近年、注目を集めている「腸内細菌」
なぜ注目が集まっているのでしょうか?

それは、腸内細菌が、腸内だけでなく全身に影響を及ぼすからなのです。

腸内細菌腸内細菌は、便秘や下痢など腸と直接関係する事はもちろん、最近の研究では、肥満やアレルギー、ストレス、病気の予防にまで影響を与えている事が判ってきたのです。

腸の難病にも「腸内細菌」が関与している?

難病の1つである「クローン病」や「潰瘍(かいよう)性大腸炎」。これらにも、腸内細菌が関与しています。

クローン病とは?

口から肛門までの消化管(特に小腸と大腸)に炎症や潰瘍ができる病気です。

1.患者数

欧米人に多く、日本人では欧米の約10分の1程度と言われています。ただ、近年ではかなり増加していて、1976年に128人だったのが平成25年には39,799人と、人口10万人当たり27人程度がクローン病を患(わずら)っています。

2.発症年齢と男女比

10歳代~20歳代に多く、男性が20~24歳、女性が15~19歳が最も多く発症します。男性に多く、女性の約2倍も見られるんですよ。

3.症状

炎症や潰瘍ができる場所によって異なりますが、特徴的なのは腹痛と下痢。

  • 腹痛
  • 下痢
  • 血便
  • 体重減少
  • 発熱
  • 腹部腫瘤
  • 全身倦怠感
  • 貧血

「クローン病」詳しくは...

お腹が痛い

潰瘍性大腸炎とは?

大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる病気です。

1.患者数

日本人の患者数は米国の半分以下で、平成25年時点で166,060人(人口10万人あたり100人程度)と言われています。

2.発症年齢と男女比

男性が20~24歳、女性では25~29歳が発症年齢のピークですが、若者から高齢者までかかります。男女でこの病気のかかりやすさは変わりませんが、喫煙をする人の方がしない人よりも発病しにくいと言われているんです。

3.症状

特徴的な症状は下痢と腹痛。

  • 下痢
  • 血便
  • けいれん性の腹痛
  • 持続的な腹痛
  • 発熱
  • 体重減少
  • 貧血

「潰瘍性大腸炎」詳しくは...

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クローン病も潰瘍性大腸炎もその原因はよく分かっていません。でも、最近の研究では、免疫反応が異常を来たして、自分の腸にいる腸内細菌に対して攻撃する自己免疫異常が原因の一つであることが分かってきました。

腸の「難病」に腸内細菌が役立つ?

先ごろ、カナダ・マクマスター大学で、ある研究が行われました。それは、少し驚かれるかもしれませんが、「糞便(ふんべん)移植」という手法を使ったものです。

潰瘍性大腸炎の人75名に、健康な腸を持つ人の糞便または水を、週1回50mL、6週間肛門から注入しました。その結果、

潰瘍性大腸炎が回復していたのは糞便移植を受けた9人(24%)とプラセボを受けた2人(5%)だった。統計解析の結果、両グループの回復には17%の差があったと見られ、糞便移植に潰瘍性大腸炎の治療効果があったと見なせた。

糞便移植により回復した9人中7人は、同じ提供者からの糞便を移植されていた。

また、潰瘍性大腸炎になって1年以内だったのは4人で、そのうちの3人が糞便移植で回復していた。1年以上だった34人のうち、糞便移植で回復したのは6人だった。これにより、潰瘍性大腸炎の期間が糞便移植の治療成績に影響すると分かった。

糞便移植を受けた人とプラセボだった人の便に含まれる微生物の種類を比較したところ、プラセボよりも糞便移植を受けた人の方が、種類が多かった

出典:Medエッジ 潰瘍性大腸炎の治療研究

糞便移植という言葉だけ聞くと驚かれたでしょうが、健康な腸を持つ人の糞便は腸内細菌のバランスが良く、そのことが潰瘍性大腸炎に効果をもたらしたと言えますね。

潰瘍性大腸炎の研究をご紹介しましたが、炎症性の腸疾患であるクローン病についても、腸内細菌の効果が期待できるでしょう。

また、同じような研究が、慶應義塾大学病院(2014年3月~)や順天堂大学病院(2014年7月~)など日本でも行われました。最近では、千葉大学病院藤田保健衛生大学病院などでも糞便移植による治療が行われ始めているようです。今後の治療にますます期待が持てますよね。
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腸の「難病」には腸内細菌が作る酪酸がカギ?

クローン病や潰瘍性大腸炎の人の腸内は、腸内細菌のバランスが崩れ、酪酸(らくさん)を作る腸内細菌が少ないそうです。

そこで、理化学研究所、東京大学、慶應義塾大学が共同で行った研究をご紹介しますね。
この研究は、腸内細菌の一つクロストリジウム属が、制御性T細胞を増やすことに着目して行われました。

腸内細菌がクロストリジウム属だけのマウスに、菌のエサとなる食物繊維を多く含む食事を与えた場合と、食物線維をほとんど含まない食事を与えた場合、

食物繊維を多く含む食事を摂ったマウスだけに制御性T細胞の増加が見られました。

同時に、食物繊維を多く含む食事を摂ったマウスの腸内では代謝産物の1つである酪酸の産生量が多くなっていました。

出典:理化学研究所 炎症性腸疾患の治療に腸内細菌の作る酪酸が関係

※制御性T細胞とは...
炎症やアレルギーでは、免疫が過剰に反応しています。それを調節する働きをするのが制御性T細胞です。
つまり、菌のエサである食物繊維を食べたマウスでは、腸内のクロストリジウム属が酪酸を産生し、その酪酸によって免疫を調節する制御性T細胞の数が増えたのです。

また、大腸炎のマウスに酪酸を与えると、制御性T細胞が増え、大腸炎の症状が抑えられたという結果もあり、炎症性腸疾患の治療法が早く確立されるよう期待したいですね。

腸内細菌のバランスを整えるには?

病院

実際、病気になってしまったら、病院で適切な治療を受ける必要がありますね。でも、病気になる前に、または病気が軽いうちに、自分でできることはないのでしょうか?

その一つに、腸内細菌のバランスを整えることが挙げられるでしょう。

  • バランスの良い食事
  • 快適で良質な睡眠
  • 規則正しい生活
  • 適度な運動
  • ストレスレスな毎日
これらは、健康のためだけではなく、腸内細菌の健康にも重要なんです。

味方を増やそう!

健康な人の腸内には、

  • 善玉菌・・・・20%
  • 悪玉菌・・・・10%
  • 日和見菌・・・70%
だと言われています。

「名は体(たい)を表す」と言いますが、これらの腸内細菌も同じ。

  • 善玉菌は私たちにとって味方
  • 悪玉菌は私たちにとって
  • 日和見菌は日和見的に味方になったり敵になったり
腸内フローラ

健康な人の腸のような割合が保たれていれば問題はありません。このような状態だと、善玉菌の恩恵を十分に受けることができるのです。

善玉菌から受けられる恩恵

  • 正常な腸内環境の維持
  • 免疫活性化
  • 消化の補助
  • ビタミンの生成
  • 短鎖脂肪酸の生成

もっと詳しく

免疫が活性化すれば、病気の予防にもなりますし、病気になっても軽いうちに治る可能性が高いと思いませんか?

でも、善玉菌は減りやすく、味方が減って敵が増えると...悪玉菌の悪い働きによってさまざまな悪い影響が出てきてしまうのです。

ですから、善玉菌を増やし、日和見菌も味方につけるのが得策です。
腸内の善玉菌は、ビフィズス菌やラクトバチルス属などの乳酸菌ですから、生きた乳酸菌を腸内に送り込んであげましょう。

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