豆乳で下痢になってしまう!という人の原因と対処法
女性のホルモンバランスを整える成分の1つに、「イソフラボン」があります。豆乳などに多く含まれており、健康のために豆乳を飲み始めたという人も多いはず。
しかし、そこでよく耳にするのが「豆乳を飲んで下痢になった!」という声です。
本来、日本人は昔から味噌や醤油、納豆などの大豆加工食品に慣れ親しんできたはずなのに、いったいなぜなのでしょう?そこにはこんな原因があったのです。
目次
豆乳はそもそも消化が悪い!?大豆発酵食品との違い
同じ大豆加工食品である味噌や醤油、納豆などはいわゆる大豆発酵食品です。大豆を発酵させているため、風味が増し、消化・吸収も良くなります。そうなると胃腸への負担も減るというわけで、これらを食べて下痢になるという話はあまり聞きませんね。
一方、豆乳は同じ大豆由来でも、その大豆は未発酵状態。そもそも消化・吸収作用が弱いため、特に胃腸の弱い人が摂取し過ぎると胃腸に負担をかけてしまうのです。そのため腸内でガスが溜まってしまい「なんだかお腹が痛い!」となってしまいます。
同じ大豆加工食品でも腸への負担が異なる
味噌、醤油、納豆 ..etc | 発酵食品 | 胃腸への負担が少ない |
豆乳 | 未発酵 | 胃腸への負担が大きい |
日本豆乳協会によると、このように消化が悪いとされる食品を摂取し、下痢や嘔吐などのアレルギー症状を引き起こすことを「クラス1食物アレルギー」と呼ぶそうです。このクラス1食物アレルギーの原因となる食品に、大豆も含まれていますから、あまり摂り過ぎないようにすることが大事です。
他にも卵や小麦、乳製品など、いわゆるたんぱく質を多く含む食品が、このクラス1食物アレルギーの原因として挙げられています。
元々、胃腸が弱い人や高タンパクの食材を摂り過ぎるとお腹を壊す人などには、少し不向きな食品と言えるかもしれませんね。
花粉症の人は交差反応にご注意を!
先程、クラス1食物アレルギーについてご紹介しましたが、実は「クラス2食物アレルギー」という症状もあるんです。これは普段、豆乳を飲んでもアレルギーが出ない人に起こる反応です。
例えば、花粉症などのアレルギー反応が出ているにも関わらず、豆乳を飲んだとします。すると体内でアレルゲン同士が結合し合い、アレルギー反応を起こしてしまうという症状。
普段は豆乳オーケーな体質の人でも花粉症やアレルギーの時期には豆乳を控える、もしくは少しずつ飲むようにすると良いかもしれませんね。
参照:日本豆乳協会
豆乳に含まれるマグネシウムは軟便の元になることも
そもそも、成人に必要なマグネシウムの量をご存知でしょうか?
厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2005年版)』によると、1日のマグネシウム摂取目安量は 75mg~300mg とされています。
例えば平均的な国内産の無調整豆乳を例に挙げると、小さいサイズの豆乳パック(200ml)のマグネシウム含有量は55mg前後です。これ1本で1日の最少目安量に近いマグネシウムを摂ることができると言えます。
さらに、普段の食事の中でマグネシウムを含む食材は意外に多く、知らず知らずのうちに1日の最大摂取目安量を超えていた、なーんてことも……。
マグネシウムを含む身近な食材
- ゴマ
- 海苔
- わかめ
- 木綿豆腐
- 納豆
- カレー粉
そこで気をつけたいのが、マグネシウムの摂り過ぎです。
マグネシウムの1種、酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムは便を柔らかくする作用があり、便秘薬にも使われています。このため豆乳の飲み過ぎは軟便の元、つまり下痢を引き起こす原因になると考えられています。
下痢はイヤ!だけど豆乳を飲みたいときの対処法は?
巷で話題のマクロビオティクスなどでは、牛乳の代わりに豆乳を推奨しています。ですから「早速、わたしも豆乳に切り替えた」「大好きなカフェラテの代わりにソイラテを飲み始めた」なんて人も多いのでは?
でも、そこで下痢になってしまっては健康維持どころではありませんよね。そんな人の対処法はコレ。。
ズバリ!温めて飲むこと!
冷たいままだと消化不良に拍車がかかってしまい、さらに胃や腸に負担をかけてしまうことも。温めることで身体への負担が軽減されるため、下痢の症状も起こりにくくなります。
ただし、体質的に大豆アレルギーの人の場合は温めても結局、下痢になってしまう危険性があります。そういう人は残念ながら豆乳そのものを控えた方が良いでしょう。
参照:日本豆乳協会
1日の中で少量ずつ飲む
日本豆乳協会のサイトにも記載されていますが、大豆はアレルギー食品です。そのため同サイトでオススメしている豆乳の飲み方に「少しずつ飲む」というのがあります。
「なーんだ、そんなことか」と思った、そこのあなた。実はコレ、効果的な飲み方の1つなんですよ。
胃腸が弱い人の場合、一気に流し込まれた未発酵の豆乳を分解するには、かなりの負担がかかります。でも、1日の中で少しずつ小分けにして飲むことで、その都度、少量ずつ分解することができます。
その分、胃腸への負担も軽くなりますよね。豆乳にはイソフラボンをはじめ、女性に嬉しい様々な栄養素が豊富に含まれています。ですから賢く豆乳を飲んで、上手に栄養補給をしましょう。
参照:日本豆乳協会
豆乳に含まれる、主な成分とその効能
豆乳に含まれる、主な成分とその効能には、このようなものが挙げられます
- イソフラボン
エストロゲンの働きにより、不足しがちな女性ホルモンの働きを助ける - サポニン
脂質の代謝を促し、コレステロール値を下げる - たんぱく質
血液や筋肉、エネルギーの元となる三大栄養素の1種 - オリゴ糖
善玉菌であるビフィズス菌を増やす作用がある。腸内環境を整える成分の代表格 - マグネシウム
丈夫な歯や骨などを作る成分。不足すると骨粗しょう症などの原因になる - カリウム
血圧異常を防ぐ。脳卒中などの予防にも効果的 - ビタミンB群
皮膚や粘膜を正常に保つ。不足すると粘膜や皮膚の炎症の原因になる - ビタミンE
高酸化作用により体内を酸化から守る働きがある
参照:厚生労働省 e-ヘルスネット
参照:内閣府 食品安全委員会
参照:栄養成分百科グリコ
豆乳の種類と特徴
一口に豆乳と言っても様々な種類があります。ここでは主な豆乳の種類をリストアップし、特徴をまとめてみました。
- 無調整豆乳
大豆固形分8%以上:大豆と水が主成分のもの - 調製豆乳
大豆固形分6%以上:大豆に脱脂加工大豆や添加物などを加えたもの - 豆乳飲料
大豆固形分2%以上:人工的にバナナなどの風味を付けたもの
上記3種で大豆タンパク質の含有量の比率を現すと、無調整豆乳における大豆の含有量がトップになります。もし大豆アレルギーだと思われた場合には、無調整豆乳以外の豆乳をオススメします。
まとめ
今や健康飲料として、すっかり定着しつつある豆乳。コンビニなどでも手軽に購入でき、ますますニーズが高まってきています。
ですが、身体に良いからと過剰に摂取するのは禁物です。下痢などのアレルギー症状が出てしまっては本末転倒ですから、自分の体質や他の食品とのバランスも考え、少しずつ生活に取り入れていきましょう。