便秘解消に効果的な食べ物 – 6つの栄養素で便秘予防も


お腹

便秘の原因に「運動不足」を挙げる方は多いでしょう。しかし、いきなり運動を始めるというのも、なかなか大変なものです。

そこで、毎日の食事の中で、便秘を解消する食べ物を積極的に食べることをおすすめします。
便秘に効果があると言われる栄養素には、以下の6つがあります。

それぞれの栄養素について、便秘への効果や多く含まれる食べ物を順にご紹介していきましょう。

1.食物繊維

野菜サラダ

食物繊維は、ヒトの体内で消化できない栄養素の一つです。食物繊維には、水溶性食物繊維不溶性食物繊維の2種類があります。

【食物繊維の便秘解消効果】

特徴 はたらき
①腸内環境を改善する 腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌を減らして善玉菌を増やす。そのため、腸内環境が整えられる。
②水分を吸収して保つ
(不溶性食物繊維)

水分を吸収して膨らみ、便のかさ(量)を増やす。そのため、腸の蠕動運動が活発になる。

※蠕動(ぜんどう)運動:腸の内容物を移動させる運動

他にも、水溶性食物繊維は、水分を吸収して粘りが出るという特徴があります。そのため、胃腸内をゆっくり移動し、空腹感を緩和します。また、食後の血糖値の急激な上昇や、血中コレステロールの増加を抑える効果もあります。

一方、不溶性食物繊維は、繊維質が硬いという特徴があります。そのため、よく噛むことで満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを抑えます。

食物繊維を多く含む食べ物

【水溶性食物繊維の含有量が多い食品】

  • 精粉こんにゃく
  • 豆類(大豆、いんげん豆など)
  • きのこ類(乾燥きくらげ、干ししいたけなど)
  • ごぼう、かぼちゃなど
  • ココア、紅茶や煎茶
  • ごま
  • ドライフルーツ
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
こんにゃく(精粉:せいこ) 73g
大豆製品(納豆、おから、きな粉など) 2~6g
にんにく、切り干し大根(乾燥) 5g
いんげんまめ 4g
かぼちゃ 2g

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

※大豆製品には、主に、ハム・ソーセージ、ちくわなどの練り製品、ハンバーグやから揚げなどの総菜や冷凍食品の加工に使われている、大豆粒状たん白も含まれています。

【不溶性食物繊維の含有量が多い食品】

  • 凍みこんにゃく
  • 豆類(大豆、ひよこ豆、えんどう豆、そら豆など)
  • きのこ類(乾燥きくらげ、干ししいたけなど)
  • かんぴょう、切り干し大根
  • とうもろこし、栗
  • ココア、紅茶や煎茶
  • アーモンド、ピスタチオ
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
凍みこんにゃく(乾燥) 70g
乾燥おから 42g
えんどう豆(塩豆) 17g
切り干し大根(乾燥) 16g
ささげ(全粒、ゆで) 10g

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

上記のとおり、食物繊維は、こんにゃく、豆類、きのこ類に多く含まれています。ドライビーンズやきのこを干したものなど乾燥品に多いので、たくさん食べているつもりでも意外と量は少ないかもしれません。積極的に摂るようにしましょう。

食物繊維の摂取量の目安

食物繊維の1日当たりの目標摂取量は、以下のとおりです。

男性 20g以上
女性 18g以上

※上記は、18~69歳の目標摂取量です。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

しかし、厚生労働省の2014年の調査では、食物繊維の1日平均摂取量は、成人男性で15.1g、成人女性では14.4gでした。

長期的な食物繊維の摂取量不足は、心筋梗塞、脳卒中、循環器疾患、糖尿病、がんなど、多くの生活習慣病との関連が明らかになっています。上記で紹介した食べ物をあまり食べないという方は、積極的に食べるようにした方が良いでしょう。

とは言え、便秘の時や腸が弱っている時は、不溶性食物繊維の摂り過ぎは危険です。不溶性食物繊維によって便のかさ(量)は増えるのに、腸の動きが悪いために、便が腸内に長く留まってしまうのです。その結果、便秘やガス、腹痛を引き起こすことがあります。

水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2

食物繊維は、上記のバランスで摂るようにしましょう。

2.乳酸菌

乳酸菌

乳酸菌は、糖を分解して乳酸を作り出す細菌で、自然界に多くの種類が存在しています。ヒトの腸内にも存在し、善玉菌として働きます。

【乳酸菌の便秘解消効果】

特徴 はたらき
①腸内環境を整える 乳酸菌は、腸内で糖を分解して、有機酸(乳酸)を作り出す。乳酸により腸内が酸性になると、悪玉菌が減り、善玉菌が増える。そのため、腸内環境が改善される。
②善玉菌を増やす 乳酸菌が生きたまま腸に送られると、そのまま腸内で善玉菌として働く。そのため、腸内の善玉菌の数が増える。
③善玉菌のエサになる 乳酸菌は善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす。

乳酸菌の便秘への効果については、以下の記事でも詳しく説明しています。

他にも、乳酸菌には免疫力アップの効果があり、風邪やインフルエンザへの効果が期待できます。また、アレルギーの緩和に効果があり、花粉症やアトピー性皮膚炎などの改善効果も期待できます。
また、ストレスの緩和や肌荒れ改善の効果も知られています。

乳酸菌を多く含む食べ物

【乳酸菌の含有量が多い食品】

  • 乳製品(ヨーグルト、チーズ、クリームチーズ、バター、乳酸菌飲料など)
  • 漬物類(漬物、キムチ、ピクルス、ザーサイ、ザワークラフト(ドイツのキャベツの漬物)など)
  • 調味料(塩麹、味噌、醤油、酢、みりん)
  • アルコール(日本酒、甘酒、焼酎、ワイン、マッコリなど)
上記のように、乳酸菌は、乳製品だけでなく、漬物や調味料などの発酵食品に多く含まれています。食品に含まれる乳酸菌の数は、温度・湿度などの保存環境などによって変化するため、食品中にどのくらい含まれているかは一概に言うことはできません。

しかし、ヨーグルトや乳酸菌飲料ではパッケージに乳酸菌の数が書かれていますし、乳製品などには下記のような規定がありますので、これらが参考になるでしょう。

  1mL当たりの乳酸菌数又は酵母数
発酵乳、乳酸菌飲料
(無脂乳固形分3.0%以上)
1000万個以上
乳酸菌飲料
(無脂乳固形分3.0%未満)
100万個以上

※発酵乳:牛乳または牛乳と同等以上の無脂乳固形分(牛乳から乳脂肪分と水分を除いた成分)を含むものを、乳酸菌又は酵母で発酵させたもの。ヨーグルトやバター、チーズなど。

出典:厚生労働省「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」PDF

また、漬物では、最も乳酸菌の含有量が多いと言われているのがキムチで、キムチ1g当たり6億個とも8億個とも言われています。

乳酸菌の摂取量の目安

乳酸菌は、腸内環境が良ければどんどん増えますので、摂取量の目安は特にありません。

ヨーグルトや乳酸菌飲料では、1パック中に、それぞれの商品に関するヒトでの試験で、最も効果が得られた乳酸菌数が含まれていることが多いようです。

また、漬物類や調味料では、たくさん食べることで塩分を摂り過ぎてしまう恐れがありますから、控えめに食べた方がいいかもしれません。アルコールに至っては、飲み過ぎはもちろんいけません。

乳酸菌は、ストレスや不規則な生活で減少することが分かっていますから、毎日継続して摂るのが良いでしょう。もし、食品の摂取からでは十分でないと感じるなら、乳酸菌を効率よく補えるサプリメントを活用することをおすすめします。

3.オリゴ糖

オリゴ糖

オリゴ糖とは、単糖がいくつかつながったものを指します。オリゴ糖は、一般的な砂糖の主成分であるショ糖に比べて甘味が低く、甘味料の中でもカロリーが低いのが特徴です。

【オリゴ糖の便秘解消効果】

特徴 はたらき
①腸内環境を整える オリゴ糖は胃や小腸では消化されにくく、ほとんどが大腸まで送られる。大腸で分解されたオリゴ糖から有機酸が作られ、腸内が酸性になる。腸内が酸性になると、悪玉菌が減り、善玉菌が増える。そのため、腸内環境が改善される。
②善玉菌のエサになる オリゴ糖は善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やす。

他にも、オリゴ糖は、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やし、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らす効果があり、動脈硬化の予防に効果を発揮します。

また、カルシウムやマグネシウムの吸収を促す作用や、肥満予防、虫歯予防の効果もあります。

オリゴ糖を多く含む食べ物

【オリゴ糖の含有量が多い食品】

  • 豆類(大豆、きなこ、枝豆など)
  • 野菜類(ごぼう、たまねぎ、ヤーコン、にんにく、ねぎなど)
  • 穀類(とうもろこし、ライ麦など)
  • 母乳、牛乳、乳製品
  • みそ、しょうゆ、はちみつなど
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
きなこ 7g
ごぼう 3.6g
たまねぎ 2.8g
はちみつ 1.5g
蒸し大豆 1.42g

上記のとおり、オリゴ糖は、豆類や野菜類、牛乳やはちみつなど、様々な食品に含まれています。特に、キク科の根菜(いも)であるヤーコンは、100g当たり8gのオリゴ糖が含まれています。スーパーなどで見かけることの少ない野菜ですが、通販などでも購入できますから、毎日の食事に摂り入れるのも良いでしょう。

オリゴ糖の摂取量の目安

オリゴ糖の1日当たりの有効摂取量は、以下のとおりです。

  1日当たりの有効摂取量
ガラクトオリゴ糖
母乳に含まれる・乳糖から作られる
2〜5g
乳果オリゴ糖
ショ糖と乳糖から作られる
2〜8g
フラクトオリゴ糖
タマネギ等の野菜に含まれる
3〜8g
大豆オリゴ糖
大豆に含まれる
2〜6g
イソマルトオリゴ糖
はちみつや味噌等に含まれる
10g
キシロオリゴ糖
食物繊維キシランから作られる
1~3g

出典:消費者庁「特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準 」(H26.10.30日付)PDF

上記以外にも、ビート(てん菜)から作られるビートオリゴ糖は3g、コーヒー豆のカスから抽出されるコーヒーオリゴ糖は1.5~3gで便秘への効果があります。

オリゴ糖は、ショ糖(砂糖の主成分)に比べると甘味が低く、高いものでも40%程度の甘味です。そのため、甘さが足りないと感じて多く摂取してしまいがちですが、急な摂取によって下痢やお腹の張りを引き起こすことが分かっています。一度にたくさんの量を摂取しないようにしましょう。

4.オレイン酸

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オレイン酸は、特にオリーブ油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸です。他の脂肪酸に比べて変質しにくいという特徴があります。

【オレイン酸の便秘解消効果】

特徴 はたらき
①腸の働きを活発にする オレイン酸は小腸での吸収に時間がかかる。そのため、短時間で多めの量を摂取すると、小腸で吸収しきれずに大腸まで送られる。
その結果、腸が刺激され、蠕動運動が活発になる。
②便を柔らかくする オレイン酸の乳化作用によって、オレイン酸が便の水分と混じり合い、便を柔らかくする。

※乳化作用:水と油の境界面(界面)を小さくして、均一に混じり合わせる作用。界面活性作用とも言う。

他にも、オレイン酸には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす働きがあります。そのため、オレイン酸の摂取により動脈硬化などのリスクが下がると言われています。

オレイン酸を多く含む食べ物

【オレイン酸の含有量が多い食品】

  • 油脂類(ひまわり油、オリーブ油、なたね油、牛脂、ラード、ごま油など)
  • 種実類(マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオなど)
  • 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉などの特に脂身の部分)
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
オリーブ油 74.0mg
マカダミアナッツ(煎り) 59.3mg
ソフトタイプのマーガリン 39.3mg
マヨネーズ(卵黄タイプ、全卵タイプ) 35~36mg
リブロース(脂身付き)(焼き) 32.8mg

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

上記のとおり、オレイン酸は脂肪分の多い食品に多く含まれます。肉類では脂身の部分や生肉に多く、火を通すと少し減ります。オリーブ油にはとても多くのオレイン酸が含まれていて、朝に摂取すると効率良く吸収されますので、朝食のサラダのドレッシングとしてオリーブ油を活用すると良いでしょう。

オレイン酸の摂取量の目安

オレイン酸を代表とする一価不飽和脂肪酸は、ヒトの体内でも合成することができます。必須脂肪酸ではないため目安量は特に定められていません。

厚生労働省の2014年の調査では、一価不飽和脂肪酸の1日平均摂取量は、男性で20.7g、女性では17.1gでした。この量が多いのか少ないのかの判断は難しいですが、アメリカ人の摂取量と比較するとそれほど多くはないと言えるでしょう。

日本人とアメリカ人の一価不飽和脂肪酸の摂取量の比較

  日本人
(30~49歳)
アメリカ人
(31~50歳)
アメリカ人は
日本人の
男性
(中央値)
20.8 g/日 36.0 g/日 1.7倍
女性
(中央値)
17.3 g/日 23.2 g/日 1.3倍

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

しかし、オレイン酸の過剰摂取は、炭水化物の食べ過ぎよりも肥満につながる可能性が高いので、摂取し過ぎることのないようにしましょう。

5.マグネシウム

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マグネシウムは、歯や骨の形成に必要なミネラルです。私たちの体内にあるマグネシウムの50~60%が骨に存在しています。

【マグネシウムの便秘解消効果】

特徴 はたらき
①便を柔らかくする マグネシウムは、水分が腸に吸収されるのを防ぐ。そのため、便に十分な水分が保たれるので、便が柔らかくなる。

他にも、マグネシウムは、体内で酵素の働きを助け、代謝やエネルギー産生に関わっています。また、神経を落ち着かせたり、血圧の維持、筋肉の収縮を行います。

不足すると、骨に蓄えている中から補充されます。欠乏すると低マグネシウム血症を引き起こすことがあります。また、長期的なマグネシウムの摂取量不足により、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まると言われています。

マグネシウムを多く含む食べ物

【マグネシウムの含有量が多い食品】

  • 海藻(あおさ、青のり、わかめ、昆布、ひじきなど)
  • 魚介類(干しエビ、桜エビ、かたくちいわしなど)
  • 大豆製品(大豆、大豆粒状たん白、きな粉など)
  • ココア、インスタントコーヒー、紅茶や煎茶
  • 粉末調味料(バジル、タイム、しょうが、わさび、カレーなど)
  • 種実類(かぼちゃ、ごま、アーモンド、落花生など)
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
あおさ(素干し) 3200mg
乾燥わかめ(素干し) 1100mg
乾燥ひじき 640mg
かぼちゃ 530mg
かたくちいわし(煮干し) 230mg

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

上記のとおり、マグネシウムは、海藻類に多く含まれています。乾燥品から多くを摂取するのは難しいですが、ココアやインスタントコーヒーなどからなら比較的摂取しやすいでしょう。

飲料 100cc当たりの含有量
ピュアココア 440mg
インスタントコーヒー 410mg
紅茶 220mg
煎茶 200mg

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

マグネシウムの摂取量の目安

マグネシウムの1日当たりの推定必要量と推奨量は、以下のとおりです。

男性 推定必要量280~310mg、推奨量340~370mg
女性 推定必要量230~240mg、推奨量270~290mg

※上記は、18~69歳の成人の推定必要量と推奨量です。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

しかし、厚生労働省の2014年の調査では、マグネシウムの1日平均摂取量は、男性で262mg、女性では227mgでした。上記で紹介した食べ物をあまり食べないという方は、積極的に食べるようにした方が良いでしょう。

マグネシウムを過剰に摂取すると、軽度の下痢になることがありますが、これは一過性のものです。他に特に健康被害の報告はないため、摂取量の上限は設けられていません。
しかし、サプリメントなど食品以外から摂取する場合は、上限が1日当たり350mgに設定されています。

6.ビタミンC

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ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つで、正式には「L-アスコルビン酸」と言います。ヒトの体内では合成されないため、食品などから摂取する必要があります。

【ビタミンCの便秘解消効果】

特徴 はたらき
①腸の働きを活発にする 腸内環境が悪いと、腸内はアルカリ性になる。ビタミンCは、アルカリ性の環境下で分解され、この時にガスを発生する。このガスが、腸の蠕動運動を活発にさせる。
②腸内環境を改善する ビタミンCは、アルカリ性に傾いた腸内を酸性にする。腸内が酸性になると、悪玉菌が減り、善玉菌が増える。また、ビタミンCは、善玉菌のエサになる。そのため、腸内環境が整えられる。
③便を柔らかくする 通常、便はアルカリ性で、酸性の環境下では柔らかくなる。ビタミンCは酸性のため、ビタミンCが腸に多くあると便が柔らかくなる。

他にも、ビタミンCは、コラーゲンの合成に深く関わっています。ビタミンCが不足するとコラーゲンが合成できず、皮膚や骨、血管が老化します。その結果、肌荒れや疲労感、貧血などが起こります。欠乏症になると壊血病を発症することもあります。

また、ビタミンCには抗酸化作用があります。ビタミンEとともに活性酸素を取り除き、生活習慣病やがんの予防になります。その他、免疫力アップやストレス緩和の効果もあります。

ビタミンCを多く含む食べ物

【ビタミンCの含有量が多い食品】

  • 果実類(アセロラ、グァバ、キウイ、柿、いちご、パパイヤなど)
  • 柑橘類(ゆず、すだち、レモン、ネーブル、グレープフルーツ、金柑など)
  • 野菜類(ピーマン、ブロッコリー、ゴーヤなど)
  • 肉類(ハム、ベーコンなど)
【よく食卓に上る食品ベスト5】

食品 100g当たりの含有量
赤ピーマン(油炒め) 180mg
黄ピーマン(油炒め) 160mg
青ピーマン(油炒め) 79mg
ゴーヤ(油炒め) 75mg
キャベツ(油炒め) 47mg

※100g当たりの含有量は、文部科学省の食品成分データベースを参考にしました。

上記のとおり、ビタミンCは、フルーツ、特に柑橘系の果実に多く含まれています。中でも、キウイは含有量が多い上に、手に入りやすいのでおすすめです。キウイを食べるなら、グリーンキウイよりも、ビタミンCが2倍以上多く含まれるゴールドキウイを食べましょう。

ビタミンCの摂取量の目安

ビタミンCの1日当たりの推定必要量と推奨量は、以下のとおりです。

男性 推定必要量85mg、推奨量100mg
女性 推定必要量85mg、推奨量100mg

ただし、通常の食品から摂取することを基本とし、いわゆるサプリメント類から1日当たり1000mg以上の量を摂取することは推奨できない

※上記は、18~69歳の成人の推定必要量と推奨量です。

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)

厚生労働省の2014年の調査では、ビタミンCの1日平均摂取量は、男性で98mg、女性では102mgでした。ビタミンCについては、多くの方が十分に摂取できているようです。

しかし、ビタミンCは水に溶けやすく、熱や空気、アルカリ性の環境に弱いので、なるべく積極的に食べるようにした方が良いでしょう。また、タバコ、ストレス、疲労などでたくさん消費することが分かっているので、思い当たる方は積極的に摂りましょう。

ビタミンCは、体内で蓄えられる量に上限があり、多少摂り過ぎても尿と一緒に出てしまいます。そのため、摂取量の上限は設けられていません。しかし、3000mg以上の過剰摂取で下痢を引き起こしたという報告があり、摂り過ぎには注意が必要です。
裏を返せば、一度にたくさん摂ってもあまり意味がないということですから、ビタミンCは、こまめに摂取するようにしましょう。

また、空腹時よりも食後、特に朝食後が最も体内に吸収されやすいので、朝食のデザートに柑橘系のフルーツを食べると良いかもしれません。

まとめ

元気な女性

以上、便秘解消に効果があると言われる6つの栄養素について、便秘への効果や、含有量の多い食べ物、摂取量の目安などをご紹介しました。

便秘の解消には、毎日の食事の中でこれらの栄養素をバランス良く取り入れることが大切です。それによって、便秘の解消だけでなく、便秘予防にも効果が期待できるでしょう。

とは言え、健康を維持するためには、その他の様々な栄養素も必要です。好き嫌いをせずに、色々な食べ物をバランス良く食べるようにしましょう。もし、食事だけでは不十分と感じるなら、サプリメントを活用するのも良いでしょう。

サプリメントにも色々ありますが、おすすめしたいのは乳酸菌のサプリメントです。乳酸菌には便秘解消パワーだけでなく、免疫力アップやアレルギーの緩和など健康の維持に欠かせない様々な効果があるからです。
乳酸菌の効果について詳しく説明している以下の記事もぜひご覧ください。

また、食事から摂る栄養素だけでなく、規則正しい生活や運動が加わると、より便秘解消に効果を発揮することは言うまでもありません。
薬に頼らない便秘解消法は、以下の記事で詳しく説明しています。