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便秘で悩む方の中には、子どもの頃から便秘気味だったという方がたくさんいます。もし中学生の頃から便秘で今30歳だとしたら、もうすでに20年近くも便秘で悩んでいることになります。

そんなに長い「便秘お悩み生活」を続けていると、便秘薬を使った経験も一度や二度ではないかもしれません。実際様々な調査で、便秘の解消法の一つとして市販の便秘薬を使ったことのある方は、25~35%という結果が出ています。

しかし、便秘薬に対して「お腹が痛くなる」「下痢をする」などの悪いイメージを持っているという方も大勢います。
そこで、本当におすすめできる便秘薬について考えてみたいと思います。

便秘薬には4つのタイプがある

便秘薬には、大きく分けて4つのタイプがあります。

便秘薬の4つのタイプ

  1. 刺激タイプ
  2. 膨張タイプ
  3. 浸潤タイプ
  4. 浸透圧タイプ

1.刺激タイプ

薬

腸の粘膜を刺激して、蠕動運動(ぜんどう-うんどう:腸の内容物を移動させる運動)を活発にします。
刺激タイプの便秘薬には以下の4つがあります。

刺激タイプの便秘薬

  • 小腸刺激タイプ:ひまし油、オリーブ油など
  • 大腸刺激タイプ:センナ、ダイオウ、ビサコジル、ピコスルファート、アロエなど
  • 直腸刺激タイプ:ビサコジル、炭酸水素ナトリウムなど
  • 浣腸タイプ:グリセリン、薬用せっけんなど

①小腸刺激タイプ

小腸刺激タイプのひまし油は小腸でリシノール酸とグリセリンに分解され、リシノール酸が小腸を刺激します。比較的短時間で効果が現れますが、骨盤内での出血の可能性があり、妊婦さんが使用してはいけません。
またオリーブ油に多く含まれるオレイン酸も小腸を刺激します。いずれも油ですから、大量摂取はおすすめできません。

主な市販薬
加香ヒマシ油(健栄製薬)、日本薬局方 加香ヒマシ油(小堺製薬)

②大腸刺激タイプ

大腸刺激タイプは最もよく利用される便秘薬です。センナ、ダイオウなどの生薬(しょうやく)タイプと、ビサコジルやピコスルファートなどの成分が含まれるタイプに分かれます。服用後6~12時間程度で効果が現れるため、寝る前に飲むと翌朝~翌日の日中にお通じがあります。
ただし、生薬タイプは連用により刺激を感じにくくなるため、長期間の使用は避けた方が良いでしょう。

主な市販薬(生薬タイプ)
コーラックハーブ(大正製薬)、タケダ漢方便秘薬(武田薬品工業)、丸薬七ふく(小林製薬)、百毒下し(翠松堂製薬)

主な市販薬(化合物タイプ)
コーラック、コーラックソフト(大正製薬)、スルーラックS(エスエス製薬)、ビューラックA、ビューラック・ソフト(皇漢堂製薬)

③直腸刺激タイプ

直腸刺激タイプとは、いわゆる座薬のことです。ビサコジルは直腸を刺激して排便を促します。炭酸水素ナトリウムは、腸内で炭酸ガスを発生させることで直腸を刺激します。直腸に働きかけるので使用後すぐ~30分くらいで効果が現れますが、刺激が強すぎると感じる方も多いようです。

主な市販薬
コーラック座薬タイプ(大正製薬)、新レシカルボン坐剤S、ウィズワン坐剤(ゼリア新薬工業)

④浣腸タイプ

浣腸タイプは、肛門からグリセリンなどを注入して直腸をダイレクトに刺激します。この刺激により、蠕動運動が活発になります。また薬液が便の滑りを良くします。最も即効性があり、使用後すぐ~10分くらいで便意が訪れます。ただし、クセになりやすいため連用は避けた方が良いでしょう。

主な市販薬
イチジク浣腸(イチジク製薬)、コトブキ浣腸(ムネ製薬)、ミカサ浣腸(報国製薬)、ケンエー浣腸(健栄製薬)

2.膨張タイプ

腸内環境

食物繊維が腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさ(量)を増やします。また、これにより蠕動運動が活発になり排便が促されます。
膨張(ぼうちょう)タイプの便秘薬には以下の2つがあります。

膨張タイプの便秘薬

  • 天然の食物繊維を含むタイプ:プランタゴ・オバタ種皮や小麦ふすま、寒天など
  • 合成された食物繊維を含むタイプ:カルボキシメチルセルロースナトリウムなど

膨張タイプの便秘薬で現在売られているものは、ほとんどがプランタゴ・オバタ種皮を含むタイプです。緩やかに作用し、服用後12時間以上経ってから効果が現れ始めます。最も効果が現れるのは2~3日服用後です。クセになりにくく、長期的な使用が可能です。便に十分な水分が保たれるので、排便が容易になるという利点があります。
ただし、食物繊維が腸内で膨らむため、腸管が狭い場合には逆効果になることがあります。

主な市販薬
コーラックファイバー(大正製薬)、スルーラックデトファイバー(エスエス製薬)、サトラックス、サトラックスビオファイブ(佐藤製薬)、ウィズワンエル、新ウィズワン(ゼリア新薬工業)

3.浸潤タイプ

腸内で便に水分を浸透させることで、便を柔らかくします。
浸潤(しんじゅん)タイプの便秘薬には、界面活性剤(かいめん-かっせいざい)が含まれています。

浸潤タイプの便秘薬

  • 界面活性剤を含むタイプ:ジオクチルソジウムスルホサクシネート

界面活性剤が便に水分を取り込みやすくするとともに、便の表面を覆って滑らかにします。市販のものには大腸刺激タイプのセンナやビサコジルなどを含むものが多く、大腸の蠕動運動により柔らかくなった便が一層出やすくなります。大腸刺激タイプの成分を含む浸潤タイプの便秘薬は若干刺激が強いこともありますが、服用量の調節により防ぐことができます。

主な市販薬
コーラックⅡ(大正製薬)、スルーラックプラス(エスエス製薬)、サトラックスエース(佐藤製薬)、オイルデル(小林製薬)、クリア(武田薬品工業)

4.浸透圧タイプ

水

浸透圧とは、中と外の濃度を一定に保とうとする力(圧力)のことです。浸透圧タイプの便秘薬は、腸管の外から水分を腸内に吸収して、高くなった腸内の濃度を薄めようとする働きを利用しています。
浸透圧タイプの便秘薬には以下の2つがあります。

浸透圧タイプの便秘薬

  • 塩類を含むタイプ:酸化マグネシウム、 硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウムなど
  • 糖類を含むタイプ:ラクツロース、ソルビトールなど

①塩類を含むタイプ

塩類の浸透圧作用により便に水分が保たれるので、便が柔らかくなります。また便が水分を吸収して膨らむので便のかさ(量)が増し、蠕動運動も活発になります。クセになりにくく長期間の服用が可能です。服用後1時間程度で効果が現れ始めますが、腸を刺激するタイプとは違い腹痛が起こることはまれです。

主な市販薬
スルーラックデルジェンヌ(エスエス製薬)、スラーリア便秘薬(ロート製薬)、錠剤ミルマグLX(エムジーファーマ)、3Aマグネシア(フジックス)、酸化マグネシウムE便秘薬(健栄製薬)

②糖類を含むタイプ

糖類も腸管から吸収されないため、浸透圧作用によって便が柔らかくなり、蠕動運動が活発になります。また糖類は腸内で善玉菌のエサとなること、腸内で分解されて腸内を弱酸性にすることが分かっていて、これにより腸内環境が整います。

主な市販薬
マルツエキス、マルツエキス・スティック(アサヒグループ食品)

たくさんある便秘薬、どうやって選ぶ?

ドラッグストア

このように便秘薬にはとても多くの種類があり、一体どれを選べば良いか簡単には決めることができません。そこで、お悩み別に便秘薬を分類してみました。便秘薬を選ぶ時の参考にしてください。

即効性で選ぶなら

  • とにかく即効性を求めるなら「刺激タイプ」が一番
    ただし、刺激が強すぎて下痢や腹痛の原因になる可能性が高いのが難点
  • 刺激タイプの次に効き目が早く現れるのは「浸透圧タイプの塩類を含むタイプ」
    刺激タイプに比べて腸にも優しくおすすめ
長く使いたいなら

  • 長期連用してもクセになりにくいのが「膨張タイプ」
    天然の食物繊維(プランタゴ・オバタ種皮)が主成分なら、体への影響も少なくおすすめ
  • 膨潤タイプの次におすすめは「浸透圧タイプの塩類を含むタイプ」
    クセになりにくい上、膨潤タイプよりも短時間で効果が現れるのでひどい便秘にも
腸に優しいものが良いなら

  • 一番優しいのは赤ちゃんにも使える「浸透圧タイプの糖類を含むタイプ」
    ただし、3歳までなので大人には使えません
  • 次に腸に優しいのは、天然の食物繊維が主成分の「膨張タイプ」
    ただし、食物繊維の摂り過ぎはかえって便秘を招くことにもなるので要注意

人によって、また便秘の程度や何を求めるかによって、選ぶタイプは違ってくるでしょう。しかし、本当におすすめできる便秘薬は「腸に優しい」ものです。
もしあなたが便秘薬初心者なら、または便秘薬を使うことにためらいがあるなら、ぜひ以下の便秘薬から試してみてはいかがでしょうか?

本当におすすめできる「腸に優しい」便秘薬

  • クセになりにくく体への影響も少ない「膨潤タイプ」
  • 刺激が少ないのに比較的短時間で効果がある「浸透圧タイプの塩類を含むタイプ」

いつの日か便秘薬を卒業するために

乳酸菌の効果

しかし、いくらクセになりにくいものを選んだとしても、いつまでも便秘薬を使い続けるわけにはいきません。便秘薬を卒業できる日が少しでも早く訪れるように、日々の積み重ねも大切です。

そのためには、便秘の原因となる生活習慣や食生活を改める必要があるでしょう。
以下の記事では、便秘を根本から改善するために、生活習慣と食生活をどのように変えた方が良いのかについてまとめています。また、ひどい便秘でも便秘薬を使わないですぐに解消するための方法についても書いてありますから、ぜひ参考にしてください。

便秘は、生活習慣や食生活の乱れなどが原因となり腸内環境が悪くなることで引き起こされます。生活習慣や食生活の改善とともに、腸内環境を整えるとより早く便秘から解放されます。
以下の記事では、腸内環境を整えるために最も効果的な「乳酸菌」について、その便秘解消効果を詳しく説明しています。

生活習慣や食生活を正し、腸内環境を整えることは、便秘だけでなく全身の健康、心の健康にとってもとても大切なことです。無理をせず、できることから少しずつ変えて行きましょう。


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