甘酒は夏バテに効く点滴ドリンク – 作り方をご紹介
寒いときに甘酒を飲むと、ポカポカして体を温めてくれてほっこりした気持ちになれますよね。ですから甘酒を、「冬の飲み物」だと思っている方が多いのではないでしょうか?
でも意外にも、甘酒は夏の季語だということを知っていましたか?甘酒は古く江戸時代から飲まれていました。その当時の人たちは、夏の暑さにも負けないための「滋養強壮ドリンク」として甘酒を飲んでいたそうです。
現代でも甘酒は、「飲む点滴」と言われています。それはブドウ糖やアミノ酸、ビタミン類など豊富な栄養素が含まれているからです。甘酒に含まれるブドウ糖は点滴と同じ成分なんですよ。ですから、エネルギーに転化されやすく、夏の暑さで疲れた体に効く飲み物となるのです。
昔の人は、生活の知恵として甘酒のチカラを知っていて、夏に飲んでいたのでしょう。夏は冷やして、冬は温めて、甘酒は一年中おいしく楽しむことができますね。
米麹で作る、本格甘酒のご紹介
甘酒の作り方はいくつかありますが、今回は米麹を使った本格的な甘酒の作り方をご紹介します。麹で作る甘酒は風味が優しいので、お酒が飲めない人やお子さんでも飲みやすい味になります。
また、お米の自然な甘味を使って、おやつ作りやお料理にも使えるので便利ですよ。まとめて作ってストックしておくといいですね。
米麹で作る甘酒の作り方
- ご飯 300g
- 米麹 200g
- 水 3カップ
- 鍋にご飯と水と入れて、中火にかけて煮立ったら弱火で5分程煮る。
- ボウルに移して60度まで冷ます。
- 米麹を入れて混ぜる。
- 炊飯器に入れて保温で約10時間ほで完成
ミキサーにかけるとなめらかで飲みやすくなります。つぶつぶした食感を楽しみたい方はそのままで。
※保存する場合は、いったん火にかけて沸騰させて発酵を止めます。
その後、冷ましてから冷蔵庫で約2週間、冷凍庫で約3ヶ月保存できます。
酒粕を溶いて作るタイプの甘酒には、少しアルコールが入っているので、お酒が飲めないと苦手な方もいますね。
麹で作る甘酒にはアルコールが入っていないので、お酒が飲めない方やお子さまでも安心して飲むことができます。
ご飯は、もしお家にもち米があれば、是非もち米で作ってみて下さい。もち米のデンプンはうるち米のデンプンよりも甘くなる性質があるので、甘味が増した美味しい甘酒ができます。
甘酒の麹菌が作り出す豊かな成分
米麹で作る甘酒は、麹菌を増殖させた発酵食品になりますので、麹菌の豊富な栄養素を取り込むことができます。
甘酒の成分には、脳のエネルギー源となるブドウ糖が20%以上も含まれています。また、麹の原料となる米のたんぱく質には、麹菌の酵素によって分解されて作られる必須アミノ酸が多量に含まれているのです。
しかも、麹菌は自身の繁殖の過程で、お肌の代謝に働くビタミン類を生成します。ですから甘酒には...
- ビタミンB1、B2、B6
- パントテン酸
- イノシトール
- ビオチン
- ナイアシン
また、お米から麹菌の酵素によって食物繊維やオリゴ糖が生成されます。これらは腸内の善玉菌の栄養源です。甘酒を飲んでいると善玉菌優位のキレイな腸を実現出来るでしょう。
神様も母乳の代わりに甘酒を飲ませていた?
宮崎県西都市の都萬神社に伝わる伝説をご紹介しますね。
この伝説には木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)という古事記や日本書紀に登場する神様が登場します。木花咲耶姫は天照大神(アマテラス)の孫であるニニギノミコトの妻です。また、富士山の御神体としても知られています。
木花咲耶姫は三人の子供を産んで母乳が足りなくなったため、母乳の代わりに甘酒を飲ませて育てていたそうです。
神様の時代から愛用されていた日本の伝統食の甘酒。夏バテや熱中症予防はもちろん。普段の食生活に取り入れることで、健康なカラダづくりに様々な効果が期待出来そうですね。
甘酒サワーで夏バテしないカラダに
甘酒はその自然な甘味を活かして、様々な料理にアレンジできるので是非活用したいものです。夏は食欲も減退しがちですが、そんな時には是非、甘酒を使ってみて下さい。
夏におすすめなのは、甘酒を炭酸で割った「甘酒サワー」です。カルピスの炭酸版でカルピスサワーというのがありますよね?あれにちょっと似ていると思います。
炭酸で割ることで清涼感が増して、暑くほてったカラダに甘酒の栄養がしみわたる感じです。
作り方は甘酒と炭酸をだいたい半々くらいで割ります。
この場合は甘酒をミキサーで液状にしている方が使いやすいですね。お好みでミントやしょうがの絞り汁を入れてもピリッと大人味でいいかもしれませんね。