乳酸菌のすごい効果!便秘解消パワーを徹底検証


今や、乳酸菌の整腸効果はとても有名になりました。そして、そのことが便秘解消の助けになるというのも、多くの方がご存知でしょう。

ここでは、さらに一歩踏み込んで、乳酸菌の便秘解消のパワーの秘密に迫りたいと思います。

乳酸菌

乳酸菌の便秘解消効果がすごい

言わずと知れた乳酸菌の便秘解消効果ですが、そのすごさを実感していただくためにデータを2つご紹介しましょう。

【すごさを実感できるデータその1】

1つ目は、全国発酵乳乳酸菌飲料協会での研究結果です。
この研究では、便秘または下痢の方に、乳酸菌を1日300億個摂取してもらいました。
その結果、便秘の方の50%以上、下痢の方の約75%に改善が見られました。

p13gfx_1

参照:一般社団法人全国発酵乳乳酸菌飲料協会「便通改善作用」

【すごさを実感できるデータその2】

2つ目は、当サイトで行ったアンケート調査の結果です。
この調査は、「乳酸菌が含まれるサプリメント」を使ったことがある方100名を対象に行いました。

乳酸菌のサプリメントを使用して、良かったと実感できたかを尋ねたところ、「実感できた」と答えた方は59名でした。

実感できた/実感できなかった

これらの研究結果やアンケート調査から、乳酸菌のお腹の不調や便通への効果は明らかです。乳酸菌が、便秘だけでなく下痢にも効果があるというのは案外驚きかもしれません。

では、なぜ乳酸菌はこのような効果を示すのでしょうか。

乳酸菌の効果の秘密にせまる

乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出す細菌の総称で、自然界に多くの種類が存在しています。乳酸菌はその形状によって、球状だと乳酸球菌、棒状だと乳酸桿菌(かんきん)と言います。

また、よく混同されるものにビフィズス菌があります。ビフィズス菌は糖を分解して乳酸と酢酸を作り出す細菌で、乳酸菌とは形状や性質、存在する場所などが異なります。しかし、どちらも同じような作用を持っていることもあり、同じ仲間として扱われることの多い細菌です。

乳酸菌が便秘に効果を示すのはなぜ?

乳酸菌の便秘解消効果は、乳酸菌の整腸作用によるものです。このことを、以下の2段階に分けてご説明しましょう。

  1. 乳酸菌が腸内環境を整える
  2. 腸内環境が整うと便秘が解消する

1.乳酸菌が腸内環境を整える

腸内環境の悪化

腸に棲む細菌には、良い働きをする善玉菌と悪い働きをする悪玉菌がいます。私たちの腸内では、乳酸菌も善玉菌として働きます。

前述のように、乳酸菌は糖を分解して乳酸を作り出します。乳酸は酸性なので、乳酸菌が活発に働いて糖を分解すればするほど、腸内は酸性に傾きます(弱酸性)。このような環境下では悪玉菌の数が減ります。そうすると善玉菌が増えます。

また、腸内には日和見菌(ひよりみきん)という細菌も棲んでいます。日和見菌には、悪玉菌が優勢になると悪玉菌として働き、善玉菌が優勢になると善玉菌として働くという性質があります。実は腸内にはこの日和見菌が最も多く、善玉菌:悪玉菌:日和見菌が2:1:7という割合で棲んでいます。

乳酸菌の活躍で腸内が弱酸性になり善玉菌が優勢になると、日和見菌は善玉菌に加勢して良い働きをするようになります。その結果、腸には良い働きをする細菌が増えます。このような状態を「腸内環境が整う」と言います。

乳酸菌が糖を分解して乳酸を作る

yajirusi_sita_S

腸内が弱酸性になる

yajirusi_sita_S

悪玉菌が減り、善玉菌が増える

yajirusi_sita_S

日和見菌が善玉菌として働く

yajirusi_sita_S

腸内環境が整う

2.腸内環境が整うと便秘が解消する

腸内環境

ではなぜ、悪玉菌が少なく、善玉菌(+日和見菌)が多い状態を「腸内環境が整っている」と言うのでしょう?

それは、悪玉菌が腸内で有害物質や有害ガスを作り出すからです。そのため、悪玉菌が多いと腸内の環境は悪くなります。逆に言えば、悪玉菌が少なく善玉菌(+日和見菌)が多い腸内は、良い環境だと言えるのです。

便秘というのは、悪玉菌の作り出す有害物質や有害ガスによって腸内環境が悪化し、腸の働きが悪くなることが原因で起こります。腸の働きが悪くなって腸の内容物を外に押し出す運動(蠕動運動(ぜんどう-うんどう))が弱まると、便が腸内に停滞してしまいます。これが便秘です。

腸内環境が整っていると悪玉菌が少ないので、有害物質や有害ガスの産出量はほんの少しです。一方、善玉菌(+日和見菌)は活発に働くので、腸が良く働き蠕動運動も活発になります。そうすると便がスムーズに移動しますし、この時に有害物質や有害ガスも一緒に外に押し出してくれます。つまり、便秘が解消するのです。

腸内環境が整う

yajirusi_sita_S

善玉菌(+日和見菌)が活発に働く

yajirusi_sita_S

腸の蠕動運動が活発になる

yajirusi_sita_S

便がスムーズに移動する

yajirusi_sita_S

便秘解消

乳酸菌の効果は便秘だけじゃない

良い菌と悪い菌

乳酸菌の便秘への効果は、乳酸菌の整腸作用の賜物です。乳酸菌が下痢に効果を示すのも、整腸作用のおかげです。

下痢も、腸の働きが弱まっていることが原因で起こります。通常、腸では水分吸収が行われます。しかし、腸の働きが弱いと水分が吸収されず、便と一緒に外に出て来ます。この状態を下痢と言います。

乳酸菌の整腸作用により腸の働きが活発だと、腸での水分吸収が正常に行われます。そのため、便と一緒に水分が排出されることがなく、下痢にも効果を示すのです。

乳酸菌の整腸作用は、他にも以下のような様々な良い効果をもたらしてくれます。

<乳酸菌の整腸作用による主な効果>

  • 免疫力を上げる
  • アレルギーを緩和する
  • 栄養素の消化・吸収が良くなる
  • ストレスを緩和する
  • 肌荒れを改善する
また、乳酸菌の持つ「病原菌の増殖を抑える働き」が、細菌感染予防虫歯予防に役立ちます。

さらに、乳酸菌の種類によっては、コレステロール値を下げたり、血圧低下、血糖値の上昇を抑えるなどの働きをするものもあります。

乳酸菌の効果を高めるには

疑問を感じる女性

多くの良い効果をもたらす乳酸菌ですが、その寿命は3日~長くても1週間と言われています。つまり、いくら良い働きをしてくれる乳酸菌も、3日程度で便と一緒に外に出てしまうのです。

ですから、乳酸菌を外から補充してあげる必要があります。そのためには、乳酸菌を多く含む食べ物を積極的に食べるようにしましょう。

もし乳酸菌が生きたまま腸までたどり着けば、そのまま腸内で善玉菌として働きます。しかし残念ながら、ほとんどの乳酸菌は胃酸で死んでしまいます。と言っても、死んだ乳酸菌(死菌)が腸まで運ばれると、他の善玉菌のエサになるので問題はありません。つまり、あらかじめ滅菌処理された食品であっても、十分乳酸菌の効果を高めるのに役立つのです。

乳酸菌が多く含まれる食べ物は、以下の記事で紹介しています。以下の記事では、摂取量の目安についても記載していますので、参考にしてください。

どんな栄養素でも、食べ物から摂るのが一番効率よく体内に吸収されます。ですから、食べ物から摂取するのが最も望ましい形です。しかしいくら食事に気をつけていても、毎日十分な栄養を摂るのは難しいものです。そんな時には、サプリメントを活用してみるのも良いかもしれません。

胃酸に弱い乳酸菌ですが、サプリメントは乳酸菌をカプセルで覆って守っているので、乳酸菌が生きたまま腸まで届きます。乳酸菌のサプリメントについて興味がある方は、以下の記事をご覧ください。