動は、腸だけでなく生活習慣病を予防することもできます。腸の動きがよくなると大腸がんの予防にもつながるので、普段から意識して運動するようにしましょう。
ストレスが原因の場合
お腹の調子が悪くなる原因には、ストレスが関係していることもあります。
年齢を重ねると、生活スタイルも変わってきます。その変化に合わせて、ストレスも変化していくでしょう。
なるべくストレスを溜めないように、自分のストレス解消法を見つけておくことも大事です。
慢性的な下痢や便秘を繰り返すときは、過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)の可能性も考えられます。
この病気はストレスが原因で起こることが多く、病院では大腸内視鏡などの検査をおこなうことがあります。この検査により、炎症性の潰瘍がないか、大腸がんなどの腫瘍がないかなどを検査し、何もなければこの病気と診断されます。
参照:健康寿命は自分でのばす(オレンジページ)
参照:IBS(過敏性腸症候群)を治す本(水上健 著)
腸内環境を整えるための食事方法とは
お腹の調子を整えるために、効果のある食材を紹介します。これらをうまく毎日の生活に摂り入れていきましょう。
乳酸菌やビフィズス菌をとる
腸の動きをよくするためには、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌を増やすこと
が大切です。ヨーグルトだけではなく、みそ汁やチーズなどの発酵食品は効果が期待できます。とくに便秘の人は、これらを毎日摂っていると一週間ほどで改善できることがあります。
善玉菌を増やすためにオリゴ糖をとる
ヨーグルトなど、直接乳酸菌をとる方法とは別に、元からある菌を増やすためにはえさとなるオリゴ糖を毎日とっておきましょう。
オリゴ糖を摂取する前の腸内細菌を調べてみると、一週間、二週間たつと確実に増えているのですが、やめた途端に元の数値に戻ってしまうという報告もあります。オリゴ糖は時々摂るのではなく、毎日摂り続けることが大切です。
食物繊維をとる
食物繊維を多く含む食物はたくさんありますが、特に大麦は食物繊維が多く、便をやわらかくし、コレステロールの低下にもつながるの で、積極的に摂っていきたい食品です。ごはんに混ぜると食べやすいので、毎日効率よく食事に取り入れることができます。
オレイン酸をとる
便をスムーズに出すためには、便のすべりをよくする必要があります。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸の動きをサポートします。今まで、下剤を服用しないと出にくかったという人も、オリーブオイルを毎日の食事にとりいれるだけで、下剤の量を減らせたという報告もあります。
食事で体内から体を温める
冷えを改善するためには、温かいものを飲んだり、食べたりするだけでは効果は期待できません。シナモン・ショウガなど腸を中から温める食材を積極的にとりい れていきましょう。暑い時期でも、半身浴や靴下をいつも履くなど常に温めることを意識していくことも必要です。
参照:健康寿命は自分でのばす「おとなの健康」(オレンジページ)
参照:免疫力がグンと上がる!腸内フローラ改善レシピ(辨野義己 著)
便秘や下痢の症状に合わせた食事の内容は?
食生活やストレスなど、原因によって今ある症状を改善するために、摂っておきたい食事の内容は変わります。
摂ったほうが良いもの、気をつけたほうが良いものをいくつかご紹介するので参考にしてください。
食生活による便秘の場合
- さつまいも・大豆・切り干し大根など食物繊維のものを多く摂る
- りんご・バナナ・ヨーグルトなど有機酸を含むものを多く摂る
- 適度な量の香辛料やアルコール
- お肉などからとれる適度な量の脂質
など
ストレスが原因による便秘や下痢の場合
- イモ類・果物類・海藻類など水溶性食物繊維のものを多く摂る
- 香辛料・アルコール・カフェインなどの刺激性食品は控える
- 揚げ物など油が多く入っている脂質を控える
- 味の濃いもの、食べ過ぎには注意をする
など
参照:便秘と食事(厚生労働省 e-ヘルスネット)
お腹の調子をよくするおすすめレシピを紹介
お腹の調子をよくするための、レシピをご紹介します。簡単に作れるので、気軽に普段の生活に取り入れてみてください。
日々の生活に取り入れたい簡単おすすめレシピ
材料(一人分):
- ショウガ…ひとかけ
- 黒砂糖またはハチミツ…大さじ1
- 水…200ml
作り方:
- ショウガは、皮をむかずそのままスライスする。
- 鍋に、水とスライスしたショウガをいれる。
- 沸騰したら弱火にし、そのまま5分続ける。
- 最後に、黒砂糖またはハチミツを入れる。
ショウガの皮にも、ジンゲロールなどの栄養が含まれているので、そのまま使います。黒砂糖は、体を温める効果がありますので一緒にとると効果がアップします。
材料(二人分):
- 玉ねぎ…半分
- ショウガ…ひとかけ
- コンソメ…1個
- 水…600ml
- バター…10g
作り方:
- 玉ねぎとショウガを、薄くスライスします。
- 鍋にバターをひき、玉ねぎとショウガをいためます。
- 生ねぎが茶色くしんなりとしてきたら、水とコンソメを加える。
- 10分ほど煮込み、仕上げにしょうゆで味をつける
玉ねぎは、血液をサラサラにする効果があり、血管を拡張する作用があります。玉ねぎとショウガを合わせるとさらに効果がたかまります。
ショウガに含まれる体を温める成分とは
中国では「ショウガがあれば医者いらず」という言葉もあるほど、注目されている食品です。
ショウガに含まれるジンゲロールといわれる成分は、血行をよくし、食欲増進にも効果的です。
その上、ショウガに含まれている揮発油は、消化を促進させる働きもあるので、とくに冷えを解消するにはとても向いている食材といえるでしょう。
参照:食べるクスリ 免疫力を高める食材ベスト66 (陳恵運 著)
さいごに
お腹の調子が悪いのは、加齢も関係していますが、それだけではなく加齢にともなう食生活や生活環境の乱れも原因だということが理解できたでしょうか?
他には、ストレスや冷えも原因になります。
加齢により、病気のリスクは高くなっていきます。なかなか改善できない症状は自己判断せず医師に相談しましょう。